日々思うこと

泉 玲

風と気持ち

相変わらず蒸し暑い日が続いている。
家に帰った後久しぶりに外に走りに出た。少し前までは夜の風は涼しく爽やかに吹いていたのだが、今夜の風は暖かくゆっくりと吹いていた。走って汗をかいた肌には物足りないくらいだ。それでもすぐ終わらせる気にはなれなくて、ゆっくりとしたペースでずっと走っていた。結局いつもの倍の時間をかけて走り、汗だくになりながら家に帰ってきた。

シャワーを浴びて、少しすっきりしたところで晩ご飯を食べた。運動して汗を流した後の食事はいつもより一段と美味しいと感じる。
ご飯を食べ終わった後に、先程の風を思い出してベランダに出てみる。さっきよりは涼しい風が吹いていた。

ベランダに出てゆっくりと風を受けていると、今日一日起こった事やその時の感情、さっき走った時の暖かい風までもが思い起こされてくる。私はこんなにも多くの感情を抱いて生きているのかと、改めて驚かされる。そしてその余韻を味わっていたいと、風を感じながら佇む。
さっきよりは涼しくなった風だが、私の気持ちに寄り添うように優しく吹くのを感じていると、違う意味で暖かい風だなぁと笑みがこぼれる。少し前向きになった気持ちを胸に、部屋に戻りカーテンを閉めた。

風よ、明日も暖かくエールを送ってくれますように。

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