天魔界戦

皇神凪斗

第50話 ロキの正体

「僕は、彼らから逃げ出してきたんだ。管理政府にいるのも、ロキの手が及ばないと思ったからだ。」
だが違かった、奴は想像以上に強い。
「次の質問だ。ロキの正体ってのは?」
「察しているだろうけど、あのアーサーの孫だ。もう一人のね。」
「婆っちゃん。」
「・・・本当よ。あんたがあの人と木刀で殴りあってた時、たまに一緒にやってた小僧がいたでしょ?」
アルマは唾を飲む。
「・・・本当に、あいつなのか?」
「ええ、あんただけじゃなくて。あたしはロキの事も見てた。」
ロキがアルマ君の従兄弟?だったらなんでアルマ君の故郷を・・・。」
「・・・あいつは言ってた。俺と戦う為だって。
その為に生かしたって。」
「・・・そう言えばシャールさんも、復讐心を元に強く育てられたって・・・。」
それが真実、さらにロキの心が分からなくなる。
自分を恨ませ、強くし、戦う。
もし殺されたとしたらただの笑い者。
何がロキをそうさせたのか。

「言ったでしょアルマ、これは『あんたの戦い』よ。」

「あぁ、あいつが何を考えてようが・・・全てあいつの計画通りだとしても!!
人をゴミみてぇに焼き払うあいつを!!
放っておく訳にはいかねぇ!!」

アルマの瞳に、再び戦意が灯る。
「ほう、いい目だ。情報が無駄にならなくて良かった〜。」
いつの間にか、そばに情報屋シュウトが来ていた。
「うお!びっくりした!!・・・『良かった』、と言うことは?」
「おうよ!ちゃんと仕入れてきたぜ?
まあ、そこの『賢者様』も知ってるだろーがよ。」

そこからはおのおの、ギルドと政府に帰った。
「なんでだよグラン!!相手のアジトが分かったんだ。全員で行こーぜ!!・・・あ、ロキは俺と一対一な。」
「ダメだ。アジトが分かっても敵の戦力が把握出来てない。
アジトを襲ってる間に、こっちギルドが攻め込まれるかもしれねぇし。いくらお前が強くても数揃えられりゃ押しつぶされる!一体何人の犠牲が出るか・・・。」
「うっ・・・それは・・・。」
「だから!俺一人で行く!!」
「それじゃ、意味がねぇんだって!!」
「二人とも落ち着いて・・・。」
呆れたような顔でレイジが二人を宥める。議題はもちろんデスペラード殲滅についてだ。
ルーズからすでに依頼は出ている。レミアールは出れないが、ルーズ自身と多少の戦力は分けてくれる。
「グランさん、悪ぃけど。ロキを止められるのはアルマだけだと、俺は思ってる。」
「・・・。」
「わかってますよ。グランさんの強さは。でも、奴の目的はアルマと戦う事。下手をすれば奴らが暴走するかもしれない。」
グランはルーズの目を見る。そこには嘘をついている瞳は無かった。

「・・・分かった。おめぇら行ってこい!!
ただし、ぜってぇ死ぬなよ?」

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