クラス転移したからクラスの奴に復讐します

Wrath

決勝 アストvsタケチ

時間が来て俺は扉の前に来た。
今までは特にここでは戦術以外は考えていなかったが、俺は今アイツをどう痛めつけるかを考えていた。捉え方によってはそれも戦術とも言えるかもしれないがただの八つ当たりだから戦術ともいえないだろう。ボコすだけだしな。

扉が開き、おんなじように真ん中まで行った。

「王国のやつは強いな」
「そりゃどうも」
「あの子も十分強かったが、お前はどうかな」

そんな皮肉たっぷりな言葉を残して彼は俺から距離を取り指定の場所に行った。俺も指定の場所に行き武器を構えた。今回俺が用意した武器はグランとデュランダルのだ。右手にグランで左手にデュランダルを握っているが重みは全くない。

「へぇ、今日見た武器を2つもいっぺんに使うんだな」
「君、炎は使わないのか」
「今はまだその時じゃないからな」

俺は一応、相手との戦闘をフェアにするためにステータスは一切覗いてない。自分自身のレベルが違う?知らんなそんなの。

「さっきの奴はいい声で鳴いてくれたけど、お前はどうなんだろうな?」
「 ︎……貴様、ミリーナを痛めつけて楽しんでたのか」
「おお、怒ってる怒ってる。まぁな。可愛かったらついつい虐めたくなるんだよ」
「お前……覚悟はできてるだろうな?」

その瞬間、試合のゴングが鳴った。お互いの距離は20メートル、これは決勝戦の特別ルールで距離がもう10メートルプラスされている。
俺は今出せる限界の力で踏み込み一瞬で奴の背後に通った。

「ん?何をしたんだ」
「……剣技・乱れ桜」
「……ブハァッ!」

やつは、身体中から血を流して膝と腕をついた。
今の技は剣術レベル7で出せる剣技で、高速で剣を振り相手のいたるところに切り傷を負わせる技だ。
結構深くいったと思ったがまだ息をしているのは正直驚いた。

「な、なんなんだよ……これ」
「お前に答える義理はない」
「はぁはぁ……ふっまぁそうだろうな。じゃあ俺もちと本気を出すか」


やつはそう言って、剣に自分の血をある程度注いでから炎を纏わせ傷口を炎で焼いて止血を行った。

「まだまだこれからだ!」
「…… ︎」

やつはそう言ってすごいスピードで俺に迫って来た。今までの試合では見せたことも無いようなスピードで俺に迫り刀を振りかぶった。
俺は直感的に躱すことを選び横に飛んで躱した。

「へぇ、よく躱したな」
「なんとなく剣で受けたら危ないと思ってね」
「よく分かったな。分かったついでに教えてやるよ、この剣の名はムラマサ。かつての殺人鬼が使ってたらしい剣だが俺がこいつの主人になってからはずっと共にいる。こいつの能力は触れた相手の生命力やある程度の魔力を奪ったりすることができる。それが武器越しであってもだ。あと、この剣に血を注いでやるとな、切れ味が上がって俺のステータスも上がるんだよ」
「……すごい能力だな」
「まだまだあるぞ、この剣に主人として選ばれれば炎魔法しか使えなくなるがある程度炎を操ることができてこいつに炎を纏わせたりしたらステータスがバカみたいに上がるんだ」
「もういいから、さっさと来いよ」
「後悔しても知らないからな」

俺と男はもう一度武器を構えてお互いに向き合った。

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