天魔界戦
第37話 四人の決意
「ん?アレクは居ないのか?」
騎士達は夜明け前に急遽呼び出された。それぞれの団長が説明を受け、部下に伝える流れだったが。
「俺より先に帰ったはずなんですがね?」
「遅れているならそれは彼の責任。さっさと説明してくれ、こんな早くに起こされた訳を。」
「あぁ、単刀直入に言おう。
この国に、『死神団』が侵入したらしい。」
「!!」
「マジ・・・ですか?」
『死神団』とは、誰もが知る最強の殺人鬼集団である。
世界にいる犯罪者の中でも、最高に狂い、最高に強い人間が集められた集団で、その武力は世界の半分を支配できると言われた。
そこまで恐れられ、皆に知られながらも存在し続けている理由は単純。
強すぎるが故に排除も出来ない。幾ら罪を重ねても罰する事が出来ない。
しないのではなく出来ない。
奴らが動けば、国が死滅する。そんな存在だった。
「俺達は騎士だ。何を命じられたか、分かるな?」
「・・・聞くまでもない。私は覚悟を決める。」
「ま、待って下さいよ!!いくらこの国が抱える騎士団が多くても、勝てっこないですよ!!」
「あぁ、悔しいが・・・戦えば全滅、国も滅ぶ。
だが、・・・俺達は騎士だ!負けるかどうかなど関係無く!国を守る為に戦う!!」
キッドは知っていた。ディールの覚悟を、性格を。
それでも─────
「・・・でも!!」
「キッド!!悪魔でこれは、俺の意思だ。それをお前に強要するつもりは無い。
・・・・・・まだお前は若い。国を背負う程、大きくない。ここで死ぬ必要も無い。」
そういうディールの顔は、ただの老人だった。
「私はディールと同じ考えだ。私は戦うが、お前には逃げて欲しい。」
それでも、止めたかった。
大事な仲間を。
「・・・俺はただ、二人に・・・アレクにも!!死んで欲しく無いだけだ!!
・・・でも、俺じゃ止められない・・・
それなら────
────俺も行きます!!」
「!!・・・お前!・・・いや。」
ディールは一瞬止めようかと思った。しかし、それはキッドの覚悟を無駄する事だと、侮辱する事だと思い辞めた。
「・・・すみ、ません。遅れました・・・。」
「・・・アレク?どうした!その剣は!?」
そこで、突然身体を引きずりながらアレクは姿を現した。
アレクとディールはそれぞれ起こったことを話した。
「なるほど・・・くっ!こんな時に!!」
「いくらお前でも剣無しじゃ戦えないだろうな。」
「ディール団長!!剣があるか無いかなんて言ってる状況じゃない!!俺は戦う・・・素手だろうと!」
「違う!お前が相手にするのは、『魔剣』の方だ。」
「・・・!!何を言って!?」
「そんな、未知なる脅威相手に、獲物無しじゃ相手にならんだろう。」
アレクは歯を食いしばりギリッと音を立てる。
「国の一大事だぞ!!逃げる犯罪者など後回しで、迫る敵を倒す事が最優先のはずだ!!何を考えているんだ団長!!」
アレクはディールの胸元を掴み、叫ぶ。しかし、ディールは冷静な顔を保っている。
「・・・お前は騎士として一人前だな。だからこそ、今は違うべきなんだ。」
「何・・・?」
「俺達は騎士として国を守る。
お前は男として、彼女を守ってやれ。」
「あいつはもう犯罪者だ。」
そこでリエナはアレクの両肩を掴み、目を合わせる。
「確かにそう。彼女は罪を犯した。でも、彼女を守れるのはお前だけなんだ。」
「・・・?」
「まだ分かんない?いくら、完璧男でも、女心は理解できないの?」
「キッドまで・・・どういう意味なんだ。」
「彼女がお前以外に、笑顔を見せた事があるか?」
「いや・・・無い、です。」
「何故、彼女はお前の部屋によく行く?お前としかまともに話せない?」
「ドロシーさんは、頭が良すぎる。いくら天才の集まる研究科でもその存在は浮いてる。
世間が応援しても、この城内じゃ一人だったんだよ。
お前が居ない時はな。」
「分からんなら分からんでもいい!!私と団長の頼みだ!!どうが彼女を守ってやってくれ!!」
「言っただろ。男として彼女を、犯罪者では無く一人の人間として彼女を見てやれ。」
「・・・了解した。その代わり・・・
俺が戻るまで死なないで下さい!!
