裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚
157話
まだ夕方にもなってないんだが、冒険者ギルドについてしまった。それ自体は別にいいんだが、なぜかアリアとイーラが外で待っていた。
「あっ、リキ様〜!」
イーラが俺に気づいて手を振ってきたから、片手を軽く上げて近づいた。
「なんで外にいるんだ?」
「…わたしたちは冒険者では「追い出されたの〜。」…。」
アリアが答えている途中でイーラが被せて答えたためにアリアは黙ってしまった。
「どういうことだ?」
「ここは奴隷が来るとこじゃないっていわれたよ〜。」
「…奴隷のわたしたちだけで利用されるのを不快に感じた方がいたのだと思います。注意を受けただけで、力づくで追い出されたわけではありません。」
「そうなんだよ〜。アリアが何もいい返さないで謝って出て行くからイーラも外で待たなくちゃいけなくなっちゃったんだよ〜。」
そういうルールがあったのか?
注意されただけなら悪いのはルールを知らなかった俺たちか。奴隷ってだけで仲間に危害を加えたのかと思って、勘違いで殴り込むとこだった。
「そうか。俺はそういうルールを知らなかった。それで不快な思いをさせちまったみたいで悪いな。」
「…リキ様は悪くありません。」
「そうだそうだ!弱いくせに文句をいってきたあの人間が悪い!」
いや、だからそいつは悪くねぇんだけど、まぁいいか。訂正すんのめんどくせぇし。
「俺が一緒なら問題ねぇだろ。入るぞ。」
「「はい。」」
2人を連れて中に入ると、受付には列が出来てるみたいだ。
ここは飲食物を売ってはいないが、冒険者が休めるようになのか椅子やテーブルが置いてあるスペースがある。そのスペースの方はけっこう空いてるみたいだな。
適当に入り口から近めの隅っこの6人がけのテーブルにつくと、アリアとイーラが隣に座った。いや、6人がけなんだからどっちか正面にこいよ。まぁいいけど。
「というか2人はもっといろいろ見て回らなくて良かったのか?こんな機会はあんまないだろ?」
ヘタしたら今日で最後かもしれないとは縁起が悪いからいえないが。
「…やりたいことは済ませましたので、町を回るよりリキ様の側にいたいと思いました。」
「イーラも!いくつか出店の食べ物食べてたら、リキ様に会いたくなってここに来たら、アリアと会ったんだ〜。」
ん?もしかしてけっこう待ってたのか?
「2人が俺を慕ってくれるのは嬉しいが、自分の時間はもっと大事にした方がいいぞ。」
ドンッ!
目の前まで歩いて来た男が右手を握ってテーブルを叩いたためにけっこう大きな音がなり、周りの視線が一気に集まった。
俺らはこのおっさんが近づいて来ているのはわかっていたから驚きはしなかったが、俺になんかようか?たぶん会ったことねぇと思うんだが、忘れただけか?
おっさんを見た感じではたぶん村のガキどもやサラやソフィアよりは強いが、カレンとどっこいどっこいの実力って感じか?まぁスキルでいくらでも誤魔化せるだろうからそこまで当てにはならんけど。
「おい!嬢ちゃんよ〜。さっきいったよな?ここは奴隷が来ていい場所じゃねぇってよ?痛い目みねぇとわからねぇのか?」
あぁ、さっきアリアたちを追い出したとかいってたやつか。こいつには俺が見えていないのか?
「こいつは俺の奴隷だ。主がいるんだから問題ないだろ?」
アリアの頭に手を置いてかるく引き寄せ、おっさんの視線が俺を捉えたのを確認してから話しかけた。
「あぁ?てめぇ見ねぇ顔だな。新入りか?」
こいつは俺の質問に答えないで質問で返してきやがった。面倒だから無視するか。
「それで、イーラは何を食べてきたんだ?」
「ん?なんか肉をパンで挟んだのとか、肉で野菜を巻いたのとか、でっかい肉を焼いたのとか食べたよ!でもおっちゃんの肉串やリキ様が作るご飯の方が美味しかった。」
ドンッ!
