兄妹は異世界でも無敵だそうで

ノベルバユーザー213093

兄妹は異世界でも無双するそうです

とある街の一番大きいなゲームセンターでゲーム決勝戦が行われていた。
ゲーム内容は銃あり剣ありのバトルゲーム。コンピュータを使い装備は開始前に配られた1人10000G。(5Gで弾丸10買える)決勝では2対30で圧倒的な試合になると思われた。事実その通りになった。
「にいに、南西、南東、北、上、10秒後」
「おけ。弾丸あとどれくらい?」
「90」
「じゃああと10人で4人倒したから6人っと」
「訂正、あと4人」
「じゃあ2人ずつな」
「んっ」


そう、事実圧倒的な試合になった。2人だけのチームが30人いるチームに圧倒的に勝っているのだ。1人の純白の髪の8才くらいのオッドアイの少女は腰に手榴弾を3つ、開始からの5000Gのスナイパーライフルを構えスコープを凝視。さながら的確な指示を送り確実に残りの敵にヘッドショットを決めている。もう1人の兄と思われし妹と同じ白髪をした赤目の少年はこちらも腰に手榴弾を3つと短剣、手に1000Gの長剣を持ち残りを倒す。
「コングラッシュレーショーン!winner、『K&S』」
無機質なAIの声が響く。同時に会場内が大きな歓声に包まれる。
「いやー素晴らしかったですね。妹さんの方は帽子を被ったままでも見事な狙撃でした。最後までお2人とも一ダメージもくらわずにで倒しきりましたが何か作戦があったんですか?」
「いいえ、ぶっつけ本番です。そこまで褒めていただき光栄です」
ニコッと笑う。レポーターの人が顔を真っ赤にしている。
「にいには、発言に、きよつけるべき」
「えっ、なんで?」
景品のトロフィーと商店街の一回タダ飯券とシャチのぬいぐるみを貰う。
「まぁ、許す」
やれやれという顔をしているが等身大くらいのぬいぐるみを抱く様子はなにより嬉しそうだ。
「雪凪、感じたか?」
「もち、タダ券から、一瞬だけ、反応」
「視えるか?」
帽子を深く被り直し小さく頭を横に振る。
「視え、ない。こんなこと、初めて」
「ふーむ、雪凪でも無理か。とりあえず一旦家に帰るぞ。」
一度整理するために家に帰ろうと外に出る。



外は真っ暗闇だった。
上を見上げれば星々があり小さな球体が大きな球を中心に回っていた。
「どこだここ?」
「推測、店を出た後0.1秒間の浮遊感、その後意識なし」
「んー、無駄だと思うけど一応やるか」
上の球体が揺れる。赤目が先ほどより強く光輝く。目の前に大きな竜巻が発生している。竜巻は前へ前へと進みそのうち見えなくなっていった。
「やっぱダメかー」
「手順、サボるから」
「んーまぁいいだろ。さっきから覗いてる奴ら、出てこいよ」
「もう、飽きた、の」

「バレてるってパラ」
「そうみたいだねレル」
クスクスとどこからともなく笑い声が聞こえてくる。
「レディースアンドジェントルメン!」
「ようこそ、私たちの空間へ!」
明かりがパッとつきお揃いの服を着た顔の似た少年少女が立っていた。
2人はアハハハハっと笑いながら舞台上を回っていた。とりあえず牽制に一発打とうと手を出す。手から水の塊が出てきまっすぐ飛んで行く。
「いきなり打つなんてひどーい」
「まだなにもしてないのにー」
「「ねーー」」
背後から声がする。
「ここ、移動、させたの、あなたたち?」
オッドアイを光らせ見つめる。
「で、俺らに何のよう?」
「まあまあ、自己紹介でもしようよー」
「少なくとも私達はあなた達を知ってるけど」
「僕の名前はパラ」
「私の名前はレル」
「見ての通り双子でーす」
「神様やってまーす」
「いや、そんなノリで言われても……」
「理解、不能。けど、それなら、見えなかったことに、納得、いく」
「こっちは自己紹介したんだからそっちもしてよー」
「はやくはやく」
「はいはい、俺は楠乃祈架李。んでもってこっちは」
「妹の、雪凪」
「もっと話してくれたっていいじゃん」
顔を膨らませる。
「余計な情報、教えない。ここに連れてきた理由、早く教える」
「わかったよー」
「えーとね、さっき神様だって言ったじゃん。僕達神様は1人につき1つ宇宙を持ってるんだ」
小さな惑星を飛ばし周りの惑星に当てていく。
「それでパラが君たちがいた宇宙の神様。私はその宇宙の双子の宇宙の神様。そっちが近未来の世界なら私の世界は魔法が使える。ゲームの世界みたいに魔王がいるよ」
「君たちは本当はレルの世界に生まれるはずだったんだけど僕達の姉が間違えて僕の世界に送っちゃったんだよね」
「君たちも感じてたでしょ?周りの人よりも特殊な人間だって」
「最近やーっとお姉ちゃんが気づいて……本当はもっと早く迎えに来るべきだったんだけどなかなか時間が取れなくってー」
「神様がそれでいいのかよ………」
「要約、全ての元凶、貴方達の姉」
「「正解」」
息ピッタリに言う
「で、その姉は来てないわけ?」
「今はねーお兄ちゃんに絞られてる」
「でね、君達2人には異世界に行くかこのままこっちの世界に残るか選んで欲しいの」
「もちろん、残るなら君達を普通の人間にするよ」
「何言ってんだよ神様、いくに決まってるだろ」
「こんなチャンス、人生に、もうない」
「そう言うと思った」
やっぱり、という顔をしながら見つめ合い笑い合う。
「せっかく異世界に行くんなら目標1つくらい決めなきゃな」
「じゃ、軽く」
「「魔王討伐ってことで」」
「あはははは、やっぱり君達って面白い」
「そうこなくっちゃ」
腹を抱えて笑い転げる。
暗闇の中に光が入り込む。
妙な浮遊感があり天井ーー今は床に着地する。床がどんどんと消えていく。
「はは、こりゃ面白い!ありがとなー」
「でしょ。あっ、言い忘れてたけど魔王200体くらいいるから頑張ってね」
最後にイタズラな笑みを浮かべて2人の神様は消えていった。
「さあー雪凪、なんか聞きたくないこと言って消えていった気がするけど頑張るぞーー!!」
「にいに、真実。魔王、200体はいる。死ぬまでに、全員殺せるかな……」
最後に残していった爆弾で上がっていたテンションが少しだけ下がった。

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