【実話小説】出会い系シンドローム
第1章:動機
僕は普通の高校生だった。
ただちょっと他人よりは性に対する興味が旺盛で、でもそんなに身体を動かすのが好きではなかったので、部活に明け暮れるような事もなく学校が終わると電車に乗って早々と帰宅する日々を過ごしていた。
時々帰り道にある大きめの本屋に立寄り、「成人雑誌コーナー」をチラチラと見てはその表紙が気になり、読む気なんて全然ないTV番組雑誌を手に取っては人が立ち去るのを待ってからパラパラとめくり、その内容にちょっと興奮するような小さいドキドキ感を味わっていた。
今日も本屋で人目を盗んではA4サイズのエロ本をパラパラとめくっていると、目に飛び込んで来た大きな記事。
「悪用禁止!淋しい女と簡単に出会える・ヤレる!その方法を完全公開!」
そんな衝撃的な内容を見せられて誰が見過ごせというのか。
これまでは人の気配を感じるとどんなに読んでいても素早く棚に戻し、それこそ口笛を吹くような勢いだったが、今日の僕はどうしてもその本を棚に戻せないでいた。それだけ高校生の僕には興味をそそる内容だったのだろう。見出しだけ見て家に帰るなんて出来ない。
確か数人が背中を通り過ぎていた気がするが、制服姿の僕が読む内容なんてどうせ通りすがりに読める訳が無い。大きく拡げないで小さく拡げ、その記事を熟読していった。
最後に書いてあった電話番号。#から始まる番号なんて初めて見た。でも4桁なら覚えられる。
僕は呪文を唱えるように#8501とつぶやきながら、そそくさと本を棚に戻し、急いで出口に向かうと自転車に跨がり公衆電話を目指した。いつもなら道を訪ねる人がいたら絶対に無視しない位人の良い僕だが、今日だけはごめん、いても無視するよという気持ちで。
どうしてこういう時には公衆電話が何処にあるのか分からないんだろう。
毎日毎日通う通学路なのに景色の一部になってしまっているのか。
赤色。
いや、黄色だ。
いや違う、テレホンカードが使える緑の奴だ。
しかも誰にも会話を聞かれないようにしっかりとした電話ボックスがいい。
そんな事を考えていたらさっきの番号を忘れてしまいそうだ。
ほどなくして目の前に目的に合致した公衆電話が現れた。
望み通りガラスで4面囲まれていて、会話だって外からは聞かれはしない。
とても悪い事をしているような気持ちと興味が交錯する。
そんな思いを胸に公衆電話に入ると、素早くカードを入れ、ダイヤルした。
ただちょっと他人よりは性に対する興味が旺盛で、でもそんなに身体を動かすのが好きではなかったので、部活に明け暮れるような事もなく学校が終わると電車に乗って早々と帰宅する日々を過ごしていた。
時々帰り道にある大きめの本屋に立寄り、「成人雑誌コーナー」をチラチラと見てはその表紙が気になり、読む気なんて全然ないTV番組雑誌を手に取っては人が立ち去るのを待ってからパラパラとめくり、その内容にちょっと興奮するような小さいドキドキ感を味わっていた。
今日も本屋で人目を盗んではA4サイズのエロ本をパラパラとめくっていると、目に飛び込んで来た大きな記事。
「悪用禁止!淋しい女と簡単に出会える・ヤレる!その方法を完全公開!」
そんな衝撃的な内容を見せられて誰が見過ごせというのか。
これまでは人の気配を感じるとどんなに読んでいても素早く棚に戻し、それこそ口笛を吹くような勢いだったが、今日の僕はどうしてもその本を棚に戻せないでいた。それだけ高校生の僕には興味をそそる内容だったのだろう。見出しだけ見て家に帰るなんて出来ない。
確か数人が背中を通り過ぎていた気がするが、制服姿の僕が読む内容なんてどうせ通りすがりに読める訳が無い。大きく拡げないで小さく拡げ、その記事を熟読していった。
最後に書いてあった電話番号。#から始まる番号なんて初めて見た。でも4桁なら覚えられる。
僕は呪文を唱えるように#8501とつぶやきながら、そそくさと本を棚に戻し、急いで出口に向かうと自転車に跨がり公衆電話を目指した。いつもなら道を訪ねる人がいたら絶対に無視しない位人の良い僕だが、今日だけはごめん、いても無視するよという気持ちで。
どうしてこういう時には公衆電話が何処にあるのか分からないんだろう。
毎日毎日通う通学路なのに景色の一部になってしまっているのか。
赤色。
いや、黄色だ。
いや違う、テレホンカードが使える緑の奴だ。
しかも誰にも会話を聞かれないようにしっかりとした電話ボックスがいい。
そんな事を考えていたらさっきの番号を忘れてしまいそうだ。
ほどなくして目の前に目的に合致した公衆電話が現れた。
望み通りガラスで4面囲まれていて、会話だって外からは聞かれはしない。
とても悪い事をしているような気持ちと興味が交錯する。
そんな思いを胸に公衆電話に入ると、素早くカードを入れ、ダイヤルした。
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