天魔界戦
第35話 変わらぬ窮地
突然現れた。
カイト達の前にロキが現れる。
「ウリエル様が敗れた。」
「個体名『ロキ』の危険度を再認識。早急に排除する。」
「ろ、ロキさん!勝ったんですね!」
「全く・・・随分遅かったな。」
ロキは振り返り、不敵な笑みを見せた。
「それは弱音か?らしくないな。」
シャールはロキに近づき、『心眼』で見る。
「・・・ロキ、殆ど魔力が・・・。」
「大丈夫だ。・・・『アレ』をやる。そいつらを守れ。」
「!!・・・分かりました」
「何を言っている!俺はまだ!」
「下がってください!」
シャールはカイトとメルの近くに行くと魔法陣を展開した。
「『サイレント・ルーム』」
藍色の円がシャール、メル、カイトを包む。
それを見た天使達はざわつく。
「何がする気だ。」
「阻止する。」
一斉に動き出す天使達。しかし、ロキは余裕の笑みを浮かべた。
「近づいてきてくれて助かる。『デス・シャウト』」
ロキの背後に灰色の魔法陣。そして──────
『キャァァァァァァァァァァァッッッ!!!』
突如、女性の甲高い叫び声。耳を劈く悲鳴。
それを聞いた天使達の軍勢は動きを止める。
ピキっ・・・と今度は小さな音。
天使の体にヒビが入る。それはジリジリと広がっていき、全身が砂岩のように崩れていく。
ロキを囲んでいた天使達は全て身体が粉々に崩れ、消えていった。
「・・・うぅッ!・・・流石に魔力を使いすぎたか。」
ロキは堪らず膝をつく。
「ロキ!」
シャールは魔法を解き、ロキを身体を支える。
「相変わらずふざけた魔法を使うな・・・。」
「・・・あれは?」
そう簡単には逃れられない。
雲の先から更に天使の軍勢が姿を現した。
「おい!まさか足でまといになる気じゃないだろうな!ロキ!」
「フッ・・・問題は無い。俺のするべき事はやった。後は任せる。」
「くっ!」
シャールも苦い表情をする。
「今度は弱い天使だけじゃないく、隊長格の天使もいるようですね・・・。」
「やつは弱っているぞ!これは好機!
脆弱な人間を徹底的に排除しろ!」
「了解。」
凄まじい速さで向かってくる天使達。
「・・・やるだけやるしかない!」
メルは神器ミストルティンを構える。
足場から生えた植物が天使達を絡め取ろうと伸びる。
捕まえても。手に持った獲物で切断し、直ぐに脱出してしまう。それでももう一度、植物は天使を捕まえる。
そうして、天使達の動きを止め─────
「このミストルティンを使えば・・・
『神樹の光砲』!」
メルの背後にもう一本。大きな木が生える。
光を纏い、明るい緑色の葉を持つその木に花が咲く。
それは一つの木に五つの花が咲く。
その花は周りの光を集め、大きな球体を作り出す。
そして、その球体を天使達の群れに向けて放つ。
直系四メートルの球体は天使でも避けるのは難しく、被弾する。
ぶつかった衝撃で天使の身体を消滅させ、同時に分裂して他の方向へ飛ぶ。
反射と分裂を繰り返し、かなりの数の天使に傷を負わせることに成功した。
しかし、まだ天使は残っている。
「ハァ・・・ハァ・・・こんなに魔力を使ったのは・・・初めて・・・でも、まだ戦わなきゃ。」
メルも膝を付いてしまう。
「くっ!こうなったら・・・。」
カイトは『神槍 トリアイナ』を取り出そうとするが。
「待て・・・。その必要は無い。」
ロキがそれを止める。
「ではどうする!このまま黙って殺される気か!」
「落ち着け・・・何も問題は無い。
後は『アイツ』に任せろ。」
「『アイツ』?」
天使達は距離を詰め、目の前まで迫る。
「終わりだ!」
「『光魔の盾』!」
天使の前に突然、白色の大きな壁が現れる。
それに妨害された天使は勿論立ち止まる。
「!!・・・まさか、貴様は!?」
カイト達の前にロキが現れる。
