天魔界戦

皇神凪斗

第7話 復讐の時

「ぐっ!イラつく表情だな!」
シェルナンドは二人とアイコンタクトを取る。
バラールは『魔装』を発動し、両手斧と盾を構える。
「俺達はお前を倒す為に強くなった!!」
カゲもシェルナンドの背後に着く。
「行くよ・・・『幻想の霧ファントム・ミスト』」
訓練場を赤紫色の霧が包み込む。
ロキは全く動じることは無い。
バラールはロキの右側から斧を振り下ろす。
幻覚魔法を受けているロキは左側から迫る斧が見えていた。
「来い・・・骸苦髏太刀むくろだち。」
ロキの右手に一本の刀が現れる。刀の幅や柄の長さは普通だが刃渡りが2mある大太刀。
「あれは・・・魔具か?」

それを、自身の右側に構える。

「!?」
片手で持ったその大太刀で両手で持たれた斧を受け止める。
「嘘だろ!?」
ロキの瞳がバラールの顔を捉える。
バラールは驚き、がむしゃらに斧を振り回す。
しかし、ロキは簡単にそれを受け止めた。
「幻覚魔法が効いてない!しかも、バラールに力で勝ってるのか?」
「くっ!化け物め!」
シェルナンドは水銀をロキへ放つ。
「フッ・・・戦略としては悪くないが。
俺には通用しない。・・・『真空波』!」
ロキを中心に風が吹き荒れる。視界が歪む程の風圧が球状に広がり、水銀とバラールを弾き飛ばす。
「魔法に耐性のある鎧か。」
ロキは地を蹴り、飛ばされているバラールの鎧の上に乗る。刀を左手に移し、右手を握る。
「『身壊しんかい』!」
その拳をバラールの鎧に叩きつける。
すると、鎧が大きく震える。鎧の中で何かが暴れるように振動していた。
「ぐああっ!!!」
バラールはさらに速く飛んでいく。
「はぁっ!」
シェルナンドは一部を水に戻し、バラールを受け止める。
地面に置かれたバラールは気を失っていた。
「どういう事だ?鎧に当たったはずだぞ?」
「クソっ!なんで幻覚魔法が効かないんだ!?」
「幻覚魔法に限らず、毒や麻痺は闇の派生魔法。お前は魔導師としても、闇の魔法すら俺には遠く及ばない。弱者の魔法など効くはずもないだろう?」
「馬鹿にしやがって!」
「・・・カゲ、行くぞ!」
シェルナンドは水を構える。
「了解!『轟雷』!」
その雷を水が纏った。水は大きくなり、ロキへ襲いかかる。

「はぁ、くだらんな。」

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