日々思うこと
満員電車のステップ
通勤列車は間違いなく満員だ。嫌だなぁ。
それでも家に帰るには乗るしかない、と覚悟を決め、電車に乗り込むと、真空パックかと思うほど押し込まれる。あぁ体が、鞄が浮くとはこんな状態か、などと思いながら何駅かやり過ごすと、大半の人が降りる駅が見えてくる。
そうなると今度は席取り合戦の始まりだ。降りない人は皆、自分の近くの席が空かないかと期待し、空いた瞬間そこに滑り込む。かく言う私も、近くの席に空きを見つけ、そこに滑り込んだ。
ふぅっと息を吐くと、また人がなだれ込んできた。この人達もさっきの私みたいに押し込まれ、心を殺してやり過ごすのだろうと、同情のようなものを抱き、自分が座っている事に若干の申し訳なさをも感じて、下を向いて時間が経つのを待つ。
そうしていると、皆の靴が整然と並んでいるのが目に入ってくる。
電車が揺れる度に、揃って動く靴たちを眺めていると、まるで団体の揃ったダンスを見ているようで、思わずふっと笑ってしまう。先ほどまでは私もあの中の一員だったのだと思うと、ますます面白い。
満員電車を少し楽しんだ所で、自分の降りる駅が近づいてくる。降りようと席を立つ時に、疲れた様子で前に立っていた人が一瞬驚いた顔をしたあと嬉しそうに席に座る様子を見て、自分まで嬉しくなった。
満員電車は疲れる事ばかりだが、少しだけ楽しい事や嬉しい事も潜んでいるものだ。明日の満員電車では、また他に何か面白いものが見つかるだろうか。
少し明るくなった気持ちを胸に、家路を急いだ。
それでも家に帰るには乗るしかない、と覚悟を決め、電車に乗り込むと、真空パックかと思うほど押し込まれる。あぁ体が、鞄が浮くとはこんな状態か、などと思いながら何駅かやり過ごすと、大半の人が降りる駅が見えてくる。
そうなると今度は席取り合戦の始まりだ。降りない人は皆、自分の近くの席が空かないかと期待し、空いた瞬間そこに滑り込む。かく言う私も、近くの席に空きを見つけ、そこに滑り込んだ。
ふぅっと息を吐くと、また人がなだれ込んできた。この人達もさっきの私みたいに押し込まれ、心を殺してやり過ごすのだろうと、同情のようなものを抱き、自分が座っている事に若干の申し訳なさをも感じて、下を向いて時間が経つのを待つ。
そうしていると、皆の靴が整然と並んでいるのが目に入ってくる。
電車が揺れる度に、揃って動く靴たちを眺めていると、まるで団体の揃ったダンスを見ているようで、思わずふっと笑ってしまう。先ほどまでは私もあの中の一員だったのだと思うと、ますます面白い。
満員電車を少し楽しんだ所で、自分の降りる駅が近づいてくる。降りようと席を立つ時に、疲れた様子で前に立っていた人が一瞬驚いた顔をしたあと嬉しそうに席に座る様子を見て、自分まで嬉しくなった。
満員電車は疲れる事ばかりだが、少しだけ楽しい事や嬉しい事も潜んでいるものだ。明日の満員電車では、また他に何か面白いものが見つかるだろうか。
少し明るくなった気持ちを胸に、家路を急いだ。
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