不完全な僕達の戦争

ノベルバユーザー220850

無力


昼休み、俺は2年生のクラスをはなれ、3年生のクラスへと来ていた。心配だったので、花宮も誘って。


「あ、先輩っ!!」


「おぉ!宗介君!…と、叶ちゃん♡」


俺が手を振ると、山田(やまだ)千愛(ちえ)先輩が元気よく表れた。


茶髪の髪は肩にあるかないかぐらいで、いつもパーカーを着ている。


「あれ?朔間(さくま)先輩は何処ですか?」


朔間先輩とは、いつも山田先輩といる先輩のことで、山田先輩と付き合っている。

そして、朔間先輩は俺のクラスメイト陽向の兄である。


「あぁ、淳(しゅん)ならすぐ来るよ」


「あ、そうですか」


「それにしても、久しぶりだねー叶ちゃん!!相変わらず、可愛いね」


山田先輩は花宮をハグすると、全力で撫で始めた。


花宮も突然のことに、されるがままだ。


「おいっ!千愛、あんまり後輩を困らせるなっ!!」


山田先輩をひっぱり、花宮から離したのはさっき話した朔間先輩だ。


「あ、ごめんねー叶ちゃん」


「まったく、千愛はくっつきすぎなんだよ」


「んん?もしかして、ヤキモチかな?そうだよねー淳はツンデレだもんねーごめんねー」


すかさず、山田先輩は朔間先輩にくっついた。


嫌がる朔間先輩などお構いなしに、くっつく山田先輩。そんな2人の光景を俺と花宮は笑いながら見ていた。


同い年に友達がいない俺は、唯一この先輩達が話せる人だった。それは花宮も同じで、先輩達は力関係なく接してくれた。それは本当に嬉しかった。


「──そういえば、そろそろ『あれ』だね」


突如山田先輩は、真面目な顔をし呟いた。


それと同時に花宮の顔色が変わる。


「ごめんね叶ちゃんは、あまりかんがえたくないことだったよね。でも、これだけは考えておかないとね」


俺も心臓の鼓動が早くなるのを感じる。


2年の2学期、避けることは出来ない重大なもの。


『異能力強者、決定戦』

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