最強の侍は弟子をダンジョンで鍛えるそうです

ねむ

第3話

これからはもう少し字を多くできるよう頑張っていこうと思います。作者より




「じゃあフユ、行こうか。」
「はい!」
フユの準備が整ったところで俺たちはダンジョンへと歩いて向かう。
その間にも俺たちは鍛練を始めた。
「フユ、練魔・・をしてみて。」
「えーと、こんな風でしたっけ?」
そういいながらフユは身体の中で魔力の流れを作り、魔力を高密度化させていった。
「出来てるね。じゃあそのままの状態を保ってて。」
「えぇ!?これだいぶキツイんですよぉ!」
練魔・・・身体の中で魔力を循環させ、身体の中心に魔力を集め、練り、高密度化させる技術。
練魔をするかしないかでは魔法を使った時に天と地の差がでると言われているほど魔力を扱う上での基本技術だ。
今フユにやらせているのは練魔の持続。
これがどれほど長くられるかによって勝負は決まるといっていいほど基本的なことだ。
「じゃあそのまま纏魔・・をして。」
「イエッサー!」
元気な娘のことは置いといて、
纏魔とは身体の中に留めていた魔力を身体の外に放ち、身体に纏わせる技術だ。
纏魔を行うことにより、自分の攻撃力と防御力を大幅にあげることができる。
それに加え纏魔を行い、纏った魔力を一部に多く集めたりなど動かす技術を操魔・・という。
操魔によって拳に魔力を集中させ、殴ったりすると絶大な攻撃力を誇る分、他の部分の魔力が少なくなり防御力が落ちるというマイナスな面もある。
と、説明してる間にフユは黙々とやっていたが額に少し汗をかいていたので終わらせた。
「前より上手くなってきたね。毎日しっかりやってる証拠だ。」
「やったぁ!」
「これからも頑張っていこうね。」
「はい!クロノス様!」



その後ある程度歩くとギルド本部の入り口が見えてきた。
ダンジョンはギルド本部の奥にあり、もしモンスターが出た場合ギルド職員や、その場にいた冒険者が対応している。
「フユ、装備の最終確認だ。」
「はい!ポーションと軽食、それと妖刀・氷河・・  ・・も持ってきました!クロノス様も刀は持ってきてますもんね。」
「うん。忘れ物はないね。行こうか。」
そういい俺たちはダンジョンに入っていく。
表層・1階層
モンスターはさほど強くなく、武器の扱いがしっかりできるものなら簡単に敵を倒せる階層だ。
俺たちは表層程度のモンスターじゃ、相手にならないためどんどん下へと進む。
表層・2階層
1階層は少し土で出来たダンジョンで、さほど大きくなく、モンスターも少ないが、2階層からは雰囲気がガラリと変わる。
2階層は、下が芝生で木も周りに生えていて、広い。
だが、あまりモンスターは出ないためゆとりを持って行動することができる。
1階層以外の表層は全て2階層から同じような作りなっている。

そのまま俺たちは進んでいき、7階層へと着いた。
周りには多くの冒険者がおり、何か獲物を狙っているような者たちばかりだった。
「あれはたぶん、、、階層主守護者ドロップアイテム戦利品を狙ってるやつらだろう。」
「階層主が産まれるのを待っているということですか?」
「たぶんな。階層主の魔石とドロップアイテム戦利品は高く売れるし、良い武器・防具になるからな。」
「クロノス様!私ちょっと階層主見たいです!」
「うーん。フユなら倒せるくらいのレベルのモンスターだぞ?」
「見たいです!!」
フユは見たいと駄々をこねる。
まぁいつも鍛錬ばかりだから今日くらい折れてやるか。
「ふぅ。わかった。でも、戦うんじゃないぞ?他の冒険者の邪魔になるからな。」
「わっかりましたぁ!」
「ちょっと心配だなぁ・・・」
そんなことを話してると突然ダンジョンの壁に亀裂が走った。
その亀裂は縦に入り、次第に横にも広がっていく。
「お前らぁ!!準備しろぉ!!」
階層主を狙っている冒険者の集団の中のリーダーらしき1人が大声を上げ、数人の魔法士らしき者たちが魔法の詠唱を始める。
その間にも亀裂はどんどん広がっていき、壁が破壊される。
破壊された壁から現れたのは木で出来たような巨人だった。
表層・7階層階層主守護者エントリアス
体が木で構成されており、体長は5m程度。
知能はあまり高くなく、近くにいる敵や脅威とみなした敵ばかりを狙う。
正直言って上層までいける冒険者が3人入れば勝てるよう相手だ。
それを知ってのことかエントリアス階層主と戦う冒険者は前衛3人がエントリアス階層主の注意を引き、中衛2人が前衛のサポートをし、後衛5人が魔法を撃ち込むといった具合でうまく連携をとって戦っている。
「おぉ!クロノス様!あの人たちの連携凄いですよ!」
「あぁ。お互いを信頼し合ってるからうまく立ち回れるのだろう。俺たちもあんなのが出来たら良いな。」
「クロノス様はそう言ってますけど、いっつも1人で倒してますよね!」
「いやまぁ、あのな、、、うん、、、弱いのが悪いんだよ。」
「その考えはおかしいんです!」
とまぁ話しているうちにエントリアス階層主はボッコボッコにされもう倒されるようなところだった。
だがそこで前衛が1人、体勢を崩し転びそうになる。
敵も気づいたのか体勢を崩した前衛を狙う。
体勢が崩れている前衛は避けることができず、エントリアスの攻撃が当たりそうになる。
「危ない!!」
そういい、フユが刀を構え走り出そうとするが俺はそれを止める。
どうして!?という顔をこっちに向けるが俺は戦っている冒険者の方から目を離さなかった。
体勢を崩した冒険者を狙ったパンチは中衛によって防がれていたからである。
パンチをする瞬間、中衛が間に入り込み、いなしていたからだ。
そしてすぐさま数人の魔法士が魔法を撃ち込み、よろめいたところに前衛が剣を振り下ろす。
かなりの魔力を込めた振りだったのか近くの地面が抉れるような力だった。
その一振りでエントリアス階層主は絶命し、灰へとなっていった。
その灰のなかには1つの魔石があり、残念ながらドロップアイテム戦利品は無かった。
ドロップアイテム戦利品は確実に出るというわけではないため、何回も戦う必要がある。
まぁあのパーティーなら負けることはないだろうし、すぐ集めれるだろう。
と、そんな間にフユは刀を下ろしこっちを向いてきた。
「なぜ、クロノス様はあの場面であの人たちがやられないとわかったんですか?」
「わかってたわけじゃないけどあれほどの連携が取れるなら、あれくらいの事態じゃ取り乱さないと思っただけだよ。」
とまぁ、説明し、俺たちは14階層に向け走っていった。

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