目覚めると何故か異世界に!

味噌ラーメン

第25話 バルド砦攻略戦(後編2)

「おいおい、随分いきなり口調が変わったな」

敵意と殺気がビシビシ伝わって来るぜ・・・

「これは失礼、私としたことが」

まずいかもな、こいつは強敵だ恐らく俺が全力で倒せるかどうかギリギリのラインだ

「お前たちは下がってろ!」

俺についてきてくれたこいつらを殺らせるわけにはいかない

「で、ですが!シュウ様!!」

「いいから、下がれ!!足手まといなんだよ!!」

「行くっすよ、アリサ」

エレワが、アリサの手を引く

「ほお、自分ひとりでは彼らを守りきれないと理解していましたか」

「あんたが強いことはわかるよ、でもな・・勝つのは俺だ」

「その強がり、いつまで持ちますかね!!」

一瞬で背後に現れる、イェーガー

だが、その程度の移動速度ならば見切れる

こちらも瞬間にカウンターを入れる

「なに!?」

「見えてないと思ったか?」

狼狽える様子を見せるイェーガー

確実に一撃を入れることに成功する

「ぐはあ!!」

その隙きをつく

「”雷脚”」

瞬間に敵へ肉薄する

「何いい!!」

トップスピードからの雷脚を打ち込んだ

「やったか!」

「なかなかの威力とスピードですね、さすがは雷属性といったところですかね?」

「な!効いてないのか!」

こっちはフルパワーで攻撃している

だが、目の前にいる敵は立ち上がってくる

「効かねえな?ええ?小僧が!!」

「がああああ!!」

何だ!?

あの距離から届かないはずの攻撃が飛んできた

「な、何だそれ」

「俺様がいつ、武器を使わねえなんて言ったんだ?ああ?」

敵の手には、長槍が握られていた・・・

血の色をした槍が

「ああ、いいねえ、実に良い・・・」

槍の先端に付着した血を舐めながら不敵に笑っている

「クソが!でも槍なら間合いを詰めてしまえば!!」

全身に雷を纏い、接近戦を仕掛ける

「は!甘えんだよ!!クソガキがあ!!」

なんて槍捌きだ!どこに打ち込んでも弾か返される

「くそ!!」

このままバカ正直に打ち合っていても勝ち目は薄い

「”レイジングボルト”」

体から電撃を発し、距離を取る

「んだよ、剣技じゃ俺に勝てねえか?」

「余裕ぶっこいてろよ、今すぐ叩き斬ってやる」

だが、このままじゃジリ貧だな・・・・





「さて、君には此処で殻を破ってもらわなくちゃね」

「ランスロット様、シュウ様を見殺しにする気ですか!?」

「やあ、アリサ、そんなつもりはないよ?ただ追い込まれて初めて手にする力もある」

そうさ、そうでなければ意味がない

「ですが、このままでは!」

「たとえ格上でも、倒さなければならない」

「私は加勢させていただきます!!」

一瞬でアリサの首筋に剣を突き立てる

「勝手は許さない、ここで見ていろ・・これは命令だ」

「く!、シュウ様・・・」

力のない者には、何も守れないんだよシュウ・・




「さあ、早く俺を叩き切ってくれよ?」

凄まじい切れの突きが放たれる

「くそが!」

躱すのがやっとだ、槍の初速は俺の抜刀術に迫る速度で繰り出されている

「そらそら!ちゃんと躱さないとグサリだぞ!!」

「くそ!楽しんでやがるな!」

「当たり前だろ!戦いは楽しいぜ!命の奪い合い!最高だ!」

狂人が、こいつはここでやらなきゃまずい

「俺はな!!てめえ見たいに俺より格下なのに立ち向かってくる奴をぶっ殺すのが一番好きなんだよ!!」

「残念ながら、まだ殺されてやるわけにはいかねえんだよ!!」

ようやくタイミングがあった

奴の槍を弾き、がら空きの胴体に一撃を叩きこむ

「はあああああ!!!」

貰った!!

「ぐううう!!」

間違いなく致命傷のはずだ

「もう終わりだ、イエーガーここで消えろ」

多量の出血をしながらも敵はまだ立ち上がる

「は!冗談だろ?やっと楽しくなってきたんだまだまだ遊ぼうぜ!!」

「なにを!?」

奴は自分に槍を突き立てた

「俺の血を吸いやがれ、血槍よおお!!」

瞬間、朱く輝きだす槍

「こいつは特別成でな、使用者の血を吸わせ必中の一撃を繰り出すんだ」

「死にてえのかお前!!」

「っは!馬鹿言ってんじゃねえよ!命の奪い合いをしてんだぜ?なら・・俺の命も賭けるに決まってんだろ!?」

イエーガーは全力の一撃をくりだす

「馬鹿野郎が・・・、’武御雷”!!!」

互いの全力に一撃が衝突する

「「うおおおおおおおおお!!!!」」

瞬間世界は白に包まれた・・・

「ちっ、お前の勝ちだ・・ヤマダシュウ」

「ああ、俺の勝ちだ・・永遠に眠れイエーガー」

出血が多すぎる、頭がくらくらするな・・

「シュウ様!!」

ああ、遠くで誰かが俺を呼んでいるな・・やばい、もう意識が・・

「おっと、危ない危ない」

不意に誰かに支えられた

「ランス・・ロット・・?」

「ああ、お疲れ様シュウ」

そこで俺の意識は途切た






シュウ、君は思っていた以上の逸材だったよ

「ランスロット様!!シュウ様はご無事ですか!?」

息を切らし駆け寄ってくるアリサ

「ああ、無事さ重症だけどね?」

出血は多いがまあ大丈夫だろう

「それは無事ではありません!!すぐに医療班を!!」

直ぐに応急手当てが開始された

「さて、バルド砦攻略の知らせをしなくてはアリサ、通達を頼むよ」

「え…で、でもシュウ様が」

心配でどうしようも顔だね

「心配ないさ僕がついているからね」

「了解しました」

しぶしぶといった顔でアリサが周囲の騎士団に伝令を始めた

「シュウ、今後も期待しているよ」

END











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