天魔界戦

皇神凪斗

第23話 次の目的地へ

「そこでカイン。一つ聞く。」
「あぁ。天界なら───」
「このギルドに甘い物は無いのか?」
「「「は?」」」
シャールがため息をついた。
「ロキ、黙ってて下さい。
カインさん。天界への行き方を教えて下さい。」
カインは困惑しつつも、頷く。
「あ、あぁ。お前も大変そうだな。
・・・天界に行くには、神門大社に行けばいい。アルマもそこから天界へ行ったはずだ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
シャール達は立ち上がる。
「それでは、これで失礼します。」
「あ、ちょっといいかな?」
そこでジンが引き止める。
「どうかしましたか?」
ジンはメルへ一本の剣を差し出した。
「これをレイジ・・・弟に渡して欲しい。
それと、今回の戦いはとても危険なものになる。レイジだけじゃなく、君達も死にたくないなら戦わない事だよ。」
「フンッ。それでもその剣はレイジに渡すんだな?」
「あいつが自分の為に逃げる事はしないからね。
その『神剣 バルムンク』頼んだよ。」




神門大社ではレミアールの精神修行が行われていた。
大社の中で巫女服を纏い、座禅を組む。
目を閉じて自分の心を見る。
「?・・・この気配は・・・。」
外では邪魔をしないようにミレーネとセラフィが待機していた。
「ルーズも行っちゃうし、暇だな〜。
巫女のあたし達は天使様とは戦えないからね〜。」
「なら巫女の仕事をしませんか?姉さん。」
「たまにはスポーツとかで身体動かしたくなるだろ?今まさにそうなんだよ。」
「それは巫女の仕事をしない理由にはならないですよ?
あら?お客様だわ。」
何故か魔法も使わずに空を飛んできた一行は二人の前に降り立つ。
「お?おぉ!?アルマじゃねぇか!久しぶりだな!!」
「「アルマ(君)??」」
ミレーネは『ロキに向かって』そう言い、頭を撫でようと手を伸ばす。
「残念ながら、俺はアルマでは無い。」
ミレーネの手はロキの頭の上で止まり直接触れることは無かった。
「姉さんよく見て、髪色が違うわ。」
「あ、本当だ。・・・まぁ、これはこれでイケそうね。」

「『嵐風槍らんふうそう』!」

突如、大社の方から暴風が放たれる。
それに気づいたミレーネとセレフィは素早く身を躱す。
ロキは正面でそれを待ち、手をかざす。
「『嵐風衝波らんふうしょうは』」
ロキの手元で発生した風は飛んできた風を相殺する。

「お姉様から離れなさい。この外道。」
大社の中から姿を現したのは勿論レミアールだった。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品