異世界転生者〜バケモノ級ダンジョンの攻略〜

海月結城

蹂躙

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 夏休みに入ったので、早めに投稿します。



「ダンジョンから帰ってきて、気持ちよく寝てたのに。邪魔するなんて!」

 私は、眠たい身体を走らせながらギルドに向かっていた。そして、ギルドに着くと。

「今回は、こんなに朝早くに集まってくれたことに感謝する。そして、後、1時間もすればこの街に約10万の魔物の軍勢が迫って来る。そこで、お前達には、そいつらを殲滅してもらいたい。ここで、戦うのも、逃げ出すのも自由だ。だが、みんなが好きなこの街を守ってもらいたい!だから、頼む。この街を救ってくれ!」

 クルーズさんが、冒険者に向かって頭を下げながら熱弁をしていた。

「当たり前だろ! 俺もこの街が好きだからな、俺は戦うぞ!」
「あー! 俺も戦うぞ」

 そして、みんな口々に参戦する意を唱えていた。

「そうか、みんなありがとう! では、今から西門へ向かう! みんな、生きてこの街を守るぞ!」
「「「「「おーーーーーー!」」」」」

 そして、西門に着き、私は門の上から魔物の軍勢を眺めていた。

「あれが、私の眠りを妨げてくれた魔物か」

 私の眠りを妨げた魔物は、万死に値する!
 そこで、一旦門の内側に降りた。すると。

「おいおい、なんでこんなところに迷子の子供が居るんだよ? お子様は、家に帰っておねんねでもしてな」

 カレンの身長は、143cmで、子供に見られてもしょうがないが、今のカレンは機嫌が悪いので、殺気が抑えられなかった。

「五月蝿いです。ちょっと下がっててください」

 その言葉を聞いた、絡んできた冒険者は顔を青くして、腰を抜かして立てなくなっていた。そこに救世主が現れた。

「おい! この大変な時に喧嘩なんてするな!」

 やって来たのはもちろんギルマスのクルーズさんだ。

「なぁ、カレンよ。何で怒ったか知らないが、その鬱憤うっぷんを魔物に向けてくれると、ありがたいな」
「わかりましたよ。そこの人、命拾いしましたね。クルーズさんにお礼、言っといてくださいね」

 ちょっとした騒動があったが、後10分で、魔物が街に着く距離まで迫って来ていた。

「冒険者の諸君! この街を必ず守り抜くぞ! 生きて、生きて帰って来るぞ!」
「「「「「おーーーーー!!!」」」」」

 そして、始まった、冒険者VS魔物の軍勢。

 最初は、冒険者のやる気があり、士気も高かったが、戦いが始まり約2時間、魔物の数が目で見て全然減る気配がない。そのせいで、冒険者にも疲労が出てきた。

「ちくしょう! なんで、こんなに多いいんだよ! 普通はこんなんじゃないだろう!」

 その通り、これは何かがおかしい。カレン以外の全ての冒険者が思っていた。普通は、10万の軍勢だとしても、こんだけの時間倒してきたのにまるで減る気配がないのだ。逆に増えていると思うようなものだった。

「あのー、クルーズさん」
「どうしたんだ、こんな時に」
「実は、奥の方に魔物がどんどん出て来る何かがあるんですよ」
「っ!? それは本当か!? もし、それを無効化できたら」
「カレンよ、それを無効化しに行けるか?」
「もちろんですよ! じゃ、行ってきます」

 まるで、街に買い物でも行くような、そんな雰囲気を出しながら魔物の軍勢に立ち向かって行った。

「まずは、こいつらをどうにかしないとな」

☆☆☆

 そこで、俺はあり得ないものを見ていた。140cmぐらいの女の子が魔物を次々と倒して行くのだ。口に笑みを浮かべながら、魔法で吹き飛ばしたり、潰したりしながら。時には、剣とは違うもので、切り刻んだり。その姿は、まるで、修羅だった。だが、この女の子のおかげで助かったのは言うまでもない、お礼を言おうと口を開けようとしたが、力が入らず喋れない。そして、その子は、どんどんと魔物の中心に向かって、走って行った。

☆☆☆

「ここが、あの場所だよな」

 そこには、転移の魔法陣が地面に描かれていた。ここから魔物が出てきていたんだろうな。

「ほう、ここまで来れる奴が居るとはな」
「誰!」

 後ろを振り向きそこにいたのは、フード付きのコートを目元までかぶった人間だった。

「こんなところで何やってるの?」
「見てわかるだろう、あの街を潰すためにここで魔物を生み出しているのだよ」

 わかっていたけど、こいつが犯人か。

「だったらここで投降してくれないかな?」
「何を言っているのだ? 投降? ふざけないでくれるかな? ここは、君の死地だよ。だから、死ね」

 そう言って、普通の人間ではあり得ない量の魔力を使い、氷魔法を放ってきた。それを、私は片手を前に出し全て握りつぶした。

「本気ですか?」

 その言葉を聞き、相手は驚愕を隠せないようだった。

「そんな、あの方から・・・・・貰った力を使ったんだぞ、なぜ!? お前は……何者だ?」
「そんなの敵に教えるわけないでしょ? だから、バイバイ」

 そう言って、私は、奴の身体の中の血を沸騰させて爆発させて倒した。

「さて、この魔法陣どうしようかな?」

 そこで、新しい魔法を作った。

(イメージして、この魔法を打ち消す魔法を)

「『デリート』」

 そうして、軽快にガラスが割れるような音と同時にその魔法陣は消えた。
 そこからは、冒険者のみんなも魔物が減ってきたのが分かり、士気が戻ってきた。

「後少しだ! 頑張るぞ!」

 だが、そこに冒険者の活躍の機会を与えられることはなかった。

「待って、あれって」

 誰かが、そう呟いた。
 カレンが前から戻って来たのだ。魔物を倒しながら。
 そして、カレンが戻って来た時にはそこには、魔物の死体が、転がっていた。

「いやー、いいものを手に入れたよ」

 カレンが独り言を言っていると、

「おい、カレンよ何をしてくれた!」
「え? 何って魔物を倒しただけだけど」
「お前は、こいつらの活躍の場を奪いおって!」

 その時カレンは思った。
(あの魔法陣、私が壊さなかったら、今もこの場は戦場だったのに。理不尽だ)

「そんなことを知りませんよ。弱いのが悪いんじゃ無いですか?」
「いや、まぁ、そうなんだ......」
「それじゃ、奥であったことを伝えるので、ギルドに行きましょうか」

 そして、全てをありのまま伝えた。

「そんなことが、さっきの発言、申し訳なかった。お前が一人でなんでもしちまうから嫉妬したのかもしれない」
「ま、わかればいいんですよ。それじゃ、今回倒した魔物の死体、あなたに預けるので、好きなように使ってください。これ以上魔物の死体は知らないので」

 その後、ギルドでは宴会が開かれたが、この街を救った英雄がいないことで、本当の意味であまり、盛り上がらなかった。盛り上がらない原因をつくったギルマスは、相当罵倒された。
 そんなことが起きてるとは知らないカレンは悩んでいた。家を買うか買わないか。




マジで、単調になって来た。どうしよう!
何かスローライフをさせてやりたい!
次の回は、変化をつけさせてみせます。
お楽しみに〜

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