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全てを失った少年は失ったものを再び一から手に入れる

きい

7話 殺人犯幻舞!?全国6都市ストライカー殺人事件


 ー新潟、東京、愛知、大阪、福岡、沖縄ー


「これが火種となろう!六回目の愚か者どもによる…」

「うぁぁぁー」グサッ


 ー月島学園ー


「おはよう」

「おはようございます、会長」

「幻舞君、今日の放課後話したいことがあるんだけど、いい?」

「別に構いませんよ」

「じゃあ放課後ね」

 入学式から一週間、軍入隊試験まではあと二週間、楓と千鹿はひたすら実戦演習をし、確実に強くなった、拓相は幻舞に修行をつけてもらってたが…

「拓相、今日の放課後は会長に呼ばれてるから、千鹿と1on1をやっといてくれ、終わったら行くから」

「オッケー」


 ー放課後、月島学園生徒会室ー


「急に呼び出してごめんね、幻舞君」

「いえ、それで話というのはなんですか?」

「最近、全国各地で魔法闘士ストライカーが惨殺された事件が起こってるのは知ってる?」

「まあ、一応は」

「じゃあそれが全て、育成機関のある6都府県で起きてるっていうのも知ってるよね?」

「ええ、じゃあ今回の要件は、次に狙われる可能性があるここで事件を起こさせないでほしい、とかですか?」

「それもそうだけど…もしかしたら、幻舞君犯人知ってるんじゃないかなと思って」

「なぜそう思うんですか?」

 この時幻舞は、楓のあまりの勘の鋭さに、内心すごく驚いてた、しかし顔には出さなかった

「今まで殺されたストライカーがどんな人か知ってる?」

「いえ」

「軍はね、本部が東京にあって、その下の準本部が、北海道、新潟、愛知、大阪、福岡、沖縄の6箇所あって、さらにその下の支部が各都道府県にあるって感じなんだけど、本部と準本部では毎年、一人か二人特待生みたいなのをとってるの、例をあげれば幻舞君のことだね、それでその特待生はもうどこも決まったんだけど、今回の事件の被害者は全員その特待生たちなの、だから残ってる特待生はあなたを除いてはもういないから幻舞君はくれぐれも気をつけて!」

「あの、違いますよね?」

「どういうこと?私は幻舞君が心配だから…」

「いえ、それは確かにありがたいんですが、もう一度言いますね?なんで僕が犯人を知ってると思ったんですか?」

「ああそうだったね、ごめんね…根拠のないただの勘なんだけど、今年の特待生はそれぞれの場所で一人、幻舞君までとはいかないけど、部隊長レベルの腕利きの人達が入ったらしいの、でもその全員がやられちゃって、それも手も足も出ないほどの圧倒的な力で…それってまるで…幻舞君みたいだなって思って…」

「それで会長は、犯人は僕だと思っているんですか?」

「ううん、軍はそう思ってるみたいなんだけど私は違う、拓相に修行をつけてくれてたの知ってるし!でも…幻舞君に全く無関係とも思えないの、幻舞君ほど強い人なんて日本中、否、世界中探したっていないと思うの、だから何か知らない?」

「…」

「幻舞君?」

 幻舞は何かを考えてるようだったがすぐに口を開いた、思わぬ言葉と共に

「会長、軍の言う通り僕ですよ…犯人」

「え!?う、嘘だよね?」

「本当ですよ、どうしますか?捕まえますか?まあ、そう簡単には捕まりませんけどね」

 突然の宣告に、楓は驚きを隠せなかったが、幻舞は淡々と続けた

「それとBOSの件ですが、今回のことで取り消しなるようなことしないでくださいね、僕楽しみにしてるので、ましてや退学なんてことになったら、何をするか保障し兼ねますよ…他にもうないなら僕はここで行きますが、何かありますか?」

