ワールド・ワード・デスティネーション

抜井

11




 呉には良いところが二つある。

1、戦前から残る赤レンガの古い建物が多い
2、海に浮かぶ島の多くに橋がある

赤レンガの建物は爆撃されても修理が簡単だし、多くの島嶼には橋はない。





半年前、僕がそういったとき、あかりは首を傾げた。
「どうして島に橋が架かっていなければならないんですか?」
僕はしばらく考えた後、
「地理は得意?」と聞いた。
彼女は首を振った。
「担任の先生は地理担当なんだろう?教えてもらえばいいじゃないか。」と僕は言った。

「柏島」
しばらくしてあかりが言った。
「柏島?」と僕は聞き返した。しかし彼女はその日結局それ以上何も話さなかった。




柏島は橋が二つあるという点では優れているが、残念ながら呉にない。








「ワールド・ワード・デスティネーション」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く