こんな俺でも愛してくれますか

UAI

27話 ナイトメア その2

「バレてしまえば恥をかく...」

(うるさい、寝てたのに。)

「あなた、どうするの?」
「今、考えておる。」

中に入って夜のこと、メアはそのまま寝てしまっていた。

(家族か...面白いもの、見れるかな。)

コンコンとノックされ、部屋に入った。

「メリー、少しいいか?」
「はい。」
「遅くにすまんな、メリー。」
「大丈夫です。....そのなんですか?」
「誕生日を祝おうと思っとるのだが...」

(誕生日かぁ、僕はいつだろう。)

考え込んでいると、だいたいは話が終わっていた。

「そのことだけだ、おやすみ、メリー」
「はい、おやすみなさい。お父様。」

(大事な部分を聞き逃した。)

ショックを受けていると、ため息が聞こえた。

「私に、魔力があったらな。こんな感じにならなかったのに。」

(魔力がない、そんな人間いるの....でも、面白いかも。)

レスタンの身体から離れ、メリーの部屋へと移動する。そして、メリーに向けてこう言った。

「そんなことないさ。あんたにも魔法を使わせてあげるよ。条件付きだけどね。」

(これで、興味を持つはず。)

「お願いします。魔法が使えたら、お父様もお母様もきっと喜びます。」

(つれた。)

「いい返事だ。私を取り込むことが条件だよ。」
「どうやってですか?」

(やり方、わかんないや。目閉じればなんとかなるかも。)

「簡単さ、目閉じて。」
「う、うん。」

(警戒しないのかな?けど、入りやすい。)

目を閉じている間に、メアはメリーの中に入っていった。


翌朝、メアは早くに目を覚ました。

(人の中には、感情が色々あるから楽しいな。)

「お父様、お母様、私にも魔法が使えます。」

(いきなりだね。)
(早く見せたいんです。)

「なんだと。メリー嘘をつくでない。」
「メリー、嘘は、ダメですよ。」
「嘘じゃないもん。見ててね。雷よサンダー
「「....」」

(あ、すごく疑ってる。)

「もう一度教会え行くぞ。」

(また、あそこか。それじゃ、神父を...)

そこから、メアはメリーの身体から抜け出し、先に教会へ向かった。

「どうも。」
「誰ですか?あなたは。」
「誰でもいいですよ、それじゃ、ばいばい。」

メアが目の前に来て、神父の魔力を奪った。そして、ドサッと崩れ落ちた。

「この頃、やってなかったからな。やっぱり、少ないな。」

「神父よ、いるか。」

(まずい、戻ろ。)

メアは、メリーの中へと戻った。
メリーは、事件があったので先に帰らされた。

この時、メアはどうやって絶望させるかを考えている、その時だった。

「わかりました。...そういえば、聞こうと思ってました。」
「何をですか?」
「メリーさん、誰かと契約してますか?」

(なんだ、こいつ。)

「契約ですか?...いえ。」
「そうですか、いきなりですいません。」

(たまたまだよね、流石に。)

そして、メアは動いた。

「レスタン」
「何者だ。」

(警戒するよね、でも...)

メアは、一枚の写真を渡した。

(あの時、とっさにとってよかった。)

写真を渡したあと、一言言って去っていった。

「これで、整った。」

そして、メリーが両親から呼ばれ、訓練場へと呼び出された。

(この国のことは、ちょこちょこ調べてだからね、魔女がいてはならない、これを使えば。)
 
「証拠ならある。メア..と言ったな。」

(これで、壊せる。)

「はい。レスタン様、この者はあの夜、神父から魔力を吸い取り、我が物にしました。」

(壊れていくのが見える、どんどんと壊れていくよ。仕上げだね。)

するりと、メリーの中に入った。

(しっくりくるなぁ....さぁ、殺しの時間だ。)

「やってしまえ。」

レスタンの合図と共に、兵士がメアに向かっていった。たが、一瞬にして兵士は倒れた。

「何が、起ったのだ。」
「レスタンさん、一つ聞きたいんだけど。」

と言いながら、1人また1人と兵士を殺しながらレスタンのところに向かう。そして、最後の1人を殺したあと、レスタンが腰を抜かた。

「ねぇ、娘から殺される感じどう?」
「やめてくれ。金か、欲しいものならくれてやるから、命だけは。」

(自分の命のためなら、命乞いか。)

「なんか、飽きた。それじゃ。」

レスタンの首を切る瞬間、メアめがけて炎が飛んできた。

(あと少しだったのに。)

「なに邪魔してんの。」
「こっちの台詞だ。」

炎が飛んできた方向を見ると、夕方に声をかけてきた男だった。

(なんで、あいつが。こうなったら...あれ、いない。)

後ろから、気配を感じた。

「あとちょっとで捕まえられたのに。」

(なに、あの速さ。)

「あんた、誰?」
「おいおい、知ってるだろ?メリーの中に居たんだから。」
「なんでそれを。」
「俺も、おんなじの飼ってるから。なんとなく。」

(おんなじ?そんなこと、あるわけない。)

「なんとなくで当たるもんじゃないだろ。」

(こうなったら、早めに、終わらせる。)

メアが、ギンの間合いに入り、至近距離での魔法の発動。

(これは、死んだな。)

と、思ったが...

「なっ。無傷だと。」

(なんで、完璧に当てたのに。)

「あぶねー。絶対防壁リフレクターを展開しといて正解だった。」

(次こそ、殺す。)

「この...」

(あれ、動けない。これは...魔法、違う、別のモノだ。)

「この、拘束をとけ。」
「話でもきけよ。...お前さ、闇が欲しいだけだろ?」

(なぜ、こいつには、わかるの?)

「図星か?..ならさ、俺のとこに入れよ。」
「なに言ってるの。」
「俺は、闇が多いぞ。お前にならわかるはずだ。」

(ほんとだ、すごい。深くてなにも見えない。)

「そうだな....で、私に利益は?」
「お前の闇に飲まれたら、俺の力を使っていいよ。」

(なるほど、私がみたのは、これか。)

「いいだろう。入ってやる。だが、なぜ消さなかった。」
「親の前、娘をやるのはどうかと思っただけ。」
「そうか。」

(私が、間違ってたのかな。あと、この喋り方にしよう。こっちが楽だな。)

それからは、メリーの周りの人の記憶が消され、翌朝、男はメリーに挨拶をして、外に出た。

(ねぇ、名前は?)
(ギン・レックスだ。)
(私は、ナイトメア。メアって呼んでね。)
(口調、変わってるぞ。)
(こっちが楽なんだよ、人の勝手だよ。)
(人じゃねぇーだろ、メアは。)
(そうだった、で、これからは。)
(学校あるし、帰る。)
(そ、私寝る。)





「まぁ、そう言った感じかな。結局、私が何者なのか、分からずじまいだったけど。」
「それは、あとあと決めれがいいんじゃない?」
「そうです。」
「それもそうか。」

話が終わって、時計を見る。夜中の2時を回っていた。

「寝る?」
「そうですね。」
「メアさ、メアはどこに寝るんですか?」
「ギンくんと一緒にかな。」
「「それは、ダメです。」」
「正確には、ギンくんの中だけど。」
「そうでした。」
「なるほどです。」
「じゃ、明日。頑張ろうね。」
「はい、おやすみ。」
「おやすみなさいです。」

こうして、メアのことについて話、明日に備えて、眠りについた。





次は、デート編やで。




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