「大丈夫、だって私は…私は信じてるから!幻舞君はそんなことしないって」

「信じるも何も本人が言ってるんですが…じゃあ僕は行きますね、会長」

 去り際に楓は見た、幻舞がどこか悲しそうな目をしてたの、そして楓は聞いた

「ごめん会長、これは俺の問題だ、誰もこっちに来させるわけにはいかないんだ、不謹慎だけど、今回ばかりは感謝しなきゃな…」ボソッ

 その時、男は初めて出来た居場所を手放した


 ー月島学園、体育館ー


「ぐはっ!」

「ちょっとあんた、1年の主席私たちのトップなんでしょ?何回やられれば済むのよ…魔法も使わないで」

「よっ、随分ぼろぼろだな、拓相、戦績はどんな感じだ?」

「戦績も何も、もう何十戦もやって全部私の勝ちよ、あんたが修行つけてるんじゃないの?月島」

「じゃあ、見てみるか?修行の成果ってやつを」

「そんなのもうわかりきってるじゃん!」

「まあまあ、あと一試合やってみればわかるよ…拓相、ちょっとこっちに来い」

「ああ…で、どうすんだ?正直このままやっても勝てる気しねえんだけど」

「大丈夫…」ヒソヒソ


 ・


 ・


 ・


「待たせたな、千鹿」

「長い、すごい待ったんだけど…それに見合ったもの見せてくれなかった承知しないからね!」

「まあ期待してな、多分面白いもんが見れると思うぜ」

「頼れるもの、頼る…」ブツブツ

「拓相はさっきから何をブツブツ言ってんの?」

「さあな、そんなことよりも始めるぞ」

「まさか…」

(さて、どこまで気づいたか見せてもらおうか)


『let's strike on』フォーン


(鳳流固有魔法ドライより、<泡沫の舞ディスティレイション>)

「はぁぁぁぁ!」

「な、何なのこれ、急に!まさか、思考詠唱したの?でもこんだけなら」

 千鹿は、魔法を発動する暇なく、周囲を水泡に囲まれたが、それは数も少なく、感覚もまばらで、本来の魔法とは程遠かった

「まずい、これだけじゃ囲めてねぇ」

「<風の真剣カマイタチ>、<竜巻ハリケーン>合技、<荒れ狂う無数の刃チェーンカマイタチ>」

「ぐはっ!」


『ピー』


「私もあいつに教えてもらってたんだよね」

「おつかれ、二人とも、つっても拓相は完全にダウンしてんな…もちっと手加減してやれよ、千鹿」

「ちょっと月島、全部思考詠唱できるなんて聞いてないんだけど、なんでさっきまで使ってこなかったのよ」

「簡単に言えば、使えるようにはなってたけど、あいつは使い方を知らなかったんだよ」

「それにしてもあんた、拓相に“魔力干渉”のこと教えなかったでしょ」

「あいつはもっと感覚的な奴だと思ってたから、自分で気づくように修行を組んでたんだけどな…あいつ意外と考えるタイプみたいでね」

「要するに面倒臭かったと?」

「まあまあ、それよりもこれからは拓相の修行、お前と会長と一緒にやってもらえるか?これからは自分の修行で手が離せなさそうなんだ」

「うんわかった…月島、一ついい?入隊試験の時、見に来てくんない?それで、その時の成長具合で私と戦ってくんない?判断は月島でいいからさ」

「…それは無理だ、俺は軍をやめたからな」

「そんな、なんで?!」

「とにかくそういうことだ…それじゃ」テクテク

「ちょ、ちょっと!」

(頼れるものには頼れ、か…)


 ー数分前ー


「多分、お前はもう全部思考詠唱できるはずだからな」

「は?!俺まだ魔法属性もできないんだけど」

「それは自覚してないだけだ、だって俺がこの一週間教えてきたやり方じゃ、絶対にからな…拓相、お前は魔法に魔力を使うのは知ってると思うが、じゃあ魔力はどこで、どうやって、使われてるかは知ってるか?」

「そんなの…」

「まあ答えられないのは当たり前だ、学校ここでこれから学んでくことだからな」

「じゃあ幻舞はわかんのかよ!お前だって俺と同じ新入生だろ?」

「お前、俺が何でこんなこと話してるかわかってて言ってんのか?魔力は、詠唱によって起動、発動のそれぞれの段階で使われ、そのあと発動後の魔法の制御、操作にも使われる、普通、詠唱で魔力を使ってるのは無意識下だから、知らないのはしょうがないんだが、思考詠唱はこれの“発動”って段階を、詠唱に頼らず魔力のコントロールだけでやらなきゃいけないんだ、だから、俺はお前に修行をさせてたんだ、これは魔法じゃなく“SOS”だからな、魔法なんて発動できるはけないだろ」

「じゃあ、この一週間はいったいなんだったんだ!」

「言っただろ、お前はもう全て思考詠唱できるって…一昨日、お前は魔力を放ててた、それを魔法の発動段階で使ってやればできる」

「そんなこと言われたって具体的にどうやれば…」

「じゃあ特別にヒントをやる…拓相、頼れるものには頼れ!俺から言えることはこんぐらいだ、あとは自分で考えろ」

 帰路についた幻舞は、自分の言った言葉を思い返していた…幻舞にとって、頼れる人とは千鹿や楓たちなのか、それとも“あいつら”なのか…“あいつら”とはいったい誰なのか、敵か味方か

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