天魔界戦

皇神凪斗

第10話 チーム戦

カイトはフウザのチーム三人に囲まれていた。
「奴の得意は槍だ。距離を置いて戦え。」
「了解!」
「『火炎弾』!」
サオンが矢を放ち、レックが炎の弾を放つ。
カイトは槍をひと回しして足元の水を弾けさせる。
その水にカイトが触れると、素早い水流が生まれ丸い水の壁になった。
水の壁は矢と炎を防ぎ、カイトの周囲を回る。
「『水流斬』!」
カイトがその場で槍を振り回す。
槍を振る度、水が弾け円盤の形でフウザ達に向かって飛んでいく。
木々を刻みながら飛来する水を三人はバラバラに躱す。
「魔法戦なら僕が受ける!」
レックが展開した魔法陣からビリビリと電気が見えた。
「待てレック!足元をよく見ろ!」
「!?・・・そうか、足元を水だらけにして自滅させる作戦か!
それなら・・・『風刃波』!」
レックから風の刃が放たれる。それは回り込むような動きでカイトを狙う。
カイトは飛んだり、体勢を変えることでそれを躱す。
そして、また水の円盤を飛ばす。
「『魔装剣』!」
フウザが剣に魔力を纏わせ水を切断する。
「『風刃乱波』!」
レックから複数の風の刃が放たれる。

その時、ギギィっと音がする。
「!?・・・しまった!」
レックが放った風の刃で多くの木が刻まれ、倒れだした。
「まさかそれが狙いか!下らないね!」
三人は足に力を入れ、飛び避けようとする。

「『氷結』」

足元の水が一瞬で凍る。よって三人は身動きを封じられる。
「クソっ!」
フウザは剣で木を細かく切断し、サオンは魔力の矢を太く複数に増やし木を粉々にする。
レックは魔法で木を爆発させる。
「こんな手で僕達を・・・なっ!?」
「『貫氷槍』!」
カイトは槍を氷を纏わせて投擲する。
倒れる木々を貫き、レックの腹を貫く。
「油断したか!」
レックは緑色の光になって消える。
「やるな・・・サオン!撤退だ!」
「了解!」
二人は足元の氷を破壊し、カイトに背を向けて走り出す。
「奴らの実力を侮っていた。まずはリクウと合流して、レイジを倒す。」

「逃がしませんよ!」

逃げる二人の前に岩の壁が地面から突き出てきた。それは円形状に二人を囲む。
そして、上空からメルとアルマが手に武器を構え落下してくる。

その時、サオンが新たに武器を取り出す。
それはサオンの身体より大きな弓。歯を食いしばりながら弦を引く。
極太の魔力の矢が真っ直ぐ、アルマを狙う。

「空中でかわせるかしら?」
サオンが手を離すと、凄まじい音と共に矢が飛んだ。



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