天魔界戦

皇神凪斗

第8話 囲まれたアルマ

「それにしても、ここがフィールドの端なのか中心に近い位置なのかも分からない。」
「飛んで確認すれば分かるんじゃないか?」
「いや、それこそ敵に見つかる。さらに言えば、フィールドの境界は近づくまで分からない。もし近くにあるなら既に境界が見えてるんじゃないか?」
「じゃあどうする?ただひたすら走り回るか?」
「うん。それしかないね。」
「・・・・・・マジかよ。」
その時、空に大きな魔法陣が浮かぶ。
「!?・・・攻撃だ!」
魔法陣から光の矢が広範囲に降り注ぐ。
「『黄金の盾』!」
アルマ達の上空に大きな盾が現れ、光の矢を防ぐ。
「?・・・アルマ君!下だ!」
「!?・・・何だこれ?」
アルマの足元に魔法陣が現れていた。それは激しく光り出す。
「これは・・・魔法を使った人間をサーチする魔法!」
「クソ!見つかったか!」
次の瞬間、地面が大きく揺れだした。
その揺れと同時に地面から木々を押し上げ、岩の壁が突き出す。
岩の壁は円形状に突き出し、アルマ達を閉じ込める。
「へ!こんな壁で動きを封じたつもりかよ!ぶっ壊してやるぜ!」
「待ってアルマ君!君が魔法を使ったら周りの障害物まで無くなってしまう。そうなったら格好の的だ!」
「だが!この壁を壊さなければ同じ事だ!少なくとも1チームには見つかってるんだぞ!」
「それなら私が!『私に従って』!」
メルが岩の壁に触れると、壁が不自然な動きでトンネルを作る。
そして、周辺で同じ大きさで複数の円形状の壁を作る。
「上手い!これなら相手の目も誤魔化せる。」
「良し、走れ!」
全員で『魔装』を使い、木々を避けながら走っていく。
「逃がすか!」
その時、上空から男が斬りかかってくる。
アルマは剣を取り出して受け止める。そして、剣を押し返し反撃をしようとする。
「この!」
男はニヤリと笑った。
「!?」
男の影から細い魔力の矢が飛んでくる。
「『魔防壁』!」
アルマに直撃する前にメルの魔法で矢を防ぐ。
「へぇ〜やるねぇ。」
男は二本目の剣を取り出し地を蹴る。
「二刀流か!」
素早い動きでアルマの前に飛び出る。
反射的にアルマは剣を横に薙ぐが、男は体勢を低くしてそれを躱す。
そのままアルマの横を駆け抜ける。
「?・・・メル!危ない!」
男はメルに斬り掛かる。メルは杖で受け止め、反撃で殴り掛かる。
しかし、男は身をかわしてメルの背後に回り込み剣を振り上げる。
「させるか!」
その更に背後からカイトが槍を突き出す。
その時、魔法の矢が飛来し槍を弾く。
「『ライジング』!」
レイジが光速で動き、男の身体を蹴り飛ばす。

「これはいきなり厳しい戦いになりそうだね。」


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品