天魔界戦
第34話 聖剣
『聖剣エクスカリバー』はヒューザ村から少し離れた所。
森に隠れた地下へと続く洞窟にある、ドロシーはそう言った。
しかし、伝説の聖剣が洞窟にあると言う情報は世に流れている。神器が欲しい者や、宝としての価値を見出し求める者もいる。
それでも手に入らないのは守護者がいるからだ。
鎧を着た三人の騎士風の者、『聖剣』に近づく者を攻撃して来るという。
ドロシーの話によれば、何者かが発見はしたものの、何らかの理由で手に取ることが出来なかった。
だが他の者に渡すのもどうかと思い、守護者を置いたと言う。
その『何らかの理由』は不明だが、その騎士を倒さない限り、『聖剣』は手に入らないだろう、と言う事だった。
戦闘の準備を整えて、洞窟へ来た。
ここに来たのはアルマ、メル、レイジ、そしてドロシー。カイトは医師の許可が降りなかった為置いてきた。
念の為持ち物を再確認し、洞窟に入る。
突然、洞窟の前でドロシーは立ち止まる。
「どうかしたか?婆っちゃん。」
「ごめんなさい。洞窟の中で魔法使うと、土で押し潰されちゃうから私は戦えないわ。」
無理に作り出した笑みを向けられたアルマは、その心中を探る。
確かに、下手に魔法を使えば洞窟は崩壊してしまうかもしれない。だが、『原初の魔女』とまで呼ばれた彼女がその程度で戦いを放棄するだろうか。
洞窟の中で出会う騎士が、『アルマの戦い』だから手を出さないのか。
なんにせよ、その悲しげな表情の祖母に無理強いはしたくなかった。
「んじゃ、行ってくる。」
「ええ、くれぐれも。・・・気を抜かないで。」
アルマは頷き、洞窟の奥へ進んで行った。
入口からは見えなかったが、少し進むと石で出来たアーチと床があり、明らかに人工的な洞窟だとわかる。
アーチをくぐると壁に付いている松明に火が灯る。次々と火が浮かび、道を示す。
それにより地面に転がる骨を見つける。
「やっぱり、誰かいるみたいだね。」
骨を集め手を合わせながらレイジが言った。
「慎重に進むぞ。」
アルマは大剣を、レイジは片手剣、メルは杖を取り出す。
アルマとレイジで横並び、続いてメルの陣形になる。
しばらく進むと、天井が開けた場所に出る。床も円状となり、まるで闘技場のようだ。
その円のアルマ達から反対側、少し雰囲気の違う、祠のような石に『聖剣』は刺さっていた。
いや、正確に『聖剣』とは分からない。アルマも見たことが無い代物だからだ。
しかし、それを守るように立ち塞がる鎧を着た騎士三人が、本物だという実感を湧かせる。
鎧、とは言ってもガチガチに重い物ではない。頭、手、肩、胴、足を守るように金属が覆い、その間は黒い布で繋がれる。よって肌は全く見えない。
そして鎧に刻まれた数えきれない傷がその者達の実力を語る。
アルマ達から見て左手、背が高くスラリとした体格の騎士はその身長ほどありそうな戦斧を携えている。
真ん中の騎士は肩幅が広く、布で覆われた腕はかなり引き締まってる様に見える。
武器はアルマと同じサイズの大剣。
そして右側にの騎士は少し小柄な体格だ。
そして武器は───
「弓?」
「随分古典的な武器だけど、強力な魔法が使えない現状での遠距離武器は厄介だね。」
その円の中に足を踏み入れると、真ん中の騎士は剣を地面に突き刺した。
「汝らの目的はなんだ?」
顔の見えないその兜の奥から野太い声が聞こえた。
「観光に来たって言ったら信じるか?」
「愚問だったな・・・。一応、警告をさせてもらう。
この剣を手にしたくば我らと戦うがいい。」
「そいつは爺っちゃんの物だ。素直にどいてくれたら痛い目見ないぜ?」
「フッ・・・。下らぬ嘘だな。これは我らの仲間・・・戦友の物である。蛮族に渡す訳にはいかぬ。」
「あんたらが蛮族だろうが。何言ってんだ?」
「まあ、これ以上話しても無駄みたいだね。」
アツくなるアルマをレイジは止める。
そして、張り詰めるような空気が漂う。