「無視してんじゃねぇぞ!てめぇはFランクだろ?」
「うるせぇな。それが今関係あんのか?」
というかなんで俺のランクを知ってんだ?
「Fランクが舐めた口聞いてんじゃねぇっていってんだよ!俺が誰だかわかってんのか?」
ランクってそんなに重要か?なんか前にもこんなことあったな。いつだったか…。
「知らねえし興味がねぇよ。」
少し離れたところからクスクスと笑い声が聞こえた。
おっさんにも聞こえたのだろう。みるみるうちに顔が赤くなっていく。
「おめぇも痛い目みないとわからねぇみたいだな。」
おっさんは左手で俺の胸ぐらを掴もうとしてきたから、それを右手で掴んで阻むと、今度は右手で俺の顔を殴りにきた。
左手で止めようかとも思ったが、こいつは実力差もわからねぇ雑魚みたいだし、1発受けてやった方が早くことが片付きそうだな。
視界の隅でアリアとイーラの目つきが変わったが、大丈夫だと小声で呟いて静止させ、スキルの『壁』を使用した。
おっさんが殴る動作に入ってから顔面を殴られるまでにそんなことができる程度の脅威でしかない。しかも『壁』を使ったためにダメージを逃すことができずにモロに食らったにもかかわらず、耐えられる程度の痛みでしかなかった。それなのによくこんなに吠えられるな。弱い犬ほどよく吠えるってやつか?
「なんだ?手加減してくれたのか?」
おっさんを挑発しながら、おっさんの右手を左手で掴んだ。
「てめぇ!俺はAランク冒険者だ!今なら床に頭を擦り付けて謝れば許してやるぞ!」
俺に掴まれた両手を力一杯に引き抜こうともがきながら、まだ吠えてやがる。実力差がわかっても後に引けなくなったのか?
横を見ると、隣のテーブルにいる冒険者パーティーと思われるやつらと目があった。
4人中3人はサッと目を逸らしたが、1人はタイミングを逃したみたいだ。ちょうどいい。
「なぁ、質問なんだが、冒険者ギルド内での喧嘩って禁止されてたりするか?」
「え!?あ、えっと…とくに禁止というわけではないですが、物を壊した場合は弁償することになります。あと、あからさまな弱いものイジメは最悪の場合、冒険者資格を剥奪されます。」
「そうか。ならランク的にも格上のこいつを俺がどうしようと問題ないわけだな。ありがとう。」
それに冒険者資格を剥奪されても俺はもう困らないしな。
『中級魔法:電』
かなり弱めの電気を両手から流して、徐々に強くしていく。
最初はただ硬直していたおっさんが「アババババ」とか意味不明なことをいいだした。
電気って痛いのか?
そういや前に接骨院での治療で使った電気はピリピリしてたな。
さらに強めると男は静かになって口の端に泡を吹きながら白目を剥いた。
あぁ、思い出した。
Fランクってだけでバカにしてきたのはガンザーラのギルド職員だったな。
思い出したらイライラしてきた。
職員があんなんだから冒険者もこんなんになるんじゃねぇの?
