ハルバード使いは異世界を謳歌するそうですよ
21 フリューゲル(5)
ゴエモン。それは世界戦争時に生まれた機械兵器の一号機のコードネーム。広範囲から単体まで広く活躍するがコストが高かったため記録では五台しか作られなかった。その初期型が今ここに現れた。
「確かに複製品ちゃん、ステルス能力が高いね。でも…」
ゴエモンは迷わず右腕となった砲台を横に出して弾を射出する。その弾は一直線に飛んでいき何もないところで消滅し、爆発した。爆発地点から金属破片が飛び散る。
「…オリジナルの私に体内にある動力炉の温度まで誤魔化せないよ?私の機能の一つにサーモグラフィー機能があるからね」
サーモグラフィー。それは温度を感知することが出来る機械のような物。いくらステルス能力が高くても動力炉の温度までは誤魔化せないはずだ。
「それに、複製品ちゃんが沢山いることにも気付いてるよ?恥ずかしがらずに出ておいで」
その一言で周りの草むらが一斉に揺れる。勿論何も飛び出していく様子はないがおそらくさっきと同じタイプの機械兵器だろう。
「数で攻めるのはいい手段ではあるね。だけど、こっちが広範囲殲滅出来るならそれは無駄だけどね…五連式砲台、三連式雷撃砲にチェンジアップ。そしてヘーテルバンカー起動」
またゴエモンの姿が変わった。両腕の砲台が銃身を三つに変えて雷撃を纏っている。そして何より、毛髪の半分以上が螺旋槍の形へ変化する。
「…ヘーテルバンカー、フルスピード。三連式雷撃砲のチャージを開始します」
その一言で髪の毛の螺旋槍が暴れ始める。数本に別れて何かを追っている。追っているのは姿の見えない機械兵器だ。確実に仕留めている。
「あーあーテストテスト。コウヨウ君聞こえる?」
頭の中にゴエモンの声が響く。これは念話だろうか。
「今からこの周囲一体吹き飛ばすから全員避難させといて♪大体あと十秒くらい」
念話をかけたゴエモンを見るとこちらにウインクをして合図をしていた。両腕の三連式雷撃砲はその八割が雷撃に包まれている。ひとまず、まだ魔力切れで倒れているムラサキさんと吹き飛ばされて意識を失っているスクナさんとかろうじて意識を保っているカグヤさんを纏めてテレポートでカグヤさんのお店に送る。念話はまだ通じるかと思い念話を送ろうとしたが少し遅かった。
「チャージ完了…稲妻球体散乱発射」
瞬間、ゴエモンの三連式雷撃砲から大きな電撃の球体が六つ生成される。その球体は一つ数億ボルトはする高圧電流の塊だった。その球体はマンダラーが指すように散乱しながら爆発した。瞬時にテレポートで被害範囲から離れる。テレポートの寸前に見えたのは爆発の中で笑顔でたたずむゴエモンと、逃げ遅れた黒いフードの男だった。
「これは…凄い」
爆発が終わり、戻ってみるとゴエモンの宣言通り辺り一面吹き飛ばされていた。機械兵器も黒いフードの男も爆発に巻き込まれて跡形もなくなっている。ちなみに、スクナさんとカグヤさんは目が覚めたムラサキさんにお願いしてある。
「ふぅ…少し疲れちゃった」
ゴエモンが少し疲れた顔をした顔で近付く。
「改めて自己紹介するね。私がゴエモンだよ。君のことはあらかたカグヤから聞いてる」
「そうですか。なら話は早いです」
「あぁ、ジャンヌダルクっていう陛下が私に会いたがっているんでしょ?行く行く!最近暇だったし」
「…」
殺人鬼って聞いたから殺伐した機械兵器なのかと思っていたが明るい人…いや明るい機械兵器だな。
「それにしてもコウヨウ君って強いねー。私と大差ないんじゃない?」
「いやいや、辺り一面を吹き飛ばす事なんて出来ませんよ」
「それもそうだね。…」
「えーっと、顔に何かついてます?」
ゴエモンが顔をまじまじと見つめる。
「コウヨウ君、ちょっとしゃがんでくれる?」
「いいですけど何するんですか?」
「ちょっとね?…チュッ」
しゃがんだと同時にゴエモンが頬にキスをする。とっさに後ろに飛び退く。
「な、何するんですか!?」
「何って…俗に言うマスター契約?」
「それってもっと楽な方法ないんですか!?っていうかなんでマスター契約!?」
「だって私、コウヨウ君気に入っちゃったし。ちなみに今のが一番楽な方法」
「気に入る気に入らないで古代技術の機械兵器がマスター決めていいんですか!?」
「いいの!私のマスターだし」
ゴエモンはそう言うと抱きつきいてくる。抱いてみてわかったがやはり機械だ。体が冷たくて硬い。
「コード零壱ゴエモンこと、機械兵器ナンバー壱、アリス・ガーベラ。ただいまからマスターコウヨウ様に使える所存です。よろしくね、コウヨウマスター♪」
「コウヨウさん、治療終わりまし…」
そこへまさにバッドタイミングと言わんばかりにムラサキさんが戻ってきた。
「コウヨウさんとゴエモンさん、何してるんですか!?」
「コウヨウ様は今日から私のマスター♪ちなみにゴエモンじゃなくて本名はアリスね♪」
「あ、はい。お願いしますアリスさん…じゃなくて!」
「説明しますから落ち着いてくださいムラサキさん!」
