名探偵の推理日記〜仏のしらべ〜

耕一

第9話『計画の始まり』

 ピアノの音をたどって行くと、そこには大きな洋館が建っていた。
「こ、こ、ここは2年前の夫婦殺人事件の現場じゃないですか!!」
へっぽこ刑事が声をあげた。
「なるほど、孝花君はあの夫婦殺人事件で被害者だった夫婦の唯一の息子だったんですよ。おそらくその事件の犯人は今回の事件の被害者である早川さんと源さんで、それを知った孝花君が怨みを晴らすために今回の事件を起こしたんですよ。」
松本さんがそう言うと、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「見事な名推理ですね。松本さん。あなたが言う通りです。僕は聞いてしまったんです。2人の会話を。源のやつが、自首しようって切り出してたんですけど、早川がそれを許さなかった。だって、今自首されたら医師である早川の立場がなくなってしまいますからね。惜しいことをしたものですね。素直に自首していれば殺されずに済んだのに。そうそう、言わなくても分かるとは思うけど、ラジカセは全てリモコン操作だから。2回目の事件にclass1のスピーカーを使ったのは遠くから操作したかったからだよ。それじゃあ。」
俺たちは洋館の屋根の上で包丁を握っている孝花を見つけた。
「もう遅いよ。止めたって無駄だから。俺はここで死ぬ。」
孝花はそう言うと、自分の胸に包丁の先を突きつけた。
「やめろ!!!しっかり罪を償っ……」
俺がそう言いかけると、孝花は自分の胸に包丁を突き刺した。それから、まるで無邪気な子供に放り投げられた人形のように、屋根の上からゴロゴロと音を立てて落ちてきた。

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