ここから『聖剣』をかけた戦いが始まる。
森に隠れた地下へと続く洞窟にある、ドロシーはそう言った。
しかし、伝説の聖剣が洞窟にあると言う情報は世に流れている。神器が欲しい者や、宝としての価値を見出し求める者もいる。
それでも手に入らないのは守護者がいるからだ。
鎧を着た三人の騎士風の者、『聖剣』に近づく者を攻撃して来るという。
ドロシーの話によれば、何者かが発見はしたものの、何らかの理由で手に取ることが出来なかった。
だが他の者に渡すのもどうかと思い、守護者を置いたと言う。
その『何らかの理由』は不明だが、その騎士を倒さない限り、『聖剣』は手に入らないだろう、と言う事だった。
戦闘の準備を整えて、洞窟へ来た。
ここに来たのはアルマ、メル、レイジ、そしてドロシー。カイトは医師の許可が降りなかった為置いてきた。
念の為持ち物を再確認し、洞窟に入る。
突然、洞窟の前でドロシーは立ち止まる。
「どうかしたか?婆っちゃん。」
「ごめんなさい。洞窟の中で魔法使うと、土で押し潰されちゃうから私は戦えないわ。」
無理に作り出した笑みを向けられたアルマは、その心中を探る。
確かに、下手に魔法を使えば洞窟は崩壊してしまうかもしれない。だが、『原初の魔女』とまで呼ばれた彼女がその程度で戦いを放棄するだろうか。
洞窟の中で出会う騎士が、『アルマの戦い』だから手を出さないのか。
なんにせよ、その悲しげな表情の祖母に無理強いはしたくなかった。
「んじゃ、行ってくる。」
「ええ、くれぐれも。・・・気を抜かないで。」
アルマは頷き、洞窟の奥へ進んで行った。
入口からは見えなかったが、少し進むと石で出来たアーチと床があり、明らかに人工的な洞窟だとわかる。
アーチをくぐると壁に付いている松明に火が灯る。次々と火が浮かび、道を示す。
それにより地面に転がる骨を見つける。
「やっぱり、誰かいるみたいだね。」
骨を集め手を合わせながらレイジが言った。
「慎重に進むぞ。」
アルマは大剣を、レイジは片手剣、メルは杖を取り出す。
アルマとレイジで横並び、続いてメルの陣形になる。
しばらく進むと、天井が開けた場所に出る。床も円状となり、まるで闘技場のようだ。
その円のアルマ達から反対側、少し雰囲気の違う、祠のような石に『聖剣』は刺さっていた。
いや、正確に『聖剣』とは分からない。アルマも見たことが無い代物だからだ。
しかし、それを守るように立ち塞がる鎧を着た騎士三人が、本物だという実感を湧かせる。
鎧、とは言ってもガチガチに重い物ではない。頭、手、肩、胴、足を守るように金属が覆い、その間は黒い布で繋がれる。よって肌は全く見えない。
そして鎧に刻まれた数えきれない傷がその者達の実力を語る。
アルマ達から見て左手、背が高くスラリとした体格の騎士はその身長ほどありそうな戦斧を携えている。
真ん中の騎士は肩幅が広く、布で覆われた腕はかなり引き締まってる様に見える。
武器はアルマと同じサイズの大剣。
そして右側にの騎士は少し小柄な体格だ。
そして武器は───
「弓?」
「随分古典的な武器だけど、強力な魔法が使えない現状での遠距離武器は厄介だね。」
その円の中に足を踏み入れると、真ん中の騎士は剣を地面に突き刺した。
「汝らの目的はなんだ?」
顔の見えないその兜の奥から野太い声が聞こえた。
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この剣を手にしたくば我らと戦うがいい。」
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アツくなるアルマをレイジは止める。
そして、張り詰めるような空気が漂う。
ここから『聖剣』をかけた戦いが始まる。
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