名探偵の推理日記〜仏のしらべ〜

耕一

エピローグ

 ピアノの音は遠くまで響き、沈みゆく夕日が虚しさや悲しさを演出していた。たった1分が10分のように感じられた。
「ショパンの別れの曲。」
声の方を向くとそこにはどこかで見たことのある顔があった。
「あの人、孝花君のお母さんだよね?」
朱莉が俺に聞いてきた。
「別れの曲は"悲しみ"という愛称で知られているけど、フランス語圏では"親密"と呼ばれることもあるの。きっと智はそれを伝えたかったのよ。」
孝花のお母さんだと思われる女性はそう言って俺たちの方をみた。
「私、智の母です。正確には里親なんだけどね。ねぇ、私から1つお願いしてもいいかしら?」
「は、はい。」
俺たち3人は戸惑いながらも返事をした。
「あのね、智のことを忘れないでほしいの。智はもういない。けど、永遠の友であってほしい。わがままかもしれないけどお願いね。」
智のお母さんはそう言うと涙を流しながら、帰っていった。
俺たちは智の永遠の友達。形こそないけど、俺たちは硬い絆で結ばれていた。

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