からっぽの金魚鉢で息をする

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空っぽの金魚鉢で、息をする

空も地面も草も花も
こんなに感じ取れなくなったのは
初めてだ。

目で光を感じ、愛する音を聴く。

手を伸ばし、引き寄せる。

地面を蹴り、前へ歩く。

呼吸を、する。

誰かがしないから私がするのではなく、
みんな、ちゃんと自分のために
生きようとしているところを見て
前のめりに転げそうになった。


そうだ。

自分のために何かをして来なければ
ならなかった。


でも、私の青は私だけの青で私の赤は
私だけの赤だ。


誰かが着ないなら私がその青を奪うし
誰かが必要ないなら私がその赤を身に付ける。


私はまるで、
水も何も入っていない金魚鉢にそっと横たわって息をするだけの金魚だった。

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コメント

  • 1

    タイトルすごく素敵です!!

    4
  • トラやん

    キレイなタイトルですね。とっても好みです。

    3
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