「ウリエル様が敗れた。」
「個体名『ロキ』の危険度を再認識。早急に排除する。」
「ろ、ロキさん!勝ったんですね!」
「全く・・・随分遅かったな。」
ロキは振り返り、不敵な笑みを見せた。
「それは弱音か?らしくないな。」
シャールはロキに近づき、『心眼』で見る。
「・・・ロキ、殆ど魔力が・・・。」
「大丈夫だ。・・・『アレ』をやる。そいつらを守れ。」
「!!・・・分かりました」
「何を言っている!俺はまだ!」
「下がってください!」
シャールはカイトとメルの近くに行くと魔法陣を展開した。
「『サイレント・ルーム』」
藍色の円がシャール、メル、カイトを包む。
それを見た天使達はざわつく。
「何がする気だ。」
「阻止する。」
一斉に動き出す天使達。しかし、ロキは余裕の笑みを浮かべた。
「近づいてきてくれて助かる。『デス・シャウト』」
ロキの背後に灰色の魔法陣。そして──────
『キャァァァァァァァァァァァッッッ!!!』
突如、女性の甲高い叫び声。耳を劈く悲鳴。
それを聞いた天使達の軍勢は動きを止める。
ピキっ・・・と今度は小さな音。
天使の体にヒビが入る。それはジリジリと広がっていき、全身が砂岩のように崩れていく。
ロキを囲んでいた天使達は全て身体が粉々に崩れ、消えていった。
「・・・うぅッ!・・・流石に魔力を使いすぎたか。」
ロキは堪らず膝をつく。
「ロキ!」
シャールは魔法を解き、ロキを身体を支える。
「相変わらずふざけた魔法を使うな・・・。」
「・・・あれは?」
そう簡単には逃れられない。
雲の先から更に天使の軍勢が姿を現した。
「おい!まさか足でまといになる気じゃないだろうな!ロキ!」
「フッ・・・問題は無い。俺のするべき事はやった。後は任せる。」
「くっ!」
シャールも苦い表情をする。
「今度は弱い天使だけじゃないく、隊長格の天使もいるようですね・・・。」
「やつは弱っているぞ!これは好機!
脆弱な人間を徹底的に排除しろ!」
「了解。」
凄まじい速さで向かってくる天使達。
「・・・やるだけやるしかない!」
メルは神器ミストルティンを構える。
足場から生えた植物が天使達を絡め取ろうと伸びる。
捕まえても。手に持った獲物で切断し、直ぐに脱出してしまう。それでももう一度、植物は天使を捕まえる。
そうして、天使達の動きを止め─────
「このミストルティンを使えば・・・
『神樹の光砲』!」
メルの背後にもう一本。大きな木が生える。
光を纏い、明るい緑色の葉を持つその木に花が咲く。
それは一つの木に五つの花が咲く。
その花は周りの光を集め、大きな球体を作り出す。
そして、その球体を天使達の群れに向けて放つ。
直系四メートルの球体は天使でも避けるのは難しく、被弾する。
ぶつかった衝撃で天使の身体を消滅させ、同時に分裂して他の方向へ飛ぶ。
反射と分裂を繰り返し、かなりの数の天使に傷を負わせることに成功した。
しかし、まだ天使は残っている。
「ハァ・・・ハァ・・・こんなに魔力を使ったのは・・・初めて・・・でも、まだ戦わなきゃ。」
メルも膝を付いてしまう。
「くっ!こうなったら・・・。」
カイトは『神槍 トリアイナ』を取り出そうとするが。
「待て・・・。その必要は無い。」
ロキがそれを止める。
「ではどうする!このまま黙って殺される気か!」
「落ち着け・・・何も問題は無い。
後は『アイツ』に任せろ。」
「『アイツ』?」
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それに妨害された天使は勿論立ち止まる。
「!!・・・まさか、貴様は!?」
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