これは人としての俺の意見です!!」
騎士達は夜明け前に急遽呼び出された。それぞれの団長が説明を受け、部下に伝える流れだったが。
「俺より先に帰ったはずなんですがね?」
「遅れているならそれは彼の責任。さっさと説明してくれ、こんな早くに起こされた訳を。」
「あぁ、単刀直入に言おう。
この国に、『死神団』が侵入したらしい。」
「!!」
「マジ・・・ですか?」
『死神団』とは、誰もが知る最強の殺人鬼集団である。
世界にいる犯罪者の中でも、最高に狂い、最高に強い人間が集められた集団で、その武力は世界の半分を支配できると言われた。
そこまで恐れられ、皆に知られながらも存在し続けている理由は単純。
強すぎるが故に排除も出来ない。幾ら罪を重ねても罰する事が出来ない。
しないのではなく出来ない。
奴らが動けば、国が死滅する。そんな存在だった。
「俺達は騎士だ。何を命じられたか、分かるな?」
「・・・聞くまでもない。私は覚悟を決める。」
「ま、待って下さいよ!!いくらこの国が抱える騎士団が多くても、勝てっこないですよ!!」
「あぁ、悔しいが・・・戦えば全滅、国も滅ぶ。
だが、・・・俺達は騎士だ!負けるかどうかなど関係無く!国を守る為に戦う!!」
キッドは知っていた。ディールの覚悟を、性格を。
それでも─────
「・・・でも!!」
「キッド!!悪魔でこれは、俺の意思だ。それをお前に強要するつもりは無い。
・・・・・・まだお前は若い。国を背負う程、大きくない。ここで死ぬ必要も無い。」
そういうディールの顔は、ただの老人だった。
「私はディールと同じ考えだ。私は戦うが、お前には逃げて欲しい。」
それでも、止めたかった。
大事な仲間を。
「・・・俺はただ、二人に・・・アレクにも!!死んで欲しく無いだけだ!!
・・・でも、俺じゃ止められない・・・
それなら────
────俺も行きます!!」
「!!・・・お前!・・・いや。」
ディールは一瞬止めようかと思った。しかし、それはキッドの覚悟を無駄する事だと、侮辱する事だと思い辞めた。
「・・・すみ、ません。遅れました・・・。」
「・・・アレク?どうした!その剣は!?」
そこで、突然身体を引きずりながらアレクは姿を現した。
アレクとディールはそれぞれ起こったことを話した。
「なるほど・・・くっ!こんな時に!!」
「いくらお前でも剣無しじゃ戦えないだろうな。」
「ディール団長!!剣があるか無いかなんて言ってる状況じゃない!!俺は戦う・・・素手だろうと!」
「違う!お前が相手にするのは、『魔剣』の方だ。」
「・・・!!何を言って!?」
「そんな、未知なる脅威相手に、獲物無しじゃ相手にならんだろう。」
アレクは歯を食いしばりギリッと音を立てる。
「国の一大事だぞ!!逃げる犯罪者など後回しで、迫る敵を倒す事が最優先のはずだ!!何を考えているんだ団長!!」
アレクはディールの胸元を掴み、叫ぶ。しかし、ディールは冷静な顔を保っている。
「・・・お前は騎士として一人前だな。だからこそ、今は違うべきなんだ。」
「何・・・?」
「俺達は騎士として国を守る。
お前は男として、彼女を守ってやれ。」
「あいつはもう犯罪者だ。」
そこでリエナはアレクの両肩を掴み、目を合わせる。
「確かにそう。彼女は罪を犯した。でも、彼女を守れるのはお前だけなんだ。」
「・・・?」
「まだ分かんない?いくら、完璧男でも、女心は理解できないの?」
「キッドまで・・・どういう意味なんだ。」
「彼女がお前以外に、笑顔を見せた事があるか?」
「いや・・・無い、です。」
「何故、彼女はお前の部屋によく行く?お前としかまともに話せない?」
「ドロシーさんは、頭が良すぎる。いくら天才の集まる研究科でもその存在は浮いてる。
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お前が居ない時はな。」
「分からんなら分からんでもいい!!私と団長の頼みだ!!どうが彼女を守ってやってくれ!!」
「言っただろ。男として彼女を、犯罪者では無く一人の人間として彼女を見てやれ。」
「・・・了解した。その代わり・・・
俺が戻るまで死なないで下さい!!
これは人としての俺の意見です!!」
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