ファルダーミール -明日の世界-

ほむほむ

第39話 宝石

  あれから長く暗い洞窟のような道を進み、3時間ほどがたったが、今だに変わったところは見られない。
「ガゥア!?」
 
「また、お前かよ……これで何体目だ?」
  カヤトはめんどくさそうに刀を振るう。
「キャイ~ン!」
  ツインドックが倒れ込み宝石に変わる。
 カヤトは宝石に変わったツインドックを拾い、リュックに入れる。
 リュックの中には赤く輝く小さな宝石がパンパンに詰まっていた。
 「そろそろ、中身が一杯になりそうだな……一端帰るか?」
 首をかしげ悩むカヤト。
 「いや、もう少しすすんでみるか」
 そこから5分ほど進むと、今までとはうってかわり、開けた場所に出た。
 「よく響くな」
 そんなことを言いながらカヤトは暗闇のなかを注視する。
「GooooooooooooooO!!」
 そこには、10メートルはあるのではないかと思われる赤いミノタウロスがいた。
 カヤトはミノタウロスにどうやら発見去れてしまったようである。
「デカいなー」
 そんな感想しかいだけなかった。
 「Gooooooooo!」
 ミノタウロスは叫んでいる。
「呪詛纏い」
カヤトは呪力を使い鎧を創る。
「Goooooooooooooo!」
ミノタウロスは叫んでいる。
 
 カヤト走りだし、ミノタウロスの足元、人間で言うアキレス腱があるであろう部分を斬りつける。
 
「GoooooWoooo!」
「大した効果はないか」
  ミノタウロスはカヤトに対して、大きな鉈を叩きつけようとする。しかし、ミノタウロスの鉈を寸前のところでカヤトは身を捻り避ける。
 「Goooooooooooooo」
 避けられたのが気に入らなかったのかミノタウロスは先程よりも大きな声で叫ぶ。
「うるさいな、牛やろう」
「Gooooooooo」
 ミノタウロスは鉈を横凪ぎする。
 「おっと!危ないな!」
 カヤトはミノタウロスの横凪ぎを寸前でかわし、突き出されている右腕を伝って頭部へ向かう。もちろん、ミノタウロスは体を振り抵抗するがそれを予想していたカヤトには効果がなかった。
 カヤトは足元にスパイク状に呪力を張り巡らしていた。スパイク状に呪力を張り巡らすことにより、ミノタウロスの体に安定して立っていられる。
「うぉ!揺れる揺れる」
 カヤトはバランスをとりながらミノタウロスの頭部に到着する。
「これで終わりだ!」
 カヤトは刀をミノタウロスの頭頂部に突き刺す。
 「Goooooooooooooo......oo」
  脳に直接刀を突き刺したため、そこまで暴れずにミノタウロスは生き絶えた。
 「なんとか倒したか……」
  ミノタウロスの遺体は消え、そこには拳大の緑色の宝石が落ちていた。
 「あの犬よりは大きいな、敵の強さに比例して宝石のグレードが上がる感じか」
 カヤトは一人で納得する。
    

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