召喚された元勇者はこの世界に適応する

海月結城

ステータス

「今日から、よろしくお願いします。勇者様!」

 そう言って入って来たのは、黒と白のメイド服を着た同い年ぐらいの女の子だった。

「よろしく。え〜と......」
「すみません。私は、あなた様の専属メイドになりました。クルルと申します」
「俺は、夜神明人だ。明人って呼んでくれ」
「わかりました。明人様」

 やっぱりそうなったね。様は無しにしてって言っても駄目だろうけど。

「様はいらないよ。俺は何もしてないんだから」
「……そうですか。王様にも言うことは出来るだけ聞けと言われているので。これからは、明人さんと、お呼びします」

 あら、できちゃった。だったら。

「敬語も要らないよ」
「すみません。それはできません」

 駄目だった。そうだよね、これからもメイドを続けるなら、敬語は必要だよね。

「これから、俺たちは何か用事あるのか?」
「これから直ぐに食堂で食事になりましゅ」

 あ、噛んだ。ちょっとかわいい。

「わかった。えっと〜、食堂ってどこにあるの? 案内してくれる?」
「もちろんです!」

 にしても、豪華過ぎず、気品は残した内装で国王は趣味がいいよな。お、着いたみたいだ。

「こちらが、食堂になります」
「ありがとう」

 中に入ると、みんな席についてるよ。

「すみません。遅くなりました」
「いや、気にするな。では、全員揃ったので頂くとする。後、食事が終わったら、これからについて確認するので、待っててくれ」

 そして、食事が始まった。この世界には食前の挨拶がなかったので、小さく「いただきます」と言って、食べ始めた。今日の昼食は、甘い実が入って焼かれたパンと、なにかの肉に塩がかかっているもの、最後に、オニオンスープに、似ている透き通るほど綺麗なスープだった。まず、パンだが、レーズンパンに似ている味がした。結構うまい。そして、お肉だが、牛肉に似ている食感に味がなぜか分からないが、下味を付けたようなとても美味しく、口の中でとろけるようなうまさだった。最後にスープだが、オニオンスープだった。まんまそのままだった。そこからは、初めての異世界の食事を堪能した。

「よし、全員食べ終わっているな」

 食後の挨拶もないのか。「ごちそうさまでした」これをやらないとなぜかむず痒さが残る。

「これからのことだが、まずは勇者様方にステータスを測ってもらいたい。これは、強制ではない、任意でいい。測りたい奴は、ここに残ってくれ」

 俺は、そこで少し迷っていた。一応これからは、冒険者になろうとは思っていたが、まだ、命を刈り取るのに戸惑いがある。この世界では命が軽いのはわかっている。


 魔物が街を襲うから、倒さないといけない敵なのも分かっている。


 魔物が人間を襲うから、倒さないといけない敵なのも分かっている。


 魔物がこの世界を脅かしているから、倒さないといけない敵なのも分かっている。


 こればかりは、慣れるしかないのかな。別に地球に家族はもういないから、こっちの世界で、のんびり暮らしたい。
 そして、俺以外のみんなはステータスを測っていたが、俺は食堂から出た。

「明人さんは、ステータスを計らなくていいんですか?」
「俺は、自分で測れるからいいんだよ」
「っ! 鑑定持ちでしたか」
「まぁな」

 こっちの世界に召喚されて、寝るときに気になったのだ。ステータスあるのかなって、それで、「ステータスオープン」って言ったら、案の定、出なかったよね。で、「鑑定」って言ったら出たよ。あれはびっくりしたよ。
 これが、俺のステータスだよ。

ーーーーー

名前 夜神明人 年齢 17

種族 人族 職種 ?

LV.1
HP.300
MP.100
STR.20
DEF.30
VIT.40
LUCK.50

魔法適性
火 水 風 土 闇 光 

ユニークスキル
???

スキル
鑑定 亜空間

称号
努力家 魔法を統べるもの

加護
創生神の加護

ーーーーー

 色々と分からないから、鑑定しようか。

 ︎???
上位存在からの干渉で見ることが出来ません。

 ︎鑑定
人、魔物、武器、あらゆる物のステータスを見ることができる。

 ︎努力家
努力を怠らない者に与えられる。

 ︎魔法を統べるもの
全属性の魔法に適性を持っている者に与えられる。

 ︎創生神の加護
この世界を創った神からの与えられる加護。レベルの上昇が確認された時LUCK以外のパラメーターの上昇率が高くなる。


 今分からないのはこんなとこか。???が気になるが、いつか分かるといいな。部屋に着いたみたいだ。

「それでは、明人さん。夕食の時間になりましたら、呼びに参ります。それまでは、自由時間となります」
「ちょっといいか? 本を読みたいんだが、図書館ってあるか?」
「図書館はわかりませんが、本を読みたいのでしたら私が案内いたします。着いてきてください」

 次からは、1人で来れるように、道を覚えながら、クルルの背中をついて行った。

「ここなら、沢山本がございます。夕食の時間まで居るのでしたらこちらにお伺いたしますがどうしましょうか?」
「そうだな......。ここに呼びにきてくれ」
「わかりました。では、ごゆっくり」

 よし! これからどうするかを決めるまでに、知識を持って外に出たいから、出来るだけ読むぞ! 
 それからは、夕食の時間になるまで、本を読み更けていた。

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