裏切られた俺と魔紋の奴隷の異世界冒険譚

葉月二三

156話



奴隷市場というか、憩いの場の前に着いたが、今日も奴隷商は表にいないようだ。
このまま入ってもいいのか?

まぁダメだったら追い返されるだけだろうし、とりあえず入ってみるか。

一階の正面の扉を開けて中を覗くと、受付っぽいところに奴隷商がいた。

「いらっしゃいませ、リキ様。本日は当店のご利用でしょうか?それとも私にご用でしょうか?」

奴隷商は受付から出てきて、俺の隣に立った。

「今日は店の利用だ。」

「ありがとうございます。本日はどちらの種族にいたしますか?」

一度頭を下げたあと、すぐに種族選択に移った。
2度目だから説明は省いたのだろう。その方が楽でいい。

さて、どうするか。
正直いえば前回と同じでかまわないんだが、俺は戦争で死ぬかもしれない。そう考えたら、せっかく異世界にきたのだから一度くらい多種族を経験してみたいとも思う。

せっかくだしな。

「獣人族で。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」

奴隷商が合図を送ると、部屋の隅にいた黒服の男がどこかに歩いていった。

しばらくして、その男が5人の獣人を連れてきた。

男が1人づつ説明をしているが、それを聞き流しつつ鑑定をした。

性病にかかってないのは3人で、うち1人は見た目が幼すぎるから論外。

1人は猫系でセリナとカブるから、消去法で犬っぽい垂れ耳のお姉さんだな。
金髪のちょっと癖のはいったミディアムで若干タレ目のおっとりした雰囲気を醸し出している。垂れ耳も柔らかそうだが、尻尾はセリナと違って犬っぽいフサフサでこれまた柔らかそうだ。
若干透けてるキャミソールを着てるからわかるが、スタイルもいい。
消去法でなくても十分可愛いわ。まぁ24歳だから8歳も年上にたいして可愛いってのもどうかと思うが、可愛いのだから仕方がない。

俺が説明をほとんど聞いてないことに気づいた奴隷商が男の説明を中断させた。

「お決まりでしょうか?」

「あぁ、真ん中がいい。」

「かしこまりました。」

男は他のスタッフに指示を出して下がらせ、真ん中の犬のお姉さんが近づいてきた。

「ご指名ありがとうございます。私はレトリィと申します。本日はよろしくお願いいたします。」

やっぱり鑑定した名前と違った。指名するときに下手に名前で呼ばなくて良かったわ。

「よろしく。」

「それではお部屋までご案内させていただきます。」




レトリィに案内された部屋は前と違う部屋なんだが、作りはほとんど一緒だった。

大きめのベッドとシャワー室しかない。

とりあえず大きめなベッドに並んで腰掛けた。

「先にシャワーを浴びますか?それともこのままの方がよろしいでしょうか?」

緊張してるのか?
いや、プロなだけあって普通を装っているし、普通は気づかない程度の違和感でしかないんだが、観察眼のスキルのせいかちょっと気になってしまった。
まぁ隠そうとしてるのに指摘するのは失礼だよな。気にはなるがスルーしよう。

「そうだな。俺はけっこう汚れちまったから先にシャワーを浴びたいんだが、その前にその耳と尻尾を触ってもいいか?」

せっかく獣人相手なのだからモフりたいと思うのはおかしくないはずだ。日本には存在してない種族だからなおさらだ。まぁセリナに頼めば触らしてはくれるだろうが、獣人族のマナーとか知らないし、もし触るのがマナー違反だったとしても奴隷が主の願いを断れるはずがねぇ。結果、無理矢理触ることになったら互いにいい気分ではないからな。

それに俺がセリナの耳や尻尾を触ったらセクハラに当たる可能性もあるしな。あと、セリナには悪いが猫より犬の方がモフりがいがありそうだし。

「?…どうぞ。」

レトリィは一瞬疑問に思った顔をしたが、尻尾を俺の方に動かし、耳を触りやすいように頭を近づけてきた。

まずは尻尾を触るが、めちゃくちゃサラサラだ。指で梳くが一切引っかからない。一応芯はあるみたいだが、猫のとは明らかに違うし、毛が長いからフサフサだ。

続いて耳を触ろうかと思ったが、気になったことを先に聞くか。

「俺は獣人族のルールやマナーや暗黙の了解を知らない。だから聞きたいんだが、獣人族にとって耳や尻尾を触られるのはどうなんだ?」

「人族と変わらないと思いますよ。尻尾は人族にはないので難しいですが、お尻を触られるのと同じ感じかもしれません。」

ん?それって獣人族に「尻尾を触らせてくれ」っていうのは「尻を触らせてくれ」ってことと同じってことだよな?普通にアウトだろ。セリナにやらなくて良かった。

レトリィは尻尾を触ったさいも一瞬強張ってはいたが嫌な顔はしてなかったし、耳も問題ないだろうと手を伸ばす。

柔らかい。そしてフサフサ。
持ち上げたり下ろしたり、軽く揉んだりとしてみたが、楽しいし気持ちいい。クセになりそうだ。

「触っといていうのもなんだが、触られるのは不快なんじゃないか?」

俺なら耳もケツも触られたくはない。

「人によっては不快に思う人もいるとは思いますけど、優しく触られる分にはそこまで不快ではないと思いますよ。若い子だと恥ずかしがる子は多いかも知れませんが、私は好きですよ。」

ニコッと微笑んだレトリィはかなり可愛かった。8歳も年上だということを忘れてしまうくらいに。

本人が好きだというなら、仮に接客上の嘘だとしても遠慮する必要はないだろう。

それから5分ほど無言でモフり続け、そろそろシャワーを浴びなきゃなと思ったところで変化があった。

「……ぁ………ん…。」

え?

