地に堕ちた神へ告ぐ

nohzu

3話 転生した神は高校生

 (1)今日から僕は
「眩しい...。」
 窓から射し込む日光で目を覚ました僕、元神のロキ。
 一日前までは、北欧神話で『悪戯好きの神』として空飛ぶ靴を履き、天界を飛び回っていた僕は、鏡に映る男子高校生の顔を見て溜め息を吐く。
「嘘じゃ無いんだよな。」
 
当たり前だが、天界の道具は何一つ無くなっていた。
 そして、僕の物と見られるスクールバッグの中には、スマートフォンと、一丁の拳銃が入っていた。

 拳銃、これで神を10人も...。と、ロキが思考していたその時
 「ブーッ」
 スマートフォンのメールの着信音がなった。
 ロキが慌てて電源を入れると

「ゼウスからメールが届きました。」


(2)地に堕ちた神へ
 ロキを含めた殆ど全ての神は、下界の人間な生活を面白おかしく見物していたため、
スマートフォン等の使い方は、大体理解している。
 初めて触るスマートフォンに少し高揚しつつも、メールを開く。

 ━手紙━

『堕ちた神達へ』

 堕ちてみた感想はどうかな、元神よ。10人の生け贄を捧げればすぐにでも帰還出来るが、もし、10人の生け贄をいつまで経っても見つけられなければ、君達はいつまで経っても下界から出ることは出来ない。私はそのくらいの犠牲は厭わない。
 
 このスマートフォンには、君達がこれから生きていく上での、ルールが書かれている。よく確認しておけ。

 また、君達には神様だったときの力を一つずつ授けたままでいる。勿論、普通の人間には、影響を与えることは出来ない。よく考えて使え。
 君達の改心を願っているよ。

 最後に一つ。これは懲罰だ。驚異は敵の神だけなんて、思わない方がいい。


 驚異は敵の神だけでは無い?まあ、後になれば分かるだろう。それより... 一つ能力が使える?空飛ぶ靴はなかった...ってことは
 ロキは洗面台の鏡の前まで行くと、自分の顔を見た。
 ──そこには、最初に見た男子高校生の顔とは、全く異なった女子高校生の顔があった。
 それを見て満足そうにロキは頷いた。
ロキは北欧神話の悪戯好きの神。変身は得意だった。

 「変身が使えるのか、よし、勝てるかもしれない。」
 少しの自信をつけたロキは、時計を見て、時間がギリギリなことに気がつくと、今日から所属する高校へ、走り出した。


(3)ゼウスの微笑
「ふん、ロキめ、嬉しそうな顔しよって。」
ゼウス以外、全ての神が居なくなった天界でただ一人、呟いたゼウス。
「忘れるなよ。これは、お前たちへの懲罰だと。」
 にやけたゼウスは、下界に刺客を落とした。

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