天魔界戦

皇神凪斗

第15話 神槍 トリアイナ

どんどん炎は広がり、団員を燃やしていく。
「邪魔をする者は燃やし尽くす!」
「・・・くっ!親父の力を借りるようで気が進まないが。

『トリアイナ 飲み込め』!」

カイトは神槍で線を引くように地面を切る。
すると、その切り跡から水が吹き出す。それも勢いが強く、一瞬で数十メートルの津波が現れる。
津波は簡単に炎とサマエルを飲み込み、鎮火する。
「けっ!相性が悪い神器だな。」
「俺にこれを使わせたんだ。しっかりと倒させてもらうぞ!」
「図に乗るなよ・・・?この程度!」
サマエルの皮膚に何かが浮き出る。その塊が水に触れると『ジューっ!』と言う音と共に水が蒸発する。
「あれは溶岩だ!あいつ、身体の中に溶岩があるのか!?」
「どうりで暑い訳だ。それなら納得がいく。」
小さな湖くらい多い水をどんどん蒸発させて行く。
「これならどうする!」
サマエルは溶岩をそのまま球体にまとめ、カイトとアルマへ放る。
「お前こそ舐めるなよ!」
カイトは水を盾のように広げる。そして、カイト自身の魔法でそれを凍結する。
それは見事に溶岩球を防いだ。
「『青氷の槍ブリージングランス』!」
カイトは氷の槍をサマエルへ放る。
サマエルは腕に浮き出した溶岩を敢えて硬化させる。その硬い部分で槍を受け止める。
「硬いなっ。」
「カイト!攻撃は俺に任せろ!お前は攻撃を防ぐんだ!」
「いや、俺も攻撃に参加する。お前だけに手柄はやらん!」
「本当にイラつくな・・・潰す!」
サマエルは全身に溶岩を浮き出し、硬化する。
「『スターダスト・インパクト』!」
アルマは魔法陣を足場に加速、その勢いのまま拳を突き出す。
「拳だぁ?馬鹿にしてるのか?」
サマエルは更に溶岩を出し硬化した盾を構える。
アルマはその盾を殴り、粉砕する。そのままサマエルの鎧に拳を叩きつける。
「なっ!?グアァッ!」
鎧は腹の部分だけ弾け飛びアルマの拳は命中する。
「浅い!溶岩で殆ど威力を殺されちまった!」
「馬鹿力が!・・・だが近づいてきたのは失敗だったな!」
サマエルは直接溶岩をアルマに放つ。
「世話を焼かせるな!」
カイトが氷の盾を張り、溶岩を防ぐ。

三人の戦いは続く。


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