天魔界戦

皇神凪斗

第7話 誘われた者

「そうか!空と思わせて、逆に地中にいたという訳か。」
「そういう事だ・・・『バウンドクウェイク』!!」
女は地面に手を付くとそこに魔法陣が広がる。
ゴゴゴゴッと言う音と共に地面が揺れ始める。
「ただの地震?」
「あぁ。奴らは地中に空間を作って隠れているはず。地面を揺らせば空間が潰れて、中の奴らが吐き出される。」
と言っている間に砂が弾け、四つの影が空を舞う。
「そこだ!『爆雷弾』!!」
男の魔法が四つの影を捉える。
「ハッ。本当に間抜けだわ。こんなんで倒せるなんて。」

「あぁ。間抜けだな。その程度で出し抜けると思っているとは。」
「!?」
女は前に飛び出しながら後ろを振り向く。
背後にいたロキは右手の剣と左手の刀を同時に振り抜く。女の右手と右足を切り落とす。
「っ!・・・だけど、後ろを取った相手に話しかけるなんて詰めが甘いわね!」
そう言いながら女は左手をロキへ向ける。
その瞬間、女の首が飛ぶ。
「結果が変わらなければ・・・過程など何でもいい。」
ルルカが大剣で首をはね飛ばしたのだ。
「この野郎!」
女のチームの二人がロキへ手を向ける。
すると、その二人の胸に大穴が空く。
「魔力弾!?・・・武器使いのゼツか。」
残りの1人もシャールに胸に貫かれる。
一瞬でそのチームは全滅。周りの者達もハッとする。
「クソっ!やられた。最初の空の幻で騙された奴は砂で潰される。それを避けて、地中に居るかと思えば地上で透明になっていた本物に刈られる。しかも、探知されてもバレないようにチームの一つを地中に閉じ込めておいたのか。」
「解説ありがとさん!!」
ゼツが放った魔力弾が数人の身体を貫いていく。
「魔法を使うよりはゼツの銃の方が断然速いぞ?」
魔法を使いそうな相手に先手を打ち魔力弾を撃ち込んでいく。
「んで、ここからどうするんだ?ロキ。」
「このまま向かってくる奴を殲滅する。」
「あぁ?戦いを避けるって作戦じゃ無かったのか?」
「このエリアの敵はそれなりに減らした。別のフィールドに行くよりここに留まった方が戦いを避けられるはずだ。」
「なるほど、流石ロキです。」
「それじゃ。殲滅する。」


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