天魔界戦

皇神凪斗

第15話 分断

「さてと・・・。」
囲んでいた敵を一掃したロキは一息つく。
「?・・・何だ?」
『自然操作』で操っていた風に違和感を感じた。
「!!・・・まさか!」
ロキは右手に『魔装』を集中して岩の壁を殴りつける。
その一撃で岩の壁は崩壊し、砕けた岩の欠片が降り注ぎ敵を数人潰した。

そして、広がった視野の中にシャール達の姿は無かった。

「『転移魔法』を使えるやつがいたのか・・・。

・・・・・・・・・まあ、あいつらなら何とかするか。」






「『転移魔法』には驚きましたけど、一チームで私達を仕留められるとは思わないで下さい。」
「とは言えめんどくせぇ所に飛ばされたな。ここは南の海上フィールドか。」
「速くロキの元へ戻る。」
「待って下さい。ロキなら心配要らないでしょうし、ここは作戦通りあそこへ向かいましょう。」
このフィールドは深い海の上に道路ほどの幅の橋と丸い広場が複雑に連結している。
足場のある橋の上では視界が広いものの敵に近づくには障害物の無い場所を渡らなければならない。
海中では青さが視界を塞ぎ、橋の上からは見つかりにくいが身動きが取れない。
とても戦いにくいフィールドである。
「!・・・敵、来る!」
「居たぞ!『嵐風槍』!」
シャール達の姿を見ると直ぐに魔法を放つ。
「『刀身魔装』」
ルルカの持つ大剣に青い魔力が覆い被さる。
魔力を纏った大剣で風の槍を消し飛ばす。
「やっぱ遠くから撃ってきやがるな。
どうする?シャール。」
「そうですね・・・。」
何処に敵がいるか分からない以上、逃げても安全とは言えない。つまり、こちらを狙ってくる敵を倒すのが得策。
とは言え、相手は魔法特化のチーム。
倒すとすれば橋の上を進み近づくければ魔力は最低限で倒せそうだが、それを黙って見ている相手では無いだろう。
逆に同じ魔法で対抗して倒す方法もあるが、相手は四人でこちらは三人。さらに言えば魔力量で対抗出来そうなのはシャールのみ。
・・・もしロキならどうするだろう。
「・・・ルルカ、貴方は左。私は右から行きます。ゼツはその場から相手を牽制。相手が私達に集中したら私の後を追ってきて下さい。」
「「了解。」」
ゼツは魔法銃を持ち替える。魔法が不得意な者用に作られたそれは、ハンドガンだけでなく。アサルトライフルや、スナイパー型の物も存在する。最小限の魔力である程度の破壊力は確保されている。

「では、行きます!」


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