天魔界戦

皇神凪斗

第44話 最後の戦い

飛んだミカエルの背後にロキは待ち伏せしていた。
「『灰炎の剣』」
ロキは白い炎を魔剣に纏わせ、ミカエルの背中を斬りつける。
灰炎が鱗を剥がし魔剣はミカエルの背中に傷をつけた。
「ぐっ!!・・・うおおぉぉ!!」
ミカエルは痛みを堪え振り返りながら拳をロキの腹に叩き込む。
「がはっ!!」
ロキは血を吐き、地面へ落下。ミカエルも地面へ降り、膝を着く。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
アルマがゆっくりと立ち上がる。
「ミカエル・・・終わりだ。」
「何を言ってるんだいアルマ。君も・・・そこの悪魔もどきも・・・死にかけじゃないか。」
ロキは身体の節々から血を流していた。それでも尚、立ち上がろうとしていた。
「お前、ロキが生きてるとわかって急いで上に逃げた。
もう、攻撃を防ぐ為の魔力も残ってないんだろ?」
「だから何だよ!私は仲間の為に、負ける訳には行かない!」
「フッ・・・だんだん堕天が薄れて・・・狂った頭から元に戻ってきたみたいだな。」
「君の言葉はいちいち癇に障るんだよ!」
ミカエルは剣を手に駆け出した。
そのタイミングでロキは左腕から白い炎を出した。
「ここだ・・・『灰炎の息吹』!」
ロキは白い炎の勢いよく放出しミカエルに浴びせる。
ミカエルは両腕で顔を覆うが、両腕の鱗を剥がしミカエルのガードを崩す。
「『白輪 天壊』!!」
ガードの崩れた隙間からミカエルの顔面目掛けて拳を放つ。
ミカエルの顔の鱗が剥がれるが、鱗の上からでは勢いを殺され吹き飛ばすまでは行かなかった。
「よし!顔の鱗が剥がれた!」
「剥がれたってこんなのすぐに──────」

パチンッ!

戦場に指を弾く音が響く。
その音を聞いた瞬間、世界がモノクロに染まる。
「(これは!時を止められた!?)」
ロキがニヤリと笑った。
「どうやら見えている見たいだな。流石は四大天使。だが動けなければ意味は無い。」
「(あいつか!だがあいつ一人動けた所で───────)」

「『白輪・極』!!」

アルマの右腕が眩しいほどの光を放つ。
「(馬鹿な!何故アルマが動ける!?)」
その時、ミカエルは気づいた。アルマの耳に何かがハマっている事に。
「(耳栓!?・・・そうか!あいつが時を止めるきっかけは音。耳を塞げば誰でも時を止めた状態で動けてしまう。
普通なら弱点となる所を仲間に耳栓をさせることで連携を取る事で補っている。
クソっ!時が止まってるんじゃ鱗を再生出来ない!)」

「『天壊』!!!」

アルマは全ての魔力を込めたその拳を。
ミカエルの顔面に叩きつけた。



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