王女

「ま、待ってください」

俺が後ろを向き、歩みを進めようとした寸前で後ろから女性の声で静止を言われた。
俺はその言葉に反応して後ろを振り向くと。

美少女がいた。

俺の語彙力がないせいでうまく説明できないがものすごい美少女だ。

「この度は、た、助けてくださり、ありがとうございます。私はグラント王国第三王女ミリーナ・サンデル・グラントです」

ミリーナという少女は顔を真っ赤にしながらそう言って俺に頭を下げた。

「頭を上げてくれ。俺は当然のことをしたまでだ。それに、俺がもう少し早く来てればこんなに犠牲者が出なくて済んだのに。俺の方こそすまなかった」

俺は死んでいった騎士の人たちを横目にミリーナという少女に頭を下げて謝罪した。

「あなたのせいではありませんよ。彼達は王家のために真っ当に生き、生き残った者に勇姿を見せました。彼らの死が無駄にならぬように後は、私たちが頑張るんです」
「そうか。こいつらはよく頑張ったよ」
「あの、私は今から帝国に行ってきます。もし戻ってきたらお話ししてくれませんか」

なんなんだろうか？急にお話がしたいなんてな。まぁ多分暇してるだろうしその時は別にいいか。王女も誰かに言えないような悩みがあるのかもしれないし。

「分かった。気をつけて行ってこいよ」
「は、はい」

ミリーナは俺の返答に満足したのか顔を少し赤らめ笑顔のまま馬車に乗り込んだ。
するとコルデットさんが近寄ってきた。

「今自己紹介してたと思うが彼女がその重要なお方の第三王女であらミリーナ様だ。あと、これを渡すのを忘れていたから渡しておく」

そう言ってコルデットさんは俺にどこかの国の紋章だろうと思われるものがついてる銀色の懐中時計を渡してきた。よく見ると、その紋章はコルデットさんが身につけている鎧についてある紋章と同じものだった。

「それを持っていればある程度のことは解決できる。王国の門番の奴にそれを見せれば楽に通してくれると思うぞ。あと、冒険者なら冒険者ギルドでお前を探すからよろしくな」
「分かった。お前も気をつけろよ」
「おう。じゃあな」

そうして俺はミリーナ達を見送って王都へと足を進めた。