イライラしてるせいか無意識に強めていたらしく、おっさんから煙が上がり始めた。
『ハイヒール』
ちょっとお灸をすえるだけのつもりが、イライラし過ぎて危なく殺すところだった。
別にアリアたちに手を出したわけではないみたいだし、心から謝罪するなら金をもらって終わりにしようと思い、おっさんが謝罪出来る程度まで電気を弱めようと調整していたら、テーブルの端に30歳くらいのおじさん…いや、お兄さんの方がしっくりくるくらいの男が立っていた。
「そのくらいにしてあげてはくれないかい?」
その男が少し困った顔をしながら声をかけてきた。
「は?俺はこいつからまだ謝罪を受けてない。別に殺すつもりはないし、ギルド内での喧嘩はありなんだろ?」
「これは喧嘩なのかい?僕には拷問に見えるけど。それに今の彼の状態じゃ謝りたくても謝れないんじゃないのかい?」
確かにさっきはやり過ぎたが、俺に拷問の趣味はねぇ。殺すときは即殺すし、殺すつもりがなければ誠意を見せれば許すつもりだ。もちろん例外はあるがな。
「だから今喋れるように調整してるんじゃねぇか。確かにさっきはちょっとやり過ぎたが、回復してやったんだからいいじゃねぇか。」
男は困った顔のまま頭をぽりぽりとかいた。
「このままだと君の冒険者資格を剥奪される可能性があるよ?」
「喧嘩両成敗ってやつか?なら仕方ねぇけど、格上の冒険者に殴られたから必死の抵抗を見せてるだけなのに俺は冒険者資格を剥奪されなきゃならないのか?」
男はさらに困った顔になった。
「どうしたらやめてくれるんだい?」
こいつはそんなにやめさせたいのか?目の前で争いが起きることに耐えられないとか意味不明なことをのたまう偽善者なのか?なら冒険者なんかやめてしまえ。…いや、もしかしてこいつの仲間か?
「こいつからの謝罪と金だな。金額はこいつの誠意が見たいから自分で決めて払ってもらう。」
男はアイテムボックスから何かを取り出し、テーブルに置いた。金貨10枚だ。それを5つの計50枚を置き、アイテムボックスを閉じた。
「謝罪は必ずさせるから、これで手を打ってはくれないかい?」
他人のために金貨50枚も払うのか?よっぽどの金持ちか頭がおかしいか…そういや仲間の可能性もあるんだったな。
「お前はこいつの仲間なのか?」
「仲間というと少し違うかな。でも味方でありたいとは思っている。」
わけがわかんねぇが、まぁいいか。
魔法を解除して手を離すと、おっさんは崩れ落ちた。
金貨1枚の価値もないと思ってたおっさんが金貨50枚はさすがに多過ぎんだろ。
「アリア。」
『フェルトリカバリー』
『ハイヒーリング』
これでも金貨50枚は多いな。
とりあえず金貨10枚をもらってアイテムボックスにしまった。
「このおっさんにそんな価値はねぇ。アリアの魔法代込みで金貨10枚でいい。」
「これはギルド内で君に喧嘩を売って不快にさせてしまった分でもあるからもらってくれ。」
なんだ?なぜそこまで俺に金を受け取らせようとする?
念のため金貨に識別を発動するが本物と出ている。意味がわからねぇ。
「なぜお前がそこまでするんだ?」
「僕はこれでもここの支部長だからね。君に暴れられると困るんだ。それに1つお願いがあってね。」
べつに暴れるつもりなんてねぇよ。何もされなきゃ。
「金貨40枚分のお願いなんて聞きたかねぇよ。」
めんどくさそうだから今すぐ出たいが、まだアオイたちが来ていないから出るわけにいかねぇんだよな。なんかこれも前に似たようなことがあった気がする。
「そんな難しいことではないんだ。ただ、Sランクの試験を受けて欲しいんだよ。カンノ君にとっても悪い話ではないと思うよ?」
周りからざわざわと音がした。
こいつ今Sランクっていったか?俺は今Fランクだぞ?飛び級にも程があるだろ。
あぁ、そういやいきなり高いランクの試験を受けると死ぬ可能性があるっていってたな。試験で俺を殺す気か?
『パラサイティックマジック』
アリアが魔法を発動したのか、目の前で魔力だと思われるものが霧散したのが見えた。
今のは相手の魔法を乗っ取る魔法だったよな?確かカルナコックのときにアリアが使ってたはずだ。ただ、あの時と違ってマジックキャンセルをせずとも勝手にキャンセルされたみたいだが、そんなことは関係ない。回復は既にアリアがしているのだから、回復系の魔法ってことはないだろう。つまりこいつは懲りずに攻撃したってことだよな?
