天魔界戦

皇神凪斗

シャール vs カイト&メル その4

メルの背中に鋭い痛みが走る。しかし、涙をその目に溜めながら踏みとどまる。
そして、振り返りながら杖を横に振る。シャールは簡単にナイフで防ぐ。
たが、メルの反撃は終わっていなかった。
シャールの後ろでは絡まった樹木が鞭のようにしなり、シャールの脇腹に叩き込まれる。
「ぅぐっ・・・!!」
シャールの口から少し血が流れる。
突然、そこにカイトが飛び出す。氷槍を上から下へと振り下ろす。
「・・・しつこいです・・・ね!!」
シャールはその手に持っていたナイフを投げる。カイトは少し体を逸らすが、首を掠める。
その痛みに耐えながら攻撃を続行するが、シャールの身のこなしは今だ顕在で簡単に逃げられてしまう。
それを確認したカイトは血の吹き出る首に手を当てる。
「『氷結』!!」
カイトの首が血ごと凍りつく。つまり止血に成功する。
シャールは驚いてるカイトの足を見る。
「まさか、出血部を凍らせて・・・?」
「俺はこれ以上負けるつもりは無い!!」
「私も・・・です。アルマ君の・・・役に、立ちたいから!!」
シャールの表情に変化はない。無表情のまま、カイトとメルに警戒の視線を送り、新しいナイフを取り出す。
「私だって同じ気持ちです。あの方の為に・・・負ける訳にはいかない・・・!!」

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