天魔界戦

皇神凪斗

第44話 嘘と真実

『悪魔のロキ』はロキを見て、少し驚いたような顔をする。
「君は『お久しぶり』かな?」
「あぁ、もう会う事は無いと思っていたが・・・。」
「?・・・お前、あの悪魔と知り合いなのか?」
アルマは勿論、カインも少し驚いていた。
「少しだけな。」
「僕と同じ名前で暴れてくれちゃって。」
「不満だったか?」
ロキは嫌味な顔で問いかける。
「いいや?面白かったから大満足さ!
それに、今の状況もかなり面白いしね。」
悪魔のロキはカインから『魔剣 ベルセルク』を受け取るとロキの前に立つ。
そして、カインはアルマの前に。
「お前達の事は一先ず置いておく
・・・『真実の嘘』こいつは『幻』だ。」
「おいおい。敵を惑わすのに、説明しちまったら意味ねぇだろ?」
悪魔は魔剣を構える。
「それは────────
悪魔は姿を消すように突進。真っ直ぐロキの元へ行き、魔剣を横に薙ぐ。
ロキは海老反りに後ろへ飛ぶ。魔剣は頬を掠める。
───────どうかな?」
魔剣が掠めた頬は少し切れ、血が流れた。
悪魔はさらに左拳で追撃。ロキは何かを感じ、自身の魔剣で防御する。
何の姿勢も取らずに放った拳だが、轟音と共にロキの身体は後方へ飛ばされる。
「!?・・・幻じゃねぇ!」
悪魔の能力は・・・
幻を生み出す『真実の嘘』。
そして、君達が感じた幻を本当にする『嘘の真実』だよ。」
「ふざけた能力じゃねぇか!」
アルマはロキの元へ駆け寄ろうとするが、カインがそれを阻止。
「お前達の連携は危険だ。一対一でやらせてもらう。」
「クソッ!」
ロキは後方の壁に足を着き、思い切り蹴る。
逆に悪魔へ突進。
「へぇ〜。面白いじゃないか!」
悪魔が手を広げると黒い炎が現れる。ロキと同じ『終炎』だ。
それを前方へ広げ、防御壁として展開する。
「それなら・・・『終炎の衣』」
ロキは終炎を身体に纏わせる。大きなマントを着るように。
そして、衣でくるまりながら終炎へ突っ込む。
互いに相殺し、相対する。悪魔が先に魔剣を突き出す。
それを見て。しかし、悪魔より速くロキの魔剣は悪魔の手首を切り付ける。
悪魔の剣はロキに当たらず、頭上を通り抜ける。
返しの剣を互い突きつけ合う。
悪魔の手首は切れているが、動かすのに支障は見られない。

「なるほど。ダメージはあるようだな?」


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