天魔界戦

皇神凪斗

第3話 作戦

会議を終えたギルドの長がそれぞれの団員に話しかける。
グランもアルマ達の元に来る。
「作戦つっても規模が分からねぇ敵軍には立てようがねぇ・・・だから、単純に戦力を分ける。
俺達ギルドの長は後方で防衛と指揮に回る。お前達は指示を聞いて敵をぶっ倒すだけだ。
だが、敵は二つの軍勢がいる。アルマのロキは別れてどっちかを担当して貰うんだが──────」
「─────俺が、天使をやる。」
グランが言う前にロキが進言する。
「ん?お前は悪魔共と結構やり合ってたんだろ?だったら悪魔が相手の方が楽じゃねぇのか?」
「いや、悪魔の相手は飽きた。天使の方がやり甲斐がありそうなんでな。」
「おい、そんな理由で──────」
「まあ、戦うのにモチベーションは大事だからな。仕方ねぇ。」
「良いのかよ!
・・・まあ、悪魔に良い奴は居ねぇだろうし何も考えず戦えるから良いか。」
「あとは陣形だ。チームワークを考えればアルマにはそのままレイジチーム。
ロキにもくっ付いてきたアイツらで組め。
あとは・・・。」
話し合っている彼らに数人が割り込んでくる。
「すみません。住民の誘導で遅れました。」
そこに現れたのはレミアールとルーズ率いる管理政府だった。
「貴方も協力して下さるのですね。」
「協力しない理由はありませんし、住民を守るのは私達の義務ですから。」
「レミアは天使とは相性が悪いが神器を持ってるし、俺は魔具を持ってる。悪魔退治専門になるし、戦力の殆どは防衛に回るが戦力になるはずだ。」
「てことは、あの暴れ小僧も付いてくれるのか?」
「あぁ。ロストも戦う気満々だ。少し気負い過ぎな位にな。」
その時、ロストは天白ギルドのハクに話しかけられていた。
レイジは小声でグランに尋ねる。
「グランさん。会議室から貴方と出てきたって事は彼は・・・。」
「あぁ、天白ギルドのマスターだ。様子を見た限り頭はまともだ。少し胡散臭いがな。」
「そう言えば天白ギルドの連中はかなり強いんだろ?どっち側に回るんだ?」
「天白ギルドの団員は・・・・・・独立して動くらしい。」
「え?ギルドとして独立って事ですか?」
「いや、攻撃に回る全ての団員が状況を見て一人一人独断で動くらしい。」
「かなりの自信家か、死にたがりか?
もし敵に囲まれれば助ける事など不可能だぞ?」
「驚くのも分かるが、そいつらはアルマやロキには勝てなくてもそれなりの実力らしいぞ?
お前らも一回戦ったんだろ?」
「・・・それでも安心できんぞ。正直、こいつらほどの実力は感じなかった。」
「ま、不満は隠せないが裏切るメリットはない。そいつらの実力を信じるしかないだろう。」

天白ギルドへの不信が募る中、彼らは戦いへの準備を進めていくのだった。


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