俺は腰につけてあるガントレットを装着し、テーブルを乗り越えようとしたところで横から邪魔が入った。
金貨を払った男が剣で道を塞いだから、俺はガントレットで弾こうとして、金属がぶつかる音が響いた。だが、剣はビクともしなかった。
「イーラ。あいつの四肢を外して保管しておけ。」
「は〜い。」
イーラが椅子から立ち上がり、テーブルを回っておっさんに近寄った。それを見た剣の男が止めようとするが、させるわけがない。
一瞬俺から目を離した隙に会心の一撃で殴りかかるが、バックステップで避けられた。さらに追撃を加えると剣で弾かれたが、俺はこいつを殺したいわけじゃないから、ここで手を引いた。俺より強いやつに無駄に喧嘩を売るつもりなんてない。こいつは俺の邪魔をしたが、テーブルの金貨40枚で十分許せる範囲だ。むしろお釣りが出るくらいだな。
男は俺の意図に気づいたのか、やってしまったという顔をしたがもう遅い。
「ぐあああぁぁぁあああぁぁっ!」
おっさんの叫び声がギルド内に響いた。
イーラが四肢をもいだんだろう。保管しろっていったから食ってはいないと思うが、食ってたら食ってたでかまわない。
あとで治療費を取れるかもと思って保管しろっていっただけだから、取れなきゃ取れないでべつにいい。
俺は何事もなかったように席に戻って金貨40枚をアイテムボックスにしまうと、イーラも席に着いた。
おっさんの叫び声はうるさいが、それに反比例するように辺りは静かになった。
剣の男はまた困った顔で頭を掻いていたが、アイテムボックスからポーションのような物を取り出して歩いてきた。
いや、あれはポーションじゃないと俺の直感が告げている。
もしやと思って鑑定を使うと『神薬』と出た。
「待て!こいつの手足は元どおりにしてやるからそれをこんな奴に使うくらいなら俺がもらう!」
ちょっと必死になりすぎた。
勢いよく立ち上がったから椅子が倒れてデカい音がなったが、そんなのどうでもいい。
神薬は確か金貨100枚の価値があるっていってたはずだ。そんな高価な物をこんなクズに使おうなんてどうかしてやがる。
「本当に治せるのかい?彼はこんなでもうちのギルドには必要な人材なんだよ。」
こんなクズが必要?やっぱり冒険者ギルドも腐ってんのかもな。
「お前がそれをくれると約束してくれるならな。」
「わかった。神薬で手足が生える保証はないからね。カンノ君が治してくれるならこの神薬は君にあげると約束しよう。ただし、もしそのまま傷口を塞ぐようなことをしたら、僕は本気で君を止めなければならなくなることだけ、胸にとどめておいてくれ。」
さっきのは本気じゃなかったってか。まぁいわれずともわかってたけどな。
「イーラ。手足はあるな?」
「あるよ!」
イーラが両手で器用におっさんの両手両足を持ち上げると、遠くから嗚咽のようなものが聞こえた。
「アリア。任せた。」
「…はい。」
『プラレティックミスト』
アリアが狭い範囲で霧を発生させた。しかもかなり濃くて、おっさんやアリアたちがほとんど見えない。
『マジックシェア』
『ステアラ』
『マジパラ』
『リジェネレイト』
『オーバーブースト』
俺は近いから微かに聞こえるが、アリアはだいぶ小声で魔法を発動しているみたいだ。
聞かれちゃマズいのか?
