不完全な僕達の戦争
無力
「花宮、大丈夫か?」
俺はクラスメイトが次の授業へと向かい、誰もいなくなると、花宮の元へと駆け寄った。
「あ、宗介君…大丈夫だよ」
静かに微笑む。でもその微笑みは、何処か頼りなく、切なかった。
そんな笑顔が、俺の心を締め付ける。
花宮とは小学生からの仲だった。いじめが始まったのは、この高校に入ってからで、俺は花宮を守ることが出来なかった。
「そういえば、茨ちゃんに叩かれたとき、宗介君さ、私のこと守ってくれたよね?」
「?なんのことだ?」
「だって、全然痛くなかったんだもん。宗介君の能力「バリア」で叩かれる場所を守ってくれたんでしょ?」
花宮は嬉しそうに、聞いてきた。
「あ、あぁ。ごめんな、それくらいしか、出来なくて」
「ううん、全然大丈夫だよ」
まただ
結局俺は何も出来やしない。
花宮を物理的攻撃から守っても精神的攻撃からは守れない……
無力な自分を、呪うことしか出来なかった。
「──あ、宗介君と叶ちゃん。もう授業始まったちゃうよ?はやく移動しな」
ぎこたない雰囲気のなか表れたのは、同じクラスの陽向(ひなた)だった。
整った容姿に、長く綺麗な金髪の髪、その優しい性格から、クラス皆に好かれているそんなアイドル的存在だ。
まさに俺や、花宮とは違う次元の存在だ。
でもまぁ、花宮も美人といったら、美人だが。
「どうせなら、一緒にいこ?」
陽向は花宮の元に近づくと、手を取った。
花宮も嬉しそうに、陽向の後をついていく。
嬉しそうな花宮を見て喜ぶ俺だが、自分の無力さをまた感じ、自分が嫌いになった。
俺はクラスメイトが次の授業へと向かい、誰もいなくなると、花宮の元へと駆け寄った。
「あ、宗介君…大丈夫だよ」
静かに微笑む。でもその微笑みは、何処か頼りなく、切なかった。
そんな笑顔が、俺の心を締め付ける。
花宮とは小学生からの仲だった。いじめが始まったのは、この高校に入ってからで、俺は花宮を守ることが出来なかった。
「そういえば、茨ちゃんに叩かれたとき、宗介君さ、私のこと守ってくれたよね?」
「?なんのことだ?」
「だって、全然痛くなかったんだもん。宗介君の能力「バリア」で叩かれる場所を守ってくれたんでしょ?」
花宮は嬉しそうに、聞いてきた。
「あ、あぁ。ごめんな、それくらいしか、出来なくて」
「ううん、全然大丈夫だよ」
まただ
結局俺は何も出来やしない。
花宮を物理的攻撃から守っても精神的攻撃からは守れない……
無力な自分を、呪うことしか出来なかった。
「──あ、宗介君と叶ちゃん。もう授業始まったちゃうよ?はやく移動しな」
ぎこたない雰囲気のなか表れたのは、同じクラスの陽向(ひなた)だった。
整った容姿に、長く綺麗な金髪の髪、その優しい性格から、クラス皆に好かれているそんなアイドル的存在だ。
まさに俺や、花宮とは違う次元の存在だ。
でもまぁ、花宮も美人といったら、美人だが。
「どうせなら、一緒にいこ?」
陽向は花宮の元に近づくと、手を取った。
花宮も嬉しそうに、陽向の後をついていく。
嬉しそうな花宮を見て喜ぶ俺だが、自分の無力さをまた感じ、自分が嫌いになった。
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