目覚めると何故か異世界に!

味噌ラーメン

第17話 王国からの依頼

「カノン!そっち行ったぞ!」

「グルルル!!」

ワーウルフの群れが襲い掛かる

「待ってましたよ!”光の槍ホーリーランス!”」

光の槍が先頭の4匹を確実に仕留める

「よくやった!”雷脚”」

一瞬で背後を取り、連続で5匹の頭を刎ねる

「やった!」

「よし、今回はいい感じだったな」

カノンと組んで、2か月そこそこに息は合ってきているカノンも援護のタイミングや俺とのスイッチにも慣れてきている

「いや~シュー君とはもう阿吽の呼吸ですね」

「そこまでではないが、戦闘にもかなり慣れてきたようだな?」

「はい!このままトップランカーになりますよ!」

こいつは本当に前向きで元気だな

「まあいい、任務は完了だ報告に戻るぞ」

「はい!」

ギルドに帰ると何やら騒がしいな

「なんか騒がしくないですか?」

「なにかあったのかもな」

とりあえず、シェリーに報告がてら聞いてみるか

「シェリー」

「あ、お帰りなさいシュー君!」

笑顔で迎えてくれるシェリー、彼女の顔を見ると帰ってきたと安心できる

「えと、報告よね?サッサっとしちゃいましょう」

なにやら焦っているな?やはり何かあったんだろうか?

「随分と焦ってるけど何かあった?」

「え!?な、なにもない!ないよ!」

あからさまに動揺している珍しい事もあるもんだ

「はい、確認しました!シュー君今日はもう帰るのよね?というか帰って!?」

「なんで!?」

まさかの帰って!?おかしくない!?

「お二人ケンカでもしたんですか?帰れってのは流石にちょっと」

「いや、してないけど?」


「とにかく!今日はもう帰って!そうじゃないと...」

「シェリー、シューは帰ってきたの?」

シェリーの背後かかエルザが声を掛ける

「!?」

「エルザ、久しぶりだな何か用か?」

久しぶりに会ったエルザに挨拶をする

「あ!マスターこんにちは!」

「あら、カノン相変わらず元気ね」

「はい!!元気いっぱいです!」

エルザも随分とカノンを気に入っているようだ

「それで?シェリー、私は貴女にシューが帰ってきたら連れてくるように言っておいたはずだけど?それを帰らせようとするなんて、どういうつもりなのかしら?」

「そ、それは...」

うつむくシェリー、表情は見えないが辛そうだな

「俺に何か用か?」

「シュー君!!」

「やっぱり何かあったんですか?」

静かにシェリーが口を開く

「さっき、王国騎士団がきてギルドへ正式な形で依頼を出しました..」

王国騎士、国王直属の騎士団で実力は冒険者とは比べ物にはならないと聞くエリート集団だったはず、その大部分は貴族の直系らしく規律や血統にうるさい連中らしい..奴らがギルドへ依頼してくる内容は大きく分けて2つほどだ、1つは要人の警護王家や貴族がメインだほとんどがこれらしいが、もう1つの依頼それは..

「それでいったい何の依頼なんですか?」

「教えてないかもしれないけど、王国からの依頼は大体2種類なのよ...」

「ここからは、私が説明します」

集を見つめるシェリー、集も視線を反らさずにまっすぐに受け止める

「王国からのもう1種類の依頼とは緊急要請です内容は様々です、ですがどの依頼も王国騎士では行えない汚れ仕事ばかりです、他にも砦や拠点の攻略戦等もあります...もう一つは戦争です、国家の危機には王国騎士団冒険者関係なく国の防衛へと駆り出されます、そして今回は緊急要請になります」

やはりそうか...それでシェリーは俺を帰らそうとしたのか

「そんな...」


「そして、王国からの緊急要請をギルドは拒否できないのよ」

ギルドは基本的に、王国管理の組織だ王国の許可なく活動はできず王国の方針には従う義務がある

「それで?今回の依頼の内容はなんだ?」

重く口を開くシェリー

「隣国セヴィオ帝国のバルド砦の攻略及び殲滅です...」

よりのもよって殲滅か…

「殲滅ですか?」

よくわかっていない様子のカノン小首を傾げている

「ええ、”殲滅よ”」

「殲滅と捕縛では内容がかなり変わる、捕縛の場合は生かして捕らえることが前提であり殺しはする必要がない、だが殲滅なら話は別だ基本は目標の全滅、簡単に言えば全員殺すことになる、たとえ女子供がいてもだ...」


カノンへ簡単な説明をしてやる

「そんな...酷い..」

初めて聞くカノンはショックを隠せないようだ無理もないだろうな

「厄介なことに今回は指名なのよ」

「まさか、それって!」

うつむいたまま、シェリーが告げる

「はい、王国からの依頼はギルド所属の”雷刃”個人の派遣を要求する..だそうです」

「なるほどな..」

そうきたか、これで俺が断ればギルドへ、エルザに迷惑をかけることになり断れない状況を作ったわけか...なら答えは決まってる


「了解した、この依頼受けよう」

「そんな!?だめですよ!人を殺すんですよ!?」

カノンが必死に止める

「集、いいのね?」

「ああ、問題ない」

「だそうよ?シェリー?」

表情が見えないままシェリーが返事をする

「わかりました、騎士団に連絡しておきます」

「シェリーさんまで!!私は反対ですから!!」

行ってしまったな、カノンにも悪いことをしたな心配してくれたのに...だがそれでもここを潰させわけにはいかないんだよ...

「戦争になるのか?」

「わからない、帝国との小競り合いはずっとだしね」

「そうか」

戦争になれば、ここも危険になるだろうな..

「シェリー、先に帰ってる後で話そう」

「うん...」

シェリーに別れを告げて先に帰路に就く...

END



コメント

  • 味噌ラーメン

    盛り上がるように頑張ります!

    0
  • ちぃびぃ

    なんだか盛り上がる展開だ

    0
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