ハルバード使いは異世界を謳歌するそうですよ
11 幸せ、旅立ちの予感
「…さん、コ…ウさ、コウヨウさん!」
目を覚ます。目に写るのは木造建築の家の屋根と涙で顔がぐしゃぐしゃのムラサキさんだった。
「もしかして、気を失ってましたか?」
「ええ、三日間も、目が覚めなくて」
涙でうまく呂律がまわっていないが心配をかけたらしい。
「ちょっと待ってください。今起きるんで…痛ッ!」
起き上がろうとした瞬間、両腕に激痛が走りベッドに倒れこんでしまう。まぁフィニッシュであの技強化した状態で使ったから腕への負担は大きかっただろう。
「だ、大丈夫ですか!?」
「…回復魔法使えばよかったか。フォトンヒール」
右腕と左腕に回復魔法をかける。両腕が光に包まれたかと思うと、両腕はすでに治っていた。
「あぁ、それにしても物凄く疲れましたよ」
「私もです。二日ほど倒れてたらしいですし」
「無茶させてすいません…」
「いえいえ、お気になさらず」
「では私はこれで。街の復興作業があるので」
「では支度をしますか」
「ヘ?」
壁にかけてあったハルバードを掴んで背中に背負い、飛び起きる。
「さて、最初はどこですか?」
「コウヨウさんって本当に不思議な方ですね」
「そうでしょうか」
自覚したことはなかったな。そんなに不思議だろうか。
「コウヨウさん、この瓦礫どうします?」
「焼いたり砕いたりしてもいいんですが…」
病院を抜けて最初に訪れたのは一番被害が大きかった大通りだ。瓦礫や氷の礫が散乱しているので二人がかりで一ヶ所に集めた。今はその処理の方法に困っている。整地だけならグラウンドヘーテルでどうにかなるが、問題は氷だ。こればっかりはどうすることもできない。うーん…
「この氷大きく固めて彫刻みたいにしたら綺麗でしょうね」
「それだ」
「え?」
確かそんな魔法があった。物を瞬時に固めるコンソルデイトと物を綺麗な美術品に仕立てあげるタイルーを使えば氷の彫刻が出来上がる。
「ムラサキさんは今度でいいので美術品欲しい人探しといてください」
「わかりました」
「それじゃあ次のところいきますか」
「いえ、被害が酷かったのはここだけなのでもう終わりですね」
「この街は復興が速いですね。でもそうするとやることないなぁ」
「じゃ、じゃあ一つお願いが…」
そういうとムラサキさんは俺の肩に寄りかかった。
「あの日に出来なかったので…ね?」
周りの人からの視線が気になるがムラサキさんは幸せそうな顔をしている。しばらくこのままでいようか。
「お久しぶりですね。体調はどうですか?コウヨウさん」
「そこそこですかね。最近は復興作業が多いので」
次の日、ジャンヌダルクさんに呼び出されて城内に来ていた。何でも国関係のお願いらしい。
「単刀直入に聞きますが、今回は何の用事ですか?」
「今回は人探しをお願いしたいのですが」
「人探しですか」
「ええ。しかもかなり厄介者何ですが…お願いできますか?」
「国関係の人ですか?」
「いえ、個人的です」
意外だ。てっきり城に籠っているから知り合いが城の中にしか居ないと思っていた。
「どなたです?」
「リトム・ハザード・ゴエモンっていう怪盗です。『邪神』という二つ名で呼ばれています」
怪盗か。また厄介な案件を任されたようだ。
「あ、それともう一つ。今回はムラサキを同行させます」
「そうですか。ところで、わざわざ怪盗なんて呼んでどうするんですか?」
「怪盗は逃げるのが得意と聞きました。その人に逃げるコツを覚えれば、城からの脱出が楽になりますから」
ほんと、この人が考えることはわからない。
目を覚ます。目に写るのは木造建築の家の屋根と涙で顔がぐしゃぐしゃのムラサキさんだった。
「もしかして、気を失ってましたか?」
「ええ、三日間も、目が覚めなくて」
涙でうまく呂律がまわっていないが心配をかけたらしい。
「ちょっと待ってください。今起きるんで…痛ッ!」
起き上がろうとした瞬間、両腕に激痛が走りベッドに倒れこんでしまう。まぁフィニッシュであの技強化した状態で使ったから腕への負担は大きかっただろう。
「だ、大丈夫ですか!?」
「…回復魔法使えばよかったか。フォトンヒール」
右腕と左腕に回復魔法をかける。両腕が光に包まれたかと思うと、両腕はすでに治っていた。
「あぁ、それにしても物凄く疲れましたよ」
「私もです。二日ほど倒れてたらしいですし」
「無茶させてすいません…」
「いえいえ、お気になさらず」
「では私はこれで。街の復興作業があるので」
「では支度をしますか」
「ヘ?」
壁にかけてあったハルバードを掴んで背中に背負い、飛び起きる。
「さて、最初はどこですか?」
「コウヨウさんって本当に不思議な方ですね」
「そうでしょうか」
自覚したことはなかったな。そんなに不思議だろうか。
「コウヨウさん、この瓦礫どうします?」
「焼いたり砕いたりしてもいいんですが…」
病院を抜けて最初に訪れたのは一番被害が大きかった大通りだ。瓦礫や氷の礫が散乱しているので二人がかりで一ヶ所に集めた。今はその処理の方法に困っている。整地だけならグラウンドヘーテルでどうにかなるが、問題は氷だ。こればっかりはどうすることもできない。うーん…
「この氷大きく固めて彫刻みたいにしたら綺麗でしょうね」
「それだ」
「え?」
確かそんな魔法があった。物を瞬時に固めるコンソルデイトと物を綺麗な美術品に仕立てあげるタイルーを使えば氷の彫刻が出来上がる。
「ムラサキさんは今度でいいので美術品欲しい人探しといてください」
「わかりました」
「それじゃあ次のところいきますか」
「いえ、被害が酷かったのはここだけなのでもう終わりですね」
「この街は復興が速いですね。でもそうするとやることないなぁ」
「じゃ、じゃあ一つお願いが…」
そういうとムラサキさんは俺の肩に寄りかかった。
「あの日に出来なかったので…ね?」
周りの人からの視線が気になるがムラサキさんは幸せそうな顔をしている。しばらくこのままでいようか。
「お久しぶりですね。体調はどうですか?コウヨウさん」
「そこそこですかね。最近は復興作業が多いので」
次の日、ジャンヌダルクさんに呼び出されて城内に来ていた。何でも国関係のお願いらしい。
「単刀直入に聞きますが、今回は何の用事ですか?」
「今回は人探しをお願いしたいのですが」
「人探しですか」
「ええ。しかもかなり厄介者何ですが…お願いできますか?」
「国関係の人ですか?」
「いえ、個人的です」
意外だ。てっきり城に籠っているから知り合いが城の中にしか居ないと思っていた。
「どなたです?」
「リトム・ハザード・ゴエモンっていう怪盗です。『邪神』という二つ名で呼ばれています」
怪盗か。また厄介な案件を任されたようだ。
「あ、それともう一つ。今回はムラサキを同行させます」
「そうですか。ところで、わざわざ怪盗なんて呼んでどうするんですか?」
「怪盗は逃げるのが得意と聞きました。その人に逃げるコツを覚えれば、城からの脱出が楽になりますから」
ほんと、この人が考えることはわからない。
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