皇太子妃奮闘記~離縁計画発動中!~
45話 ネネの回想 ※ネネ視点①
先日、私の主であるアリア様が長い旅からリンカーヌ王国へ帰って来られた。
無事で何より!と思っていたのに、最後の訪問先のママイヤ国で大変なことが発覚したのことだった。
私はママイヤ国出身のララベル様のご懐妊のことと思っていましたが、それよりも大変なことでした。
ララベル様のご懐妊はこちらではかなり話題になっていた。何せ初のルイス殿下の御子が出来たから、城内は凄いお祝いモードになっていた。
それによりララベル様の態度が増長したとかしないとか······。
本来なら最初に身ごもるのはアリア様だったでしょう。
ルイス殿下にかなり愛されていますし。
旅の道中もアリア様がよく起きあがれないことがあったとレイナの報告で聞いたわ。
避妊薬がなければきっと······。
この世界には避妊薬はない。たまたま私に異国の友達が出来て避妊薬があると知ったこと。アリア様がサマヌーン国の花嫁修行の勉強であることが分かったことによりそれ・・活用をすることになったのだ。
それはリンカーヌ王国に来る2ヶ月くらい前の事だった。
~~~回想~~~
「ねえ、ネネ。やっぱりルイス王子の所に嫁がないといけないわよね。」
「アリア様、もう婚約破棄をするのは難しいですわ。残念ですけど。」
アリア様は既に側妃が五人いるルイス殿下のところに嫁ぐのに頭を痛めていた。
「お父様に割りきれと言われてもね·····。割りきれない事ってあるわよね!」
そんなやり取りを何回もした。
だけどある日アリア様が興奮してお勉強から帰ってきた。
バターンッ!
「ネネ!」
アリア様は、ハアハアと息切れをしながら私の名前を呼んだ。
「アリア様!姫たるもの乱暴にドアを開けてダメではないですか!あと廊下を走ってきましたね!ペナルティですよ!」
「ネネ!そんな細かいことは気にしてはダメよ!それより、私、いいこと聞いたわ!」
アリア様はまた乱暴にバタン!とドアを閉めて椅子に座った。
「いいことですか?」
私はとりあえずアリア様の紅茶の用意を始めた。
「そうなの!結婚はしないといけないけれど離縁ならできるかもしれないわ!」
「離縁ですか!?」
私は思わず手を止めてアリア様を見る。
「ええ!ネネ!紅茶を入れる手が止まっているわよ!早くちょうだい!走って帰ってきたから喉が乾いているの!」
私は急いで紅茶を入れて、アリア様の前にティーカップを置いた。
アリア様は紅茶を2、3口飲んで口を開いた。
「ネネ、よく聞いてちょうだい。さっきリンカーヌ王国の勉強をしていて分かったことなんだけど、あまり知られていないリンカーヌの王族の決まりごとがあるの。」
「王族の決まりごとですか?」
アリア様は深く頷き話しを進めた。
「正妃は結婚して五年以内に子を授からないと離縁になるというと!」
「ええー!」
驚いた!
アリア様の話では、それは正妃のみ対象らしく、側妃は関係ないとのこと。正妃は一度結婚したら、はい離縁とはいかない。その点側妃は変えることができるからだ。
簡単に言うと、正妃は国の顔なのでそうそうに変えることは出来ないが、側妃は代わりはいくらでもいるということ。
先ほども申しましたが、正妃は国の顔。正妃は政治は勿論、次世代の国を治める御子を産むのも仕事なのだ。五年で御子を授からなければ、皇太子妃には不適合と判断され離縁という流れになる。
そして皇太子は次の正妃を他から新たに娶るか、側妃から選ぶことになる。
「婚約破棄は無理なら、離縁ならできるかもしれない!だから色々やってみるつもり。」
「例えば何をやるおつもりですか?」
「国王夫妻に嫌われるとか·····」
「それをしたらサマヌーン国に被害がでるかもしれませんね。」
「······まあ、思い付くものをやってみるけれど、効果的なのはルイス王子の御子を作らないことよ!」
でも実際は無理だと思った。閨を断り続けるなんてことできないと思うし。貴方の赤ちゃん欲しくないってはっきり言えないだろうし。そんなこと言ったら大変なことになるわね····赤ちゃんを作らない場合は男性の協力なしでは無理。
それを言うとアリア様はかなり落ち込んだ。落ち込んでその日の夕食も食べなかった。
私は異国の友達にそのことを相談したら、意外に早く解決した。異国の国には避妊薬というのがあって、ほぼその薬を飲んだら妊娠はしないということだった。友達はすぐにその薬を贈ってくれた。
そこから離縁計画が発動したのだ。
~~~~~~
そして現在に至る。
今は効果覿面みたいでアリア様は妊娠した様子はない。
このまま上手くいけば離縁ができる確率が高くなる。
離縁後は部下に譲られるか修道院行きになるのが普通だそうだ。だけど皇太子妃の要望があればそれが優先されるらしい。
アリア様には離縁後のことを聞いたら、それは離縁できてから考えるわと言われた。
どんな結果であれ、私はアリア様にどこにでもついて行くと心に決めている。
私はお腹の撫でながらお腹の中の赤ちゃんに言い聞かせた。
