天魔界戦

皇神凪斗

第16話 三人の戦い

シャールの合図でルルカは駆け出し、ゼツは銃で『魔法弾』を放つ。
シャールもナイフを投げつつ、ルルカとは違う方向から相手のチームへ接近して行く。
「『ストーム・バレット』!」
相手は魔法で球状の高密度の風圧の塊を複数放つ。
それはシャールのナイフを切り刻み、ゼツの『魔法弾』を喰らいゼツへ向かって飛ぶ。
ゼツはそれを避けながら牽制の『魔法弾』を撃ち続ける。
「『魔防壁』」
「『斬空波ざんくうは』!」
相手はゼツの魔法を防ぎ、風の刃をルルカとシャールへ飛ばす。
「『氷結の盾』!」
シャールが橋に手を掲げると、白い冷気と共に氷が現れ、六角形を形作る。
風の刃は氷の盾で簡単に防ぐことが出来た。
「『刀身魔装』」
ルルカは魔力を纏った剣で、打ち返していく。
「『爆炎球』!」
相手チームはそれぞれ得意な属性を持ち、互いの補助をしあっていた。
男の手から飛ばされた小さな火玉はシャールの氷の盾に接触した途端に爆発。氷を粉々に砕く。
「ちィっ!流石に人数差がキツイな!『複製弾』!」
ゼツが放った魔弾が魔法陣を通ると、弾数が倍になる。
相手も流石にゼツを二人で対処する。
「『突風』」
それは勢いのある風を生み出す単純な魔法だった。その風の中にシャールはナイフを放る。
シャールのナイフ投げは元から凄まじい速度で飛ばされる。それを風でさらに後押しする事で銃弾をも超える速度でナイフが風を切り裂く。
「!?⋯『魔装』!」
シャールの方へ向いていた敵は対処に困り、身体強化で対処しようとするがその身体をナイフが易々と貫通する。
敵の内、一人と片腕一本をもぎナイフが通り抜ける。
「なっ!?アイツを先に倒すぞ!」
危機を感じた相手はシャールへ視線を写す。
「『跳躍移動』!」
敵がルルカから目を離した一瞬。
ルルカは魔法陣で前方へ跳躍。
勢いを乗せた大剣を一振し、敵を一刀両断。
「あぶねぇ!」
しかし、直前で気づいた一人が二人を屈ませることで剣を避けさせ。ルルカの剣は一人だけ倒した所で通り抜ける。
「『跳躍────
ルルカが更に追撃を加えようとしたその時、遠方から雷魔法が飛んでくる。
その魔法はシャールとルルカが囲んでいた敵に命中し、二人を倒してしまう。

「しまった!他のチームに見つかった!」


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