耳を触っていただけなのに、レトリィから艷っぽい声が漏れてきた。

あぁ、客を楽しませようと思っての演技かと納得してレトリィの顔を見ると真っ赤だった。

ここまで演技だとしたら凄えな。

「…不意に声が出てしまうと恥ずかしいものなんですね。」

エヘヘッと照れ隠しに笑ったレトリィが可愛すぎてヤバい。
このまま押し倒したかったが、さすがに午前中にダンジョンに潜った体では失礼だろ。
シャワーを浴びてからだとせっかくのフサフサの耳と尻尾が濡れてしまうと思って後回しにしたことを後悔することになるとは…。

「よし、シャワーを浴びに行こうか。」

「はい。」

一緒にシャワーを浴びるため服を脱いでいて、驚いた。
若干透けてるキャミソールだったからスタイルがいいっていうのはわかってたんだが、脱いだ姿をあらためて見ると胸がデカかった。
これなら挟めるんじゃねぇか?なんて思ったが、この世界にはローションとかないだろうから、痛いだけで終わりそうだしやめておこう。
それにしても細身にこれだけデカい胸が付いているのに違和感がないな。並んで立った感じだと身長は160センチあるかないかくらいで、お尻は大きすぎずくびれもある。胸のサイズは目測でわかるようなスキルを持っていないからわからんが、日本でのカップでいったらGくらいはあるんじゃねぇか?なのに垂れてないから余計にデカく見えんのかもな。腹筋も薄っすらと割れてるっぽいし、さすが獣人族って感じだな。知らんけど。

「…胸が大きいのは嫌いでしたか?」

あまりにジロジロと見すぎてしまったみたいだ。

「いや、大きかろうが小さかろうが見栄えが良ければ良いと俺は思う。というか綺麗だなって思って見すぎてしまった。すまん。」

「あっ、いえ、ありがとうございます。」

レトリィの肩を掴んで、回転させようと力を入れると、疑問に思いながらも後ろを向いた。

後ろから見ても綺麗な身体だな。

「獣人も人族もほとんど変わらないんだな。」

セリナを買うときに正面は見ていたが、そういや背中は見てなかったと思ってレトリィの背中を見せてもらったが、尻尾の付け根である腰のあたりに少し毛が生えている程度で、他は人族と変わらなかった。

「はい。中には手足も毛に覆われた方もいるそうですが、ほとんどの獣人は耳と尻尾とその付け根の毛以外は人族と同じですよ。残念でしたか?」

「いや、気になったから聞いただけで他意はない。」

そして2人でシャワー室に入った。








今回はまさかの1発KOだった。…俺が。


シャワー室で奉仕してもらったことで興奮状態となり、軽く体を拭いてそのままベッドで戦闘開始。

湿った髪や耳や尻尾の触り心地もこれはこれで良いなといった感じであり、胸はとてつもなく柔らかい。たまに漏れてくるレトリィの声もさらに興奮を誘うが、何よりも吸いつきが尋常じゃなかった。気を抜けば全部持っていかれるんじゃないかと思うほどだ。
なぜか突けば突くほどキツくなっていく。だが、けっして痛くはない。これはヤバい。

俺は必死に耐えたが、呆気なく限界を迎えた。危なく中に出すところだった。

しかもその1発で全て出し切ったかのように息子はピクリとも動かなくなった。

レトリィは弱めの痙攣が止まらないようで、俺の腕を掴みながら、俯いて顔を真っ赤にしている。
賢者タイムにもかかわらず唆られるが、息子はピクリとも動かなかったから再戦不可能だった。

仕方ないからレトリィの横に寝て、痙攣が収まるまで既に乾いたレトリィの耳をモフモフして時間を過ごした。




「お恥ずかしいところをお見せしてしまい、申し訳ありません。」

痙攣が治ったあともしばらく俯いて動かなかったレトリィだったが、落ち着いたのか起き上がって謝罪してきた。

「いや、謝ることではないだろ。俺は十分に楽しめたから満足している。」

「ありがとうございます。」


最後に一緒にシャワーを浴びて、受付まで送ってもらった。

受付で銀貨を50枚払った。

「「「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」」」

レトリィと奴隷商、あとはその場にいた男性スタッフが頭を下げてきた。
俺はそれに軽く片手を上げて返事とし、店を出た。



他にはとくにすることもねぇし、かなり早いけど冒険者ギルドで待ってるとするかな。

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