「勿論あなたも一緒だからね!」
無事で何より!と思っていたのに、最後の訪問先のママイヤ国で大変なことが発覚したのことだった。
私はママイヤ国出身のララベル様のご懐妊のことと思っていましたが、それよりも大変なことでした。
ララベル様のご懐妊はこちらではかなり話題になっていた。何せ初のルイス殿下の御子が出来たから、城内は凄いお祝いモードになっていた。
それによりララベル様の態度が増長したとかしないとか······。
本来なら最初に身ごもるのはアリア様だったでしょう。
ルイス殿下にかなり愛されていますし。
旅の道中もアリア様がよく起きあがれないことがあったとレイナの報告で聞いたわ。
避妊薬がなければきっと······。
この世界には避妊薬はない。たまたま私に異国の友達が出来て避妊薬があると知ったこと。アリア様がサマヌーン国の花嫁修行の勉強であることが分かったことによりそれ・・活用をすることになったのだ。
それはリンカーヌ王国に来る2ヶ月くらい前の事だった。
~~~回想~~~
「ねえ、ネネ。やっぱりルイス王子の所に嫁がないといけないわよね。」
「アリア様、もう婚約破棄をするのは難しいですわ。残念ですけど。」
アリア様は既に側妃が五人いるルイス殿下のところに嫁ぐのに頭を痛めていた。
「お父様に割りきれと言われてもね·····。割りきれない事ってあるわよね!」
そんなやり取りを何回もした。
だけどある日アリア様が興奮してお勉強から帰ってきた。
バターンッ!
「ネネ!」
アリア様は、ハアハアと息切れをしながら私の名前を呼んだ。
「アリア様!姫たるもの乱暴にドアを開けてダメではないですか!あと廊下を走ってきましたね!ペナルティですよ!」
「ネネ!そんな細かいことは気にしてはダメよ!それより、私、いいこと聞いたわ!」
アリア様はまた乱暴にバタン!とドアを閉めて椅子に座った。
「いいことですか?」
私はとりあえずアリア様の紅茶の用意を始めた。
「そうなの!結婚はしないといけないけれど離縁ならできるかもしれないわ!」
「離縁ですか!?」
私は思わず手を止めてアリア様を見る。
「ええ!ネネ!紅茶を入れる手が止まっているわよ!早くちょうだい!走って帰ってきたから喉が乾いているの!」
私は急いで紅茶を入れて、アリア様の前にティーカップを置いた。
アリア様は紅茶を2、3口飲んで口を開いた。
「ネネ、よく聞いてちょうだい。さっきリンカーヌ王国の勉強をしていて分かったことなんだけど、あまり知られていないリンカーヌの王族の決まりごとがあるの。」
「王族の決まりごとですか?」
アリア様は深く頷き話しを進めた。
「正妃は結婚して五年以内に子を授からないと離縁になるというと!」
「ええー!」
驚いた!
アリア様の話では、それは正妃のみ対象らしく、側妃は関係ないとのこと。正妃は一度結婚したら、はい離縁とはいかない。その点側妃は変えることができるからだ。
簡単に言うと、正妃は国の顔なのでそうそうに変えることは出来ないが、側妃は代わりはいくらでもいるということ。
先ほども申しましたが、正妃は国の顔。正妃は政治は勿論、次世代の国を治める御子を産むのも仕事なのだ。五年で御子を授からなければ、皇太子妃には不適合と判断され離縁という流れになる。
そして皇太子は次の正妃を他から新たに娶るか、側妃から選ぶことになる。
「婚約破棄は無理なら、離縁ならできるかもしれない!だから色々やってみるつもり。」
「例えば何をやるおつもりですか?」
「国王夫妻に嫌われるとか·····」
「それをしたらサマヌーン国に被害がでるかもしれませんね。」
「······まあ、思い付くものをやってみるけれど、効果的なのはルイス王子の御子を作らないことよ!」
でも実際は無理だと思った。閨を断り続けるなんてことできないと思うし。貴方の赤ちゃん欲しくないってはっきり言えないだろうし。そんなこと言ったら大変なことになるわね····赤ちゃんを作らない場合は男性の協力なしでは無理。
それを言うとアリア様はかなり落ち込んだ。落ち込んでその日の夕食も食べなかった。
私は異国の友達にそのことを相談したら、意外に早く解決した。異国の国には避妊薬というのがあって、ほぼその薬を飲んだら妊娠はしないということだった。友達はすぐにその薬を贈ってくれた。
そこから離縁計画が発動したのだ。
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そして現在に至る。
今は効果覿面みたいでアリア様は妊娠した様子はない。
このまま上手くいけば離縁ができる確率が高くなる。
離縁後は部下に譲られるか修道院行きになるのが普通だそうだ。だけど皇太子妃の要望があればそれが優先されるらしい。
アリア様には離縁後のことを聞いたら、それは離縁できてから考えるわと言われた。
どんな結果であれ、私はアリア様にどこにでもついて行くと心に決めている。
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