ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~
我が友よ…大変なのはお前だけではないようだ…
「それじゃあ陽くん!今週の日曜日は私と映画ね!――勿論陽くんのおごりで♪」
「映画一人約2000円…今月の生活費が…」
「くそ~!陽平くん!来週は私と映画だからね!当然陽平くんのおごりで!!」
「あの…できれば来月でも――」
「来週!よろしくね♪」
「はい、かしこまりました…」
放課後。なごみの転校やら新町エリカとの一件やらでイベント盛り沢山の一日もようやく終わるかという頃。俺の眼前にはモテる男の哀愁漂う背中が広がっていた。
すると、俺の視線に気づいたのか、ハーレム王はふと後ろを振り返った後何か思いついた表情を浮かべてすぐに彼女達の方へと向き直り、
「そうだ!どうせ遊ぶなら人数は多い方がいいだろ!?――なぁ、奏太!今週と来週の日曜日なんだが――」
「悪いな陽平。今週も来週も再来週も、俺のスケジュール帳は埋まっている」
妙案だと言わんばかりに一方的に提案し、俺を巻き込もうと画策してきた。が、当然ながら俺はキッパリとお断り。なぜなら…
「そんなわけねぇだろ!どうせ一日中家でゴロゴロしてるだけのくせに!!」
「いや、俺はお前のことを思って言ってるんだが…」
「は?何を訳の分からんことを――」
「「陽(陽平)くん?」」
「え…?」
なぜなら、俺の方からは丸見えだったのだから…怒りに顔を引きつらせた彼女達の表情が…。
「陽くんは私と二人で出かけるのがそんなに嫌なの?そんなわけないよね?」
「陽平くん?これはさすがに度が過ぎると思うんだけど?」
「あの…二人とも笑顔なのに、目だけ笑ってないように見えるんだけど…気のせいだよな?」
「「気のせいなわけないでしょうが!!」」
「ぐはっ!」
リアル鈍感系ラノベ主人公様は美少女二人から同時に左右の頬をビンタされダウン。
「最低!」
「プラスで夜ごはんも陽くんの奢りだからね!」
そう言い残して二人は去って行った。
…ご愁傷様。まぁ、今回は完全に自業自得だけどな。
「…何たる災難」
しかし、クラス…いや、この学校屈指のモテ男の一日はこれで終わりではなかった。
「陽平先輩~!早く部活行きますよ~!!」
ガラガラと勢いよく扉を開け、もう一人の陽平ハーレムのメンバーがやってきて。
「ほらほら!早く!!時間は有限なんですからね!!」
「…もう勘弁してくれ」
机に突っ伏す男の腕を引っ張り、強引に連行していった。
「今日はいろいろ振り回されたが…毎日あんな感じのアイツよりはマシだな…」
そんな親友を他人事のように見送りながら、自分自身を励ましていると、
「奏太君、やかましさだけが取り柄の人達もいなくなったことだし、私達もそろそろ帰りましょ?」
本日から俺の悩みの種になりつつある我が婚約者様が立ちあがり、声を掛けてきた。
「…とりあえずお前はオブラートに包むということを覚えようか」
前言撤回。陽平…数ではお前に敵わんが、今後の気苦労では俺も負けてないかもしれん…。
この調子だと来週あたりには俺を除く全校生徒を敵に回すのではないかと不安を覚えつつ、俺も席を立った。
「映画一人約2000円…今月の生活費が…」
「くそ~!陽平くん!来週は私と映画だからね!当然陽平くんのおごりで!!」
「あの…できれば来月でも――」
「来週!よろしくね♪」
「はい、かしこまりました…」
放課後。なごみの転校やら新町エリカとの一件やらでイベント盛り沢山の一日もようやく終わるかという頃。俺の眼前にはモテる男の哀愁漂う背中が広がっていた。
すると、俺の視線に気づいたのか、ハーレム王はふと後ろを振り返った後何か思いついた表情を浮かべてすぐに彼女達の方へと向き直り、
「そうだ!どうせ遊ぶなら人数は多い方がいいだろ!?――なぁ、奏太!今週と来週の日曜日なんだが――」
「悪いな陽平。今週も来週も再来週も、俺のスケジュール帳は埋まっている」
妙案だと言わんばかりに一方的に提案し、俺を巻き込もうと画策してきた。が、当然ながら俺はキッパリとお断り。なぜなら…
「そんなわけねぇだろ!どうせ一日中家でゴロゴロしてるだけのくせに!!」
「いや、俺はお前のことを思って言ってるんだが…」
「は?何を訳の分からんことを――」
「「陽(陽平)くん?」」
「え…?」
なぜなら、俺の方からは丸見えだったのだから…怒りに顔を引きつらせた彼女達の表情が…。
「陽くんは私と二人で出かけるのがそんなに嫌なの?そんなわけないよね?」
「陽平くん?これはさすがに度が過ぎると思うんだけど?」
「あの…二人とも笑顔なのに、目だけ笑ってないように見えるんだけど…気のせいだよな?」
「「気のせいなわけないでしょうが!!」」
「ぐはっ!」
リアル鈍感系ラノベ主人公様は美少女二人から同時に左右の頬をビンタされダウン。
「最低!」
「プラスで夜ごはんも陽くんの奢りだからね!」
そう言い残して二人は去って行った。
…ご愁傷様。まぁ、今回は完全に自業自得だけどな。
「…何たる災難」
しかし、クラス…いや、この学校屈指のモテ男の一日はこれで終わりではなかった。
「陽平先輩~!早く部活行きますよ~!!」
ガラガラと勢いよく扉を開け、もう一人の陽平ハーレムのメンバーがやってきて。
「ほらほら!早く!!時間は有限なんですからね!!」
「…もう勘弁してくれ」
机に突っ伏す男の腕を引っ張り、強引に連行していった。
「今日はいろいろ振り回されたが…毎日あんな感じのアイツよりはマシだな…」
そんな親友を他人事のように見送りながら、自分自身を励ましていると、
「奏太君、やかましさだけが取り柄の人達もいなくなったことだし、私達もそろそろ帰りましょ?」
本日から俺の悩みの種になりつつある我が婚約者様が立ちあがり、声を掛けてきた。
「…とりあえずお前はオブラートに包むということを覚えようか」
前言撤回。陽平…数ではお前に敵わんが、今後の気苦労では俺も負けてないかもしれん…。
この調子だと来週あたりには俺を除く全校生徒を敵に回すのではないかと不安を覚えつつ、俺も席を立った。
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