ギルドで登録にて

「『ガラガラ』よーっす。全員いるか。……お、アスト来たのか。体調はどうだ？」
「もう大丈夫ですよ」
「そうか。まぁ無理するなよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、今度、学園外学習として国外に魔物を狩りに行くからその時用に全員で冒険者登録をしようと思う。もう冒険者になってるやつは俺のところにきてくれ」

学園長はこのことを言ってたんだな。
俺とミリーナはすでに冒険者ギルドに登録をしてあるからカードル先生のところに行った。

「カードル先生、僕たちは冒険者ギルドに既に登録をもうしてます」
「まぁそうだろうな。その強さからみて結構ランクは高いだろ」
「まぁそれほどには」
「まぁ一応お前たちも付いてきてくれ」

そのあと、何人かカードルさんに言ったあと、全員でカードルさんに付いていきながら冒険者ギルドまでやってきた。

「あっ」
「ん？どうした坊主」
「いや、このドア開けたらまず最初に地獄を見ますよね」
「あっ。ちょっと待っててくれ」

カードルさんはそう言って冒険者ギルドに一人で入っていった。

「どうしたんだろう」「何かあったのか？」「ギルドに入れねぇのかな？」ギルドってどんなとこだろう」

といろんな話し声が聞こえたが、すでに冒険者ギルドに登録をしている人は分かっているのか何も言わずにじっとしている。

しばらくするとカードル先生が戻ってきた。

「待たせたな。じゃあ行くか」

カードルさんがそういってドアを開けると、特に何もなくいつも通りだった。
となりの酒場で項垂れている筋骨隆々なおっさんが３人揃っているが、なんでもないだろう。あ、話に行ったもう1人のおっさんがおんなじ状態になった。

耳を傾けると、
「俺たちって怖がられてるのかな？」
「そうだとしてもしなくちゃギルマスに殺されるぞ」
「今は子供達の視線で殺されてるがな」
「すげぇ悲しいな」
「美少年だったらこんなことにならなくてよかったのかもな」
「「「「はぁー」」」」

うん。聞かなかったことにしよう。

「クルアさん。シルフレール学園のガキどもだ」
「はい。もう準備はできてますよ」

そう言って、俺たちが登録した時とおんなじような紙をみんなが渡されて、それに記入をした後、冒険者カードを貰っていた。
そのときに、俺が登録した時のように説明を受けていた。

「そのカードにはお金をチャージできるからそれを使っていろんなとこで買いもんできるぞ。だから、絶対になくすなよ。無くしたらカードが戻ってこなくなるし戻ってきてもチャージしたお金は使われたりするからな」

説明が終わった後、そうやってカードル先生は生徒を脅しをしていた。でも、カードの性能は実際はそうではない。

「みんな大丈夫だよ。これを落として無くしても、悪用できないようになってるんだ。それに、無くなってもこの国は治安が良い方だから冒険者ギルドの落し物コーナーに行ったらあったりするよ」

俺がそう言うとカードル先生がものすごいバッシングを受けていた。
嘘は泥棒の始まりだからな。

魔力は人それぞれ微妙に違っていて、それを冒険者カードは利用している。
登録の時には血が必要だが、あれはその人の魔力を登録するからだ。
もしカードを落としても、ギルドで本人確認をすれば魔力感知でカードを見つけてくれる時がある。まぁ手数料は結構かかるんだがな。

その後、何人かはカードにお金をチャージして、全員で学園に帰った。