機械兵器ゴエモンことアリス。ひょんな事で仲間になった。また、ムラサキさんを説得するのには三時間を要した。
「確かに複製品ちゃん、ステルス能力が高いね。でも…」
ゴエモンは迷わず右腕となった砲台を横に出して弾を射出する。その弾は一直線に飛んでいき何もないところで消滅し、爆発した。爆発地点から金属破片が飛び散る。
「…オリジナルの私に体内にある動力炉の温度まで誤魔化せないよ?私の機能の一つにサーモグラフィー機能があるからね」
サーモグラフィー。それは温度を感知することが出来る機械のような物。いくらステルス能力が高くても動力炉の温度までは誤魔化せないはずだ。
「それに、複製品ちゃんが沢山いることにも気付いてるよ?恥ずかしがらずに出ておいで」
その一言で周りの草むらが一斉に揺れる。勿論何も飛び出していく様子はないがおそらくさっきと同じタイプの機械兵器だろう。
「数で攻めるのはいい手段ではあるね。だけど、こっちが広範囲殲滅出来るならそれは無駄だけどね…五連式砲台、三連式雷撃砲にチェンジアップ。そしてヘーテルバンカー起動」
またゴエモンの姿が変わった。両腕の砲台が銃身を三つに変えて雷撃を纏っている。そして何より、毛髪の半分以上が螺旋槍の形へ変化する。
「…ヘーテルバンカー、フルスピード。三連式雷撃砲のチャージを開始します」
その一言で髪の毛の螺旋槍が暴れ始める。数本に別れて何かを追っている。追っているのは姿の見えない機械兵器だ。確実に仕留めている。
「あーあーテストテスト。コウヨウ君聞こえる?」
頭の中にゴエモンの声が響く。これは念話だろうか。
「今からこの周囲一体吹き飛ばすから全員避難させといて♪大体あと十秒くらい」
念話をかけたゴエモンを見るとこちらにウインクをして合図をしていた。両腕の三連式雷撃砲はその八割が雷撃に包まれている。ひとまず、まだ魔力切れで倒れているムラサキさんと吹き飛ばされて意識を失っているスクナさんとかろうじて意識を保っているカグヤさんを纏めてテレポートでカグヤさんのお店に送る。念話はまだ通じるかと思い念話を送ろうとしたが少し遅かった。
「チャージ完了…稲妻球体散乱発射」
瞬間、ゴエモンの三連式雷撃砲から大きな電撃の球体が六つ生成される。その球体は一つ数億ボルトはする高圧電流の塊だった。その球体はマンダラーが指すように散乱しながら爆発した。瞬時にテレポートで被害範囲から離れる。テレポートの寸前に見えたのは爆発の中で笑顔でたたずむゴエモンと、逃げ遅れた黒いフードの男だった。
「これは…凄い」
爆発が終わり、戻ってみるとゴエモンの宣言通り辺り一面吹き飛ばされていた。機械兵器も黒いフードの男も爆発に巻き込まれて跡形もなくなっている。ちなみに、スクナさんとカグヤさんは目が覚めたムラサキさんにお願いしてある。
「ふぅ…少し疲れちゃった」
ゴエモンが少し疲れた顔をした顔で近付く。
「改めて自己紹介するね。私がゴエモンだよ。君のことはあらかたカグヤから聞いてる」
「そうですか。なら話は早いです」
「あぁ、ジャンヌダルクっていう陛下が私に会いたがっているんでしょ?行く行く!最近暇だったし」
「…」
殺人鬼って聞いたから殺伐した機械兵器なのかと思っていたが明るい人…いや明るい機械兵器だな。
「それにしてもコウヨウ君って強いねー。私と大差ないんじゃない?」
「いやいや、辺り一面を吹き飛ばす事なんて出来ませんよ」
「それもそうだね。…」
「えーっと、顔に何かついてます?」
ゴエモンが顔をまじまじと見つめる。
「コウヨウ君、ちょっとしゃがんでくれる?」
「いいですけど何するんですか?」
「ちょっとね?…チュッ」
しゃがんだと同時にゴエモンが頬にキスをする。とっさに後ろに飛び退く。
「な、何するんですか!?」
「何って…俗に言うマスター契約?」
「それってもっと楽な方法ないんですか!?っていうかなんでマスター契約!?」
「だって私、コウヨウ君気に入っちゃったし。ちなみに今のが一番楽な方法」
「気に入る気に入らないで古代技術の機械兵器がマスター決めていいんですか!?」
「いいの!私のマスターだし」
ゴエモンはそう言うと抱きつきいてくる。抱いてみてわかったがやはり機械だ。体が冷たくて硬い。
「コード零壱ゴエモンこと、機械兵器ナンバー壱、アリス・ガーベラ。ただいまからマスターコウヨウ様に使える所存です。よろしくね、コウヨウマスター♪」
「コウヨウさん、治療終わりまし…」
そこへまさにバッドタイミングと言わんばかりにムラサキさんが戻ってきた。
「コウヨウさんとゴエモンさん、何してるんですか!?」
「コウヨウ様は今日から私のマスター♪ちなみにゴエモンじゃなくて本名はアリスね♪」
「あ、はい。お願いしますアリスさん…じゃなくて!」
「説明しますから落ち着いてくださいムラサキさん!」
機械兵器ゴエモンことアリス。ひょんな事で仲間になった。また、ムラサキさんを説得するのには三時間を要した。
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