しばらくすると霧が晴れ、霧が発生していた中心部には五体満足となったおっさんがいた。
『フェルトリカバリー』
『パワーリカバリー』
『ヒーリング』
どうやらアリアは霧による麻痺症状も治したみたいだ。PPも回復させたみたいだし、しばらくしたらまた動き始めるだろう。
「これでいいだろ?約束通り神薬をくれ。」
「あぁ、まさかこれほどのパーティーだったとはね。それで、Sランクの試験は受けてくれるのかい?」
男が神薬を俺に渡して、意味不明なことをいってきた。
「受けるわけねぇだろ。さっきの金貨は俺がそのおっさんを殺すのを邪魔した分だ。それよりそのおっさんをどっかに運んだ方がいいんじゃねぇか?次また俺に敵意を向けたら殺すぞ?」
今日は神薬と金貨50枚も手に入ったから許容出来ているが、それでもイラついてはいるからな。次を我慢出来る自信はない。
男は困った顔をしながら、ギルド職員らしきやつらに指示を出しておっさんをどこかに連れていった。
男はなぜか立ち去ろうとしない。
「なんだよ?まだなんかあんのか?」
「いや、さすがに金貨50枚も渡したのに試験を受けてくれないのは割に合わないと思ってね。」
「は?俺も正直金貨50枚程度であのふざけたおっさんを殺さないのは割にあわねぇと思ってるんだが、その話を蒸し返すつもりか?」
イライラし過ぎて男を睨みつけるが、男は困った顔ではあっても怯むことはなく、しばらく考える素振りを見せた。
「わかった。今回は僕が引こう。ただ、この件は考えておいて欲しい。」
そういって、男はやっと去っていった。
男が見えなくなったのを確認してからアリアを見ると目があった。
「アリア。いつもありがとな。これは今まで働いてくれた分の報酬だ。これからもよろしく頼む。」
「…っ!?」
アリアに神薬を渡すと驚かれた。
「とりあえず飲んでみろ。もしかしたら古傷が消えるかもしれねぇぞ?消えなかったらすまん。」
「…そんな、もったいないです。」
アリアは焦ったように拒むが、もともとアリアのために用意するつもりだったし、たまたま手に入れたものなのだからなおさら失敗しても損にはならないから遠慮する必要はないだろう。
「もったいなくなんかねぇよ。アリアは女の子なんだ。肌が綺麗になる可能性があるなら試して損はねぇよ。」
「…でも、わたしは奴隷です。そんな奴隷の傷など気にしないでください。気持ち悪いのであれば、傷の隠れる服を着るようにします。」
頑なだな。
「気持ち悪くなんかねぇよ。…じゃあ奴隷であるアリアに命じる。その神薬を今すぐ飲め。」
本当は命令なんかしたかねぇが、こうでもしなきゃ飲まないだろうからな。
「…………ありがとうございます。」
アリアが泣き始め、そんなに嫌だったかと思ったらお礼をいわれた。
そして一気に神薬を飲んだ。
アリアの体が淡い白い光を放ち始めると、ゆっくりとだが古傷が塞がり始めた。5分ほどかけて、全ての古傷が塞がり、傷のない綺麗な肌になった。見た目じゃ今まで傷があったなんてわからないくらい綺麗になっている。
全ての古傷がなくなると、光も収まった。
神薬凄えな。マジで古傷がなくなった。
アリアはただでさえ泣いていたのに、二の腕などの古傷がなくなったのを目にすると、さらに泣き始め、終いにはわんわんと声を出して泣き始めてしまった。
アリアにしては珍しいと思ったが、しっかりしてても実際は8歳の女の子だもんな。
アリアの頭に手を置いて軽く引き寄せると、アリアは俺にしがみつくようにして泣き続けた。俺はアリアが泣き止むまで、アリアの頭を軽くなでた。イーラは俺の背中にくっついて、アリアごと抱きしめてきた。
顔だけ振り返ってもイーラの顔は見えなかったが、なぜかイーラも泣いている気がした。
もらい泣きか?もしかしたらアリアの古傷が治ったのが自分のことのように嬉しかったのかもな。
しばらくして泣き止んだアリアは自分にハイヒーリングをかけて、目の充血を治した。
それを見計らったかのようにアオイたちが冒険者ギルドに入ってきた。
まぁ外はもう薄暗くなってきてるから、いてもおかしくはないか。アオイのことだから空気を読んだんだろう。じゃなきゃ、全員が同じタイミングで帰ってくるなんてありえないだろう。
まぁアオイが空気を読んだんだから、俺が余計なことをいうべきではないか。
「帰るぞ。」
「「「「「「「「「はい。」」」」」」」」」
全員が集まったのを確認して、冒険者ギルドを出た。
ロリコン?…知らん。あいつは身分証があるんだから勝手にすればいい。
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