天魔界戦

皇神凪斗

ゼツ vs レイジ その3

「いいねぇ!面白くなってきた!!」
そう言うとゼツは右手に槍、右手に剣を構える。
「『ライジング』!!」
レイジは後ろに周り、その背中に剣を振り下ろす。
すると、ゼツは槍の柄を上手くレイジの右腕に当てる。レイジの腕はその動きを一瞬止める。
その隙にゼツは振り返りながら剣で薙ぎ払う。
しかし、今度はレイジの足がゼツの腕を止めた。
そして、もう一つの足に魔力を集める。
「『槌雷ついらい』!」
その足は雷を纏い、ゼツの顔に襲いかかる。ゼツは為す術なくそれを受ける。
ゼツの全身が雷に覆われ、吹き飛ばされる。
痺れている身体を無理やり動かし、槍を地面に突き刺す。そして剣をレイジに向かって放る。
レイジは簡単にそれを弾く。
しかし、その瞬間ゼツが何かをレイジへ向けた。
「!!・・・『ショック電磁波』!」
レイジの手元から、小さな光が光速でゼツまで伸びる。
着弾とか同時にゼツは『引き金を引く』

ダアァンッ!!

何かが破裂するような音が響き渡る。
ゼツの持つ『それ』から発射された弾丸は、狙いとはそれたものの、レイジの左肩を抉る。
「うぐっ!!・・・銃だって!?」
ゼツの左手に握られているのは黒い拳銃だった。ごつい外見と銃口の下部には短く黒いナイフが取り付けてある。
剣を離し、左肩を抑えるレイジ。その左腕からは力が抜け、痛みは感じるものの動きはしなかった。
「驚いたか?銃なんて魔法に比べれば・・・そんな考えで戦争から手放されたものの、・・・どうだ?この『DEデザートイーグル』の味は。」
「やられたよ・・・予想もしなかった。」
レイジは血が垂れた右手で剣を拾い上げる。
「『電龍でんりゅう』!!」
その剣を薙ぎ払うと、レイジの剣から雷が飛び出す。その雷は長く鞭のようにしなり、先頭は竜の顔へと変わる。
レイジが剣をゼツへ向けると、その竜もゼツへ向かって飛んでいく。
ゼツは右手の槍を雷へ放つ。その雷は槍を包むが、もちろん止まることは無い。
続けて、マグナムを乱射する。弾丸一つ一つに雷が裂かれ、ゼツの手元までに雷は小さくなる。
「流石に強力だな。だがっ!!」
ゼツはその雷に対し、銃を振り下ろした。
雷は銃を伝わり、ゼツに流れる。

本来、そうであるはずだが。ゼツの銃はその雷を弾いた。

「銃は銃でも、特別製って事かい?」
ゼツはさらにもう一丁取り出し、両手に構える。
右手の銃から弾倉を落とし、腰に巻いてある弾倉を装填する。その後、太腿でスライドを一度引く。

「あぁ、こいつは魔力を弾く金属で作られている。
まだまだこれからだぜ?」

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