廃クラさんが通る

おまえ

027 反撃の糸口

Selfish:とりあえず今後どうするのか、偽者に対してあたしらが何ができるのか、みんなで話し合っておきたい
 俺たちは全員でギルドハウスに集まった。 そこにはミレニアムさんもいる。 ミレニアムさんをこのギルドハウスに招き入れたのは初めてだ。
Selfish:まだ確証は持てないけど、こいつが木綿糸の値段が上がっているにもかかわらず、製品の値段を上げなかったことから偽者の行動がエスカレートしたような気がするSky:こいつってミレニアムさん? てことは、セルフィッシュさんやミレニアムさんと同じクラフターの人がそれに関わっていると思っているの?Selfish:そう、木綿糸を売っているだけなら不満はなかったけど、こいつのせいで製品は高く売れない。だからあんな事をしたんじゃないかってJill:いやなら直接言ったり正々堂々マケで勝負すればいいのに
 まあ直接言えるようなことじゃないかもしれないけど。 だからって嫌がらせをしようとしてるのだとしたらそれは許されることではない。
Selfish:そこでちょっと気になったんだけどGoddardってPCがあの時やたら絡んできたっしょ? そのPCは最近になってあたしらと競うように上位装備を出品しだしたクラフターなんよMillennium:ほう? そうなのか?Selfish:そうなのか、って、あんたまだ他人の作った装備の銘、見てないんかよ…Millennium:前にも言っただろう。そんなものを気にしたところで意味がないとSelfish:いや、気にしろっての…。もしかしたら今回の事件に関わってるのかもしれないんだからJill:なんか、やな人だなーとは思ったけど、証拠がないならうちらもその人が犯人だって決めつけるのもよくないんちゃう?Selfish:そう、ただこいつを悪者に仕立て上げようとしただけだし、それだけじゃ決め手にならない。犯人は全くの別人なのかもしれない。だからもうちょっと揺さぶってみようかなって思ってる。製品の値段をちょっとずつ下げていってみようかなってMillennium:ほう? 私に談合をしろというのか?Selfish:あんたが嫌だって言うなら違う方法を考える。無理に付き合ってくれる必要はないMillennium:お前が何をしようが勝手だ。お前が値段を下げるというなら私も応戦せざるを得ないSelfish:ありがとう、とりあえずこの方法でしばらく様子を見たいと思う。それとジルとスカイにも協力を頼みたいSky:え? 俺たちにも何かできることがあるの?Selfish:とりあえず木綿糸の調達を頼みたい。必要な資金はギルドハウスのチェストに入れておくからそれを使っていい。時間がある時は裁縫ギルドまで行って直接買い付けに、マーケットでもひとつ100kまでなら買っておいて欲しい。
 ギルドハウスの金庫チェストに入れたアイテムやお金はギルドメンバーなら自由に使うことができる。
Jill:うん、わかった
 とりあえず対抗手段は今のところこんな事をするくらいしかないのかな? GMに連絡はしたみたいだけど、どう対処してくれるのかもわからないし。
Selfish:ところであんた、まだ他人の銘を見てないって言ってたけど、あたしの作った物の銘は見ているんだよな?Millennium:いちいち毎回見てはいないがお前だというのはわかる。お前は馬鹿のひとつ覚えで私の値付けより1golだけ安く出品するからなSelfish:それって俺のことを覚えたって事だよな?Millennium:何を今更。そんなに私に名前を覚えられるのが嬉しいか?Selfish:ああ、嬉しいとも。ちょっと前までお前は俺のことなんて気にも留めていなかったんだからな
 暫くちょっとの間無言状態が続く。
Millennium:すまん、それはロールプレイととらえれば良いのか? リアルとのギャップが気持ち悪いのだが…Sky:セルフィッシュさんはきっと照れてるんだよ。リアルでは言えないようなことをキャラに被せて言ったんじゃないのかな?Jill:照れ隠ししてるセルフィー、かわいー!Selfish:だまれ! お前ら。これが普段の俺だろうが! 俺はただ普通にしているだけだ
 いや、でもさっきまで普通に長田さんで話してたよね? RPロールプレイって便利だな。 ゲームの中でそのキャラになりきるってのは。 俺もなんかゲームだけのキャラを作ってみようかな?

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