ケーキなボクの冒険

丸めがね

その13



大ちゃんが白いシーツの上で目を覚ましたのは、翌日の昼。
ちゃんとベッドに横たわっていた。窓から明るい光が差し込み、空気が乾いている。

起き上がろうとしたものの頭が割れるように痛い。
大ちゃんはボーっとして、「学校に遅刻する・・・お菓子もっていかなきゃ・・・」と思った、が、
「ええっ!」一瞬で覚醒した。
両脇に裸の男が二人、眠ってる!!!!


ババっと記憶がよみがえる。小さいおじさん、リーフ姫、アーサー、オオカミの化け物、ハゲワシ、ジャック、ハルさん・・・・・・・・・


で、どうして裸の男たちに挟まれて眠っていたのか。
自分は・・・かろうじてブカブカのTシャツみたいな服を着ているものの、パンツもはいてない。

大ちゃんがハラハラしていると、アーサーが目を覚ました。困惑しきった大ちゃんと目が合う。
「あの・・・夕べ、ボク・・・何か飲んで眩暈がしたことまでは覚えてるんですけど・・・・・」


アーサーはニコリと笑った。
「あのあと、3人で楽しかったな・・・」
「!!楽しかったってあの・・・なにが・・・?」

アーサーは、大ちゃんの首筋を指さす。最初は何のことかわからなかったが、壁にかけてある鏡に映った自分の首を見て血の気が引いた。
紅い跡「キスマーク?!!」がある!



「うわああああ」
大ちゃんは泣きそうになった。やっちゃったのだろうか。そもそもアーサーはやる気でここに連れてきたのだ。
「こ・・・こんなのうそだぁ!しかも3人でって・・・覚えてないって・・・(しかも男って)」

「じゃあ思い出すためにもう一回・・・」
アーサーが動揺する大ちゃんにキスしようとしたとき、いつの間にか起きていたジャックが止めた。

「あまりからかうな。夕べは3人とも飲みすぎて、ただ寝ただけだ。」

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