いつだって僕の感情は欠落している

零猫

4

中学に入学した俺は、好奇心旺盛で楽しいことが大好きで、行事とかではよく盛り上げ役やらリーダーやらする事が多かった。

人見知りはしない方で、誰とでも話せていた気がする。

ただ、そんな俺も表面上のもので、腹の中はずっとドス黒かった。友達や後輩を俺より下だって嘲笑って先生すら見下していた。

ただ家族だけは、俺にとって見下す対象ではなかった。話をちゃんと聞いてくれる両親に恵まれ、努力しなくても人並み以上に出来た俺は、良い人生を歩んでいたと思う。

「海ー!今日の放課後勉強教えてくんね?」
「おう!俺で良ければ!」

「海くん、あの、ちょっと話あって…」
「分かった、いつ話せる?」

「氷波くん、ちょうど良い所に!手伝って欲しい事があるんだが…」
「はい!何でしょうか?」

何かと言って、人間関係は広く、人望は厚い方が便利だ。色々と。
だから、友達や先生の望んだ事には答え、良い奴を演じた。
まぁ、流石に全部引き受けるのはただのパシリだから、「代わりにやって〜」とかいうのは断った

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