天魔界戦

皇神凪斗

第46話 悪魔 vs 悪魔

悪魔が傷ついた肩を手の平で一瞬隠す。すると貫かれ、出来た穴は埋まり傷が完治する。
「なるほど。いくら戦っても死ぬ事は無さそうだな。」
「いくらでも付き合ってあげるよ。君が面白い限り・・・ね?」
ロキの左腕はともかく、人間と悪魔の肉体では身体能力に差がある為『魔装』などで騙しながら戦っていた。
しかし、逆に悪魔はロキの戦い方に慣れてしまい少しずつ追い詰められていく。
「頑張ってるね〜。でも───────」
悪魔は剣の打ち合い中にロキの右腕を掴む。その腕を掴む手にぎゅっと力を込める。
「うっ!!」
ロキは一瞬顔を歪めるが、左腕から『終炎』を放ち悪魔を吹き飛ばす。
「ロキ!?どうかしたのか!?」
急に膝を着いたロキにアルマは驚く。
「疲労だろうな。あいつロキは魔界で激戦をくぐり抜け、人間界に戻りお前アルマを助ける為休む暇もなく戦っていた。」

「それを分かって戦ってたのか?」

「言ったはずだ・・・お前達が限界を知る為の戦いだとな。
安心しろ・・・傷なら治してやる。
この戦いが終わった時、生きていたらな。
(こうでもしなければ人間の本気など出せはしない。)」
「フッ・・・それはいい事を聞いた。後を気にせず戦えるという事か。」
そう言うとロキは魔法陣を展開する。
「『悪魔転生』!」
ロキの体が足元から黒い染まっていく。悪魔の力で身体を強化し、疲労を誤魔化す。
「そうこなくっちゃね・・・。」
「来い!・・・『骸苦髏太刀』!」
更に左手に魔刀を呼び出す。『終炎の衣』の袖から両手の刀剣に終炎を纏わせる。
備えをするロキを見て、悪魔はこれ以上何もさせまいと接近を試みる。
それに対し、ロキは終炎を目前に展開し視界を遮る。悪魔は自身の終炎で相殺しながら突撃するも、ロキの姿は見つけられない。
ロキは後ろから静かに接近し、左手の魔刀で首を跳ね飛ばそうと振りかぶる。
悪魔はそれを完全に把握していて、しゃがみながら右回転。それに合わせて魔剣を振るい逆にロキを斬る。
しかし、それは偽物で練磨が魔刀を掴んでいただけだった。
悪魔が魔剣を振り切ったのを計らい、姿を現したロキは右手の魔剣を振り下ろす。悪魔は左手に終炎を纏い受け止める。
更にロキは左手に持った魔刀を悪魔へ突き出す。
「!?・・・魔刀が二本?」
悪魔は身体を逸らし躱そうとするが、魔刀は二の腕を捉える。
攻撃を食らいつつも悪魔は脚を繰り出しロキを蹴り飛ばそうとするが、練磨によりそれは防がれる。
「ハァッ!」
今度は悪魔が終炎を大量に展開し、ロキを引き剥がす。

「面白い・・・これだから人間は面白い!」


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