地に堕ちた神へ告ぐ

nohzu

1話 腐敗した神は

(1)悩み

 「おい釈迦、お前の持ってるそれなんだ?」
「ああ、ゼウス様。これですか?これは、人間たちの間で流行していた『はんどすぴなぁ』という玩具ですよ。」
 
 ここは、天界。地面は雲。池には蓮が浮かび、その向こうには、ギリシャ神が住む、神殿も建っている。この和洋折衷ぐちゃぐちゃな所で、全世界の神様は日々忙しく働いている──はずだったのだが。
 人間を常に導いてきたはずの神々は堕落し、それどころか、人間の文化に染まってしまっていた。
 現在、釈迦はハンドスピナーを回し、オーディンは道端で路上ライブを開いている。
 
「そういえば、この前は北朝鮮とかいう国の奴がミサイルを飛ばしてたな。」
「私達の所まで届くかと思ってヒヤヒヤしましたよぉー。」
「別世界なんだから、届く分けないでしょ。」
「それもそうですね。フフフフフフ。」
 つまらない。神達をここまで堕落させたのはなんだ?
 ゼウスは考え、そして──思い付いた。

「全神よ、今すぐに会議場へ集まれ。」

(2)ロキとポセイドンは割りと仲良し

 「ゼウス様は、一体なぜ私達を会議場に集めたのだろうか、ロキよ。」
 「ポセイドンさんが下界の食べ物食べたから、処刑しようと考えるんじゃないですか?」
 そんなことを言いながら、僕ロキとポセイドンさんは会議場の席に着いた。
 この会議場は、月に一度、全神が集められて、定期報告を行う場だ。ただし、ゼウス様の指示によって臨時会が開かれる時もある。それが、今回のような場合だ。 

 「おう、ロキよ。元気か?」
「シヴァさん、お久しぶりです。」
声を掛けてきたのはインドの破壊神、シヴァさんだ。
 「それより見てくれよ。今から、六個連続ハンドスピナー回しを披露してやるぜ」
 この人もハンドスピナーやってんのかよ。
と、雑談していたら──。
 「静まれ、神々よ。」

(3)怒り

 ゼウス様が入場し、会議場の議長席に着席した。
 「今回の議題はただ一つ!お前たちの堕落ぶりについてだ!!」
 「!?」
会議場にざわめきが走る。中々見せることのない、ゼウス様の怒り。会議場の外で、雷が嘶く。

「でも、仕方無いんじゃないっすかね。ゼウス様。」
 そう言ったのは、路上ライブのオーディン。
 「人間達はいつまで経っても争いはやめねーし、そりゃあ神だって飽きたって仕方無いですよ。」

 「だが、我々は導く立場にある。気安く見捨てて言い訳がない。それに、人間の文化に染まっているこのについては話が違うだろう?」
 「それは、人間の文化を体験して、あいつらの気持ちを謀ろうとしてて...。」

 「言い訳は要らんのだ!」
ゼウス様の言葉で会議場は静まり返る。そして、ゼウス様は叫んだ。

「今のお前たちには、人間を導く資格も上に立つ資格も無い!よってお前たちには──」


「人間に堕